【最新】2023年におすすめの補助金4選!中小企業が活用する際のポイント

2023年におすすめの補助金

2023年も数多くの補助金が募集されており、気になっている中小企業の経営者の方も多いと思います。

補助金は上手に活用することで、自社の事業を大きく発展させる可能性があります。しかし、そのためには、それぞれの内容をよく理解し、自社にとって適切な制度を適切な手続きで運用する必要があります。

今回は、2023年に募集されている補助金の中から、主たる制度を4つ厳選して解説します。申請時の注意点や採択されるポイント、活用事例など申請に役立つ情報も説明します。ぜひご一読ください。

2023年の補助金①:ものづくり補助金

最初におすすめする補助金は、ものづくり補助金です。

その制度の名称から製造業のみを対象にした補助金と思われがちですが、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」であり、小売業やサービス業、建設業など幅広い業種で申請することが可能です。

補助上限は元々1,000万円でしたが、長引く新型コロナウイルスの影響や、最低賃金の上昇・DXの推進などドラスティックな事業環境の変化に対応するため、2021年・2022年に追加の申請類型の創設やそれに伴う補助上限・補助率の引き上げが行われました。2023年もグリーン投資や海外展開などの分野での拡充がされています。

事業概要

ものづくり補助金の目的は、中小企業が今後複数年にわたって直面する制度変更に対応するための取り組みへの支援です。制度変更とは働き方改革や賃上げ、インボイス制度の導入等を指します。これらに対応するための革新的なサービスや試作品の開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資の一部を支援します。

補助対象要件

ものづくり補助金の対象者は、日本国内に本社または補助事業の実施場所を有する会社または個人事業者です。加えて、資本金または常勤の従業員数が次表の数字以下であることが求められます。

業種資本金常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業、旅行業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業 (自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

また、組合や特定非営利活動法人、社会福祉法人等についても一定の要件を満たせば対象となります。加えて、常勤の従業員数が次表の数字以下となる特定事業者の一部も対象です。

業種常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業500人
卸売業400人
サービス業または小売業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)300人
その他の業種(上記以外)500人

ただし、資本金の額または出資の総額が10億円未満である場合に限ります。これらの対象となる会社または個人事業主が、次のすべての要件を満たす3〜5年の事業計画を策定し、事務局に提出することで申請が完了します。

  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする
  • 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加

これらの要件が未達であった場合、補助金の返還が求められる可能性があります。

補助上限額・補助率

2023年のものづくり補助金は、5つの申請枠で募集されます。それぞれの補助上限額・補助率は次表のとおりです。

申請枠補助上限額補助率
通常枠750万円〜1,250万円1/2
小規模企業者・小規模事業者、再生事業者:2/3
回復型賃上げ・雇用拡大枠750万円〜1,250万円2/3
デジタル枠750万円〜1,250万円2/3
グリーン枠エントリー類型
750万円〜1,250万円
2/3
スタンダード類型
1,000万円〜2,000万円
アドバンス類型
2,000万円〜4,000万円
グローバル市場開拓枠3,000万円1/2
小規模企業者・小規模事業者:2/3

補助事業終了後、3〜5年で大幅な賃上げに取組む事業者を手厚く支援しており、補助上限額が100万円〜1,000万円が更に上乗せされます。なお、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」や各申請枠の補助上限額に達しない場合は除かれます。

スケジュール

2023年のものづくり補助金は14次締切分が2023年1月11日(水)に公募が開始され、2023年4月19日(水)をもって応募が締め切られています。令和4年度(2022年度)第二次補正予算では、切れ目なく令和6年度(2024年度)にかけて事業が実施される予定となっており、15次締切分のスケジュールが次のとおり公表されています。

  • 公募開始:2023年4月19日(水)17時〜
  • 申請受付:2023年5月12日(金)17時〜
  • 応募締切:2023年7月28日(金)17時

ものづくり補助金の申請代行のご利用をご検討の際は、次の記事もご参照ください。

2023年の補助金②:事業再構築補助金

次におすすめする補助金は、事業再構築補助金です。

事業再構築補助金はコロナ禍で創設された制度で、毎回2万社を超える応募があり、2022年に最も注目度の高かった補助金です。時限的な補助金とも思われていましたが、2023年度にも事業が継続されることが決定しています。

