補助金とは、要件を満たして所定の期間内に申請することで、国や地方公共団体などからまとまった事業資金を受け取れる制度です。融資とは異なり原則として返済不要であることから、思い切った事業投資がしやすくなります。
ただし、補助金は申請したからといって必ず受給できるものではありません。補助金を受給するには、補助金ごとに設けられた要件を満たして申請したうえで、多数の申請の中から補助対象に相応しいとして選ばれる(採択される)必要があります。
補助金に採択されるには申請内容やその補助金を使って実現したい事業計画を十分に練り込む必要があり、これを自社だけで行うことは容易ではないでしょう。
そこでおすすめなのが、補助金にくわしい専門家に申請サポートを受けることです。専門家のサポートを受けて事業計画を練り込むことで、補助金に採択される可能性を高めることにつながります。また、自社でかける時間と労力を大きく削減することも可能となるでしょう。
では、補助金の申請サポートを依頼する専門家は、どのような視点で選べばよいのでしょうか?また、2024年11月時点で申請できる補助金には、どのようなものがあるのでしょうか?
今回は、補助金の申請サポートを受けるメリットや専門家の選び方、注意点などについてくわしく解説するとともに、2024年11月時点における主要補助金の最新情報を紹介します。
補助金とは
これまで補助金を活用したことがない場合、補助金がどのようなものかイメージが湧きにくいかもしれません。
そこではじめに、補助金の概要を解説します。
補助金とは何か
補助金とは、所定の要件を満たして申請することで、国や地方公共団体などから返済不要なまとまった資金を受け取れる制度です。
ただし、要件を満たしているからといって必ず受給できるものではなく、多くの申請の中から選ばれなければなりません。
多数の申請の中から補助金の支給候補として選定されることを、「採択」といいます。
助成金との違い
補助金と似た制度に、助成金があります。
助成金も、国などから返済不要な資金を受け取れる制度という点で共通しています。
実は、補助金と助成金とに明確な線引きがあるわけではありません。
ただし、助成金の大半は厚生労働省管轄のものであり、厚生労働省管轄のものに限ると、次のように整理することが可能です。
補助金 | 助成金 | |
---|---|---|
管轄 | 経済産業省など | 厚生労働省 |
制度の目的 | 補助金によって異なる | 雇用や人材育成など |
募集期間 | 一定の公募期間のみ | 通年 |
要件を満たして申請すれば受給できるか | 受給できるとは限らない(採択が必要) | 受給できる |
申請サポートができる専門家 | 中小企業診断士や行政書士など | 社会保険労務士のみ |
これはあくまでも一般的な違いです。
そのため、補助金や助成金を実際に活用する際は、その補助金や助成金の公募要領などをよくご確認ください。
補助金の申請で専門家のサポートを受ける主なメリット
補助金の申請について専門家によるサポートを受けるメリットは、どのような点にあるのでしょうか?主なメリットを、5つ解説します。
- 自社に適した補助金についてアドバイスが受けられる
- 自社でかける時間や手間を大きく削減できる
- 補助金を活用した全体の流れが分かる
- 補助金が採択される可能性を高められる
- 事業内容についてのコンサルティングが受けられる
自社に適した補助金についてアドバイスが受けられる
補助金は非常に多く存在し、自社に合った補助金を見つけるだけでも一苦労です。
また、補助金は恒久的な制度ではなく、ようやく見つけたときには申請できる期間を過ぎている事態ともなりかねません。
専門家のサポートを受けることで、自社に適した補助金のアドバイスを受けることが可能となります。
自社でかける時間や手間を大きく削減できる
補助金の申請にまつわる業務をすべて自社のみで行おうとすると、多大な手間と時間がかかります。
特に大型の補助金では公募要領を読み込んで理解するだけでも大変であり、自社の本業を圧迫する事態となりかねません。
専門家に補助金の申請サポートを受けることで、自社でかける手間と時間を最小限に抑えることが可能となります。
補助金を活用した全体の流れがわかる
補助金を初めて申請する場合、全体の流れがわからないことも少なくないでしょう。
特に、補助金が振り込まれるタイミングについては、誤解が少なくありません。
専門家にサポートを受けることで全体の流れについてもアドバイスを受けられ、全体の流れが理解しやすくなります。
補助金が採択される可能性を高められる
専門家に申請サポートを依頼することで、採択される可能性を高めることが可能となります。
なぜなら、それぞれの補助金には補助金制度の目的や審査項目が定められており、専門家はこれらを熟知したうえで申請書類の作成などを行うためです。
また、専門家からコンサルティングを受けることで申請への添付が必要となる事業計画の精度が高まることも、採択の可能性を高められる理由の1つといえます。
事業内容についてのコンサルティングが受けられる
大型の補助金では、採択を受けるために事業計画の練り込みが不可欠です。
そのため、大型の補助金に関する申請サポートでは、事業計画についてコンサルティングがなされることが少なくありません。
このコンサルティングは、補助金の採択を目指して行うものです。
しかし、万が一補助金が不採択になったとしても、専門家とともに脳に汗をかいて練り込んだ事業計画は、自社にとっての財産となるはずです。
そのため、補助金をきっかけとして専門家からコンサルティングを受けられること自体も、専門家によるサポートを受けるメリットの1つといえるでしょう。
補助金の申請サポートを受けるデメリット・注意点
補助金の申請サポートを受けることには、デメリットも存在します。ここでは、主なデメリットと注意点を3つ紹介します。
- 専門家報酬がかかる
- 事業計画の策定から丸投げできるわけではない
- 悪質な業者に依頼しないよう注意が必要である
専門家報酬がかかる
1つ目は、専門家への報酬がかかることです。
なお、報酬は「着手金」と「成