まだ新設されたばかりの補助金であるにも関わらず、長引く新型コロナの影響や社会環境の変化、事業者の実態を鑑み、柔軟に制度内容が変更されてきました。2023年の公募でも更に使いやすく見直しが行われています。

事業概要

事業再構築補助金は、新型コロナの影響が長期化していることを踏まえ、当面の需要や売上の回復が期待できない中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、思い切った事業の再構築を支援する制度です。

事業再構築の定義は、経済産業省が示す「事業再構築指針」によって定められており、支援の対象は次のとおりです。

  • 新分野展開
  • 事業転換
  • 業種転換
  • 業態転換
  • 事業再編

補助対象要件

事業再構築補助金の対象者は、日本国内に本社を有する中小企業等または中堅企業等です。中小企業等の定義は、資本金または常勤の従業員数が次表の数字以下であることです。

業種資本金常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業 (自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

ただし、表の数字に該当する場合でも、発行する株式または出資の総額の一定以上を大企業が所有していたり、大企業の職員や役員と兼務する役員が役員総数の一定在籍したりする場合、「みなし大企業」となり、対象外となります。

中堅企業等の定義は、次の2点です。

  • 資本金の額または出資の総額が10億円未満の法人であること
  • 資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常勤の従業員数が2,000人以下であること

なお、資本金または常勤の従業員数が中小企業と定義される数字内であっても、直近過去3年分の課税所得の平均額が15億円を超える場合は、中堅企業として扱います。これらの対象となる会社または個人事業主が、次の必須要件をすべて満たす場合に申請することができます。

  • 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3〜5年の事業計画を「認定経営革新等支援機関」や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む
  • 補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3〜5%以上増加または従業員一人当たりの付加価値額の年率平均3〜5%以上増加

なお、令和4年度(2022年度)第二次補正予算にかかる公募からの大きな変更点として、売上高減少要件の撤廃が挙げられます。この変更により、売上高減少要件を満たさず、これまで申請することができなかった事業者様も申請することが可能になりました。

補助金額・補助率

2023年3月30日(木)より募集が開始された第10回では、8つの申請類型で募集されています。それぞれの補助上限額・補助率は次のとおりです。

申請類型補助上限額補助率
成長枠2,000万円、4,000万円、5,000万円、7,000万円中小:1/2、中堅:1/3
グリーン成長枠<エントリー> 中小:4,000万円、6,000万円、8,000万円 中堅:1億円中小:1/2、中堅:1/3
<スタンダード> 中小:1億円 中堅:1.5億円
卒業促進枠成長枠・グリーン成長枠に準ずる中小:1/2、中堅:1/3
大規模賃金引上促進枠3,000万円中小:1/2、中堅:1/3
産業構造転換枠2,000万円、4,000万円、5,000万円、7,000万円中小:2/3、中堅:1/2
最低賃金枠500万円、1,000万円、 1,500万円中小:3/4、中堅:2/3
物価高騰対策・回復再生応援枠1,000万円、1,500万円、2,000万円、3,000万円中小:2/3(一部3/4)、中堅:1/2(一部2/3)
サプライチェーン強靭化枠5億円中小:1/2、中堅:1/3

補助下限額は一律100万円となっています。なお、「卒業促進枠」と「大規模賃金引上促進枠」は、「成長枠」と「グリーン成長枠」いずれかの補助事業を通して、中小・中堅企業等から中堅・大企業等へと規模拡大する場合や、継続的な賃金の引上げ及び従業員数の増加に取り組む事業者に対して上乗せの支援を行う申請類型です。

また、「成長枠」と「グリーン成長枠」は、事業終了時点で大規模な賃上げを達成していた場合、補助率が中小2/3、中堅1/2に引き上げられます。加えて、「産業構造転換枠」は、廃業を伴う場合、廃業費として最大2,000万円上乗せされます。

スケジュール

2023年の事業再構築補助金は、第9回が2023年3月24日(金)に応募が締め切られています。令和5年度(2023年度)末にかけて3回程度の募集が予定されており、第10回のスケジュールが次のとおり公表されています。

  • 公募開始:2023年3月30日(木)
  • 申請受付:調整中
  • 応募締切:2023年6月30日(金)18時

事業再構築補助金の申請代行のご利用をご検討の際は、次の記事もご参照ください。

2023年の補助金③:小規模事業者持続化補助金

続いておすすめする補助金は、小規模事業者持続化補助金です。

小規模事業者持続化補助金は、制度の名称のとおり小規模事業者を対象とした補助金です。他の制度と比較して、補助上限は低額であるものの、その使いやすさ、申請書類の少なさから補助金の登竜門的な制度とされています。

通常は補助上限50万円ですが、近年発生した豪雨災害や新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、補助上限や補助率が大きく引き上げられた募集もありました。2023年も広く事業者を支援するため、さまざまな特別枠が用意されており、インボイス制度対応に関しては、特に手厚く支援しています。

事業概要

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が取り組む地道な販路開拓等に要した経費の一部を支援する制度です。

主には、販売方法の工夫や商品のブラッシュアップや開発などの取組みが対象となります。また、地道な販路開拓等と併せて行われる業務効率化(生産性向上)のための取り組みも一部補助されます。

補助対象要件

小規模事業者持続化補助金の対象者は、日本国内に所在する小規模事業者です。小規模事業者の定義は、次表のとおり業種ごとに常時使用する従業員の数によって判断されます。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)常時使用する従業員の数5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数20人以下
製造業その他常時使用する従業員の数20人以下

また、一定の要件を満たした特定非営利活動法人も対象です。

なお、商工会・商工会議所がオフィシャルな相談先として設定されており、それらの支援を受けながら取り組む事業であることが申請の要件です。商工会・商工会議所の支援とは、事業支援計画書の発行を受け、補助事業の実施に対して助言を受けることとされています。

補助上限額・補助率

2023年の小規模事業者持続化補助金は、5つの申請枠で募集されることが公表されています。それぞれの補助上限・補助率は次表のとおりです。

申請枠補助上限補助率
通常枠50万円2/3
賃金引上げ枠200万円
卒業枠
後継者支援枠
創業枠

なお、免税事業者からインボイス発行事業に転換する事業者は、すべての申請枠で一律50万円が上乗せ支援されます。「通常枠」の場合、補助上限100万円、それ以外の特別枠では250万円になります。また、「賃金引上げ枠」では、赤字事業者の補助率が3/4に引き上げられます。

スケジュール

2023年5月現在、2023年の小規模事業者持続化補助金は第12回公募が次のスケジュールで公募されています。

  • 公募要領公開:2023年3月3日(金)
  • 申請受付開始:2023年3月10日(金)
  • 申請受付締切:2023年6月1日(木)

商工会・商工会議所が発行する「事業支援計画書」の受付締切が2023年5月25日(木)となっていますのでご注意ください。なお、第13回公募の申請受付締切は、2023年9月7日(木)で公表されています。 小規模事業者持続化補助金の申請代行のご利用をご検討の際は、次の記事もご参照ください。

2023年の補助金④:IT導入補助金

最後に紹介するおすすめの補助金は、IT導入補助金です。

「ソフトウェアなどのITツールの導入といえばIT導入補助金」というほど、ITに特化した制度です。特に、昨今のIT・DXを推奨する風潮やコロナ禍を経て、申請枠の追加やハード機器の一部を補助対象とするなど2022年に制度内容が大きく拡充されました。

2023年も2022年の内容を踏襲しつつ、さらに使いやすく拡充されています。貴社のDXの取組みの際には、ぜひIT導入補助金の活用をご検討ください。

事業概要

IT導入補助金は、「通常枠」「デジタル化基盤導入枠」「セキュリティ対策推進枠」の3つの申請枠で募集されています。ITツールを導入することで中小企業や小規模事業者等が持つ経営上の課題を解決し、生産性の向上や売上高の拡大を目指す取組みを支援する制度です。

補助事業実施の際には、「IT導入支援事業者」が取組みをサポートしてくれるということも特徴の一つです。

補助対象要件

IT導入補助金の対象者は、次表に該当する中小企業や小規模事業者です。

業種資本金常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業 (自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

小規模事業者の定義は次表のとおりです。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)常時使用する従業員の数5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数20人以下
製造業その他常時使用する従業員の数20人以下

また、一定の要件を満たした医療法人や社会福祉法人、特定非営利活動法人も対象とすることができます。なお、2023年6月に創設される「デジタル化基盤導入枠」の「商流一括インボイス対応類型」については、大企業も申請することが可能です。申請の要件は、申請枠に応じて複数設定されており、共通しているのは次の2点です。

  • 「IT導入支援事業者」のサポートを受ける
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかの宣言を行う

IT導入補助金では、ITツールの導入を支援する「IT導入支援事業者」と連携して補助事業を実施していくため、補助金の手続きやITツールの知識に不安のある方でも利用しやすい制度といえます。

補助額・補助率

2023年のIT導入補助金は、2022年から引き続き募集される3つの枠と4つの類型に、新たに1つの類型を加え、募集されることが公表されています。それぞれの補助額・補助率は次表のとおりです。

申請枠・類型補助額補助率
通常枠A類型5万円〜150万円未満1/2以内
B類型150万円〜450万円以下
デジタル化基盤導入枠デジタル化基盤導入類型会計・受発注・決済・ECソフト50万円以下3/4以内
50万円超〜350万円2/3以内
PC・タブレット等〜10万円1/2以内
レジ・券売機等〜20万円
複数社連携IT導入類型(1)デジタル化基盤導入類型の対象経費
(2)消費動向等分析経費
50万円×参画事業者数
補助上限:(1)+(2)で3,000万円
(3)事務費・専門家費
補助上限:200万円
(1)デジタル化基盤導入類型と同様
(2)・(3)2/3以内
セキュリティ対策推進枠5万円〜100万円1/2以内

なお、2022年からの変更点として、次の2点が挙げられます。

  • 「通常枠」の「A類型」の補助下限額引き下げ及び「デジタル化基盤導入枠」の「デジタル化基盤導入類型」における「会計・受発注・決済・ECソフト」の補助下限額の撤廃
  • 「通常枠」の「クラウド利用料」の対象期間が最大2年分に長期化
  • 取引関係における発注者が費用を負担してインボイス対応済の受発注ソフトを導入し、受注者である中小企業・小規模事業者等が無償で利用できるケースを支援

これらの拡充により、さらに使いやすい補助金となっています。

スケジュール

2023年5月現在、2023年のIT導入補助金は、「通常枠」「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤導入類型」の2次締切分、「複数社連携IT導入類型」の1次締切分が次のスケジュールで公募されています。

  • 「通常枠」「セキュリティ対策推進枠」:2023年6月2日(金)17時
  • 「デジタル化基盤導入類型」:2023年5月16日(火)17時
  • 「複数社連携IT導入類型」:2023年5月31日(水)17時

なお、「デジタル化基盤導入枠」の「商流一括インボイス対応類型」の1次締切分の交付申請は、2023年6月20日(火)より受付が開始される予定です。 これ以降では、「通常枠」「セキュリティ対策推進枠」が4次締切分、「デジタル化基盤導入類型」が6次締切分、「商流一括インボイス対応類型」の2次締切分までそれぞれ公表されています。

補助金に申請する際の注意点

最後に、補助金に申請される際の注意点について解説します。補助金にはさまざまなルールがあり、使いこなすにはコツが必要です。補助金の特徴をしっかりと押さえて、貴社の発展のため、上手に活用しましょう。

助成金と異なり審査がある

補助金と似通った制度に「助成金」があります。助成金とは、主に厚生労働省等が募集しており、一定の要件を満たすことで支給されます。

一方、補助金は、申請する際に事業計画書を提出し、審査員による審査を経て、採択・不採択が決定されます。採択率は制度や年度によっても異なりますが、おおむね30〜60%となっており、基本的には補助金の方が受給のハードルが高くなっています。

その要因は、それぞれの財源にあります。助成金は雇用保険料となっているのに対し、補助金は税金となっているため、支給先には特に厳正な支給先の選定が求められるのです。

全額支給されるわけではない

取り組みに要した経費のすべてが支給されるわけではないことにも注意が必要です。

補助金は、制度ごとにそれぞれ補助率が設定されており、おおむね1/2〜3/4の間で決められています。つまり、それ以外の部分は自己負担として、貴社で用意する必要があります。

また、多くの場合、消費税部分も補助対象外となっており、補助率2/3の制度に申請した場合、実質的な補助金額は1/2程度に感じてしまうかもしれません。そのため、補助金をあてにして過大な投資を計画してしまうと、運転資金を圧迫し、貴社の経営が揺らいでしまう可能性があるため注意してください。

原則後払いである

補助金は、補助事業にかかる取り組みをすべて完了し、実績報告が事務局に承認された後、はじめて支給されるものです。補助事業の中には、設備投資等に要した経費の支払いも含まれているため、取り組みに要した経費の全額を貴社で立て替え払いしておく必要があります。

資金面で余裕のない中小企業様の場合、無理な資金計画は資金繰りの悪化につながります。補助金に申請する際には、メインバンクなどにも相談し、キャッシュフロー計画も併せて検討しておくことが重要です。

補助金に採択されるためのポイント

補助金の採択を受けるためには、どうすればよいのでしょうか。

主なポイントは、次のとおりです。

適切な専門家にサポートを依頼する

補助金のほかに、返済不要なまとまった資金を手にできる機会などほとんどありません。そのため、多くの事業者が採択へ向けて真剣に取り組んでします。

特にものづくり補助金や事業再構築補助金など大型の補助金は、生半可な事業計画で採択を勝ち取ることは困難です。採択を得るためには補助金に強い専門家とともに事業計画を練り込み、また、補助金を熟知した専門家に申請書類の作成を依頼することが近道となるでしょう。

時間に余裕をもって取り掛かる

補助金は、決められた公募期限内に申請しなければなりません。しかし、期限ギリギリで取り掛かってしまえば、事業計画を十分に練り込む時間が取れないまま申請せざるを得ない可能性が生じるでしょう。

そのため、補助金の申請は、時間に余裕を持って取り掛かることをおすすめします。

補助金の活用事例

続いて、それぞれの補助金を活用した代表的な事例をご紹介します。貴社の取組みのヒントになれば幸いです。

ものづくり補助金の活用事例

1社目は、各種コンベアの設計・製作・据付・メンテナンスを事業とするT社を当社トライズコンサルティングが支援した事例です。自社で2度申請に挑戦するも不採択となり、しっかりサポートしてくれる会社をインターネットで検索し、当社にご依頼いただきました。

結果、見事採択を受け、新たな設備を導入し、売上・利益の向上に貢献しています。特に、事業計画書の作成サポートの面で大変高いご満足をいただいています。

  • ものづくり補助金(第8次)採択事例:株式会社タカノ様

2社目は、ロールスクリーンメーカーとしてシェアを伸ばすH社です。特殊で高機能なロールスクリーンはオーダーメイドによる多品種生産のため、手作業が増え、受注が集中した際のボトルネックとなっていました。自動化、生産力のため、設備導入を行い、製造リードタイムの短縮に加え、QCDのレベルアップにも大きく寄与しています。

事業再構築補助金補助金の活用事例

L社は、プロバスケットチームの運営と、スポーツ教室やその他イベントの企画を行う地域密着型の企業です。コロナ禍による行動規制により、入場数は減少し、加えて、応援や接触など熱狂を生み出す空間を演出しづらくなっており、チケット収入に変わる収益の柱を確立する必要に迫られていました。

そこで、スポーツイベントの企画・運営で得たノウハウや人的資産を活用し、新たに企業のPR映像制作・機材レンタル事業に進出しました。補助事業を通じて、300社を超えるスポンサーとさらにつながりを強め、本業とのシナジー効果も見込んでいます。

小規模事業者持続化補助金の活用事例

S社は、総畳敷で全部屋和室、地産地消の郷土料理が好評の温泉宿です。近年では、特に外国人観光客が増加傾向でしたが、コロナ禍の影響により、売上が前年同月比で半分以上減少する非常に厳しい状況になっていました。

そこで国内在住の外国人向けに英語版のパンフレットを作成し配布・設置したところ、数多くの問合せがあり、売上回復につながりました。今後も新型コロナの状況を注視しながら国内外の需要の獲得を計画しています。

IT導入補助金の活用事例

O社は、宮大工の技術を継承した地域密着型の工務店です。顧客に対しての提案には、建築物の完成イメージや間取り、図面等資料の準備に時間を要し、また、商談の場でのプラン変更など、よりスピーディーさが求められるようになりました。 こうした業界の変化に対応するため、建築3次元CADを導入し、顧客へリアルなイメージをリアルタイムで伝えられるようになり、提案力・訴求力が格段に向上しました。結果として売上増加に加え業務効率も改善したことから、粗利改善につながっています。

補助金に関するよくある質問

最後に、補助金の申請について、事業者からよく挙がる質問とその回答を紹介します。なお、当社トライズコンサルティングでは、補助金申請について初回無料の相談サービスを提供しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

補助金はどのように探せば良い?

自社に合った補助金をどうやって探したら良いのかというのが最初の疑問かと思います。

おすすめは、中小企業庁の運営する「中小企業向け補助金・総合支援サイト ミラサポplus」と独立行政法人中小企業基盤整備機構の運営する「支援情報ヘッドラインJ-Net21」の活用です。いずれも行政が運営しているサイトのため、情報の信頼度が高く、制度を地域や投資内容別、フリーワード等で検索することが可能です。

また、当社「トライズコンサルティング」のサイトでも最新の制度情報やトレンドの発信を行っていますので、ぜひご覧ください。

補助金は返還の必要がある?

受給した補助金は原則、返還の必要はありません。しかし、制度によっては補助事業終了後、数年にかけて状況報告を行い、補助金の効果によって利益が得られた場合は、その一部を返還する必要があることもあるので個別に確認が必要です。

また、事務局の承認を得ることなく、補助金によって取得した設備等を他者へ譲渡したり、事業期間の途中で補助事業を廃止したりした場合などにも、補助金の一部または全額を返還しなくてはなりません。

なお、いうまでもありませんが、虚偽の申請や報告により、不正に補助金を受給した場合も返還が求められます。

複数の補助金での併用は可能?

申請できる補助金があれば、複数の補助金に申請して、受給したいと思われるでしょう。

しかし、原則として1つの事業に対して申請することのできる補助金は1つとされています。そのため、取り組む事業が異なっていれば、併用できる可能性があります。また、過去に採択を受けた事業をさらに発展させるために取り組む場合も申請することができます。

併用することができない制度の場合、後になって面倒な手続きが必要になったり、補助金が受給できないといった事態に陥ったりする可能性があります。同時期に補助金を併用しようとするときは、事前に公募要領をよく読み、事務局やサポート機関へ直接問い合わせてみてください。

補助金申請代行・サポートはトライズコンサルティングにご相談ください!

2023年の補助金申請代理は、トライズコンサルティングにぜひご相談ください。当社に在籍するトップコンサルタントはご紹介した補助金を高いレベルで理解し、クライアントの各種ご要望にお応えすることが可能です。

また、代表の野竿は、唯一のコンサルタントの国家資格である中小企業診断士であり、経営革新等認定支援機関として国から登録も受けています。遠方の場合でも、「Zoom」等でのオンラインに対応しています。

まとめ

2023年に中小企業で活用できるおすすめ補助金を4種類紹介しました。補助金を活用することで貴社のビジネスは大きく発展し、あるべき姿へ近づけることができるでしょう。

しかし、数多く募集されている補助金の中から自社に最適な制度を見つけ、効率的に申請を行うことは大変困難です。

当社トライズコンサルティングは、発展に対して前向きな中小企業のサポーターとして、補助金申請のお手伝いを行っています。まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。

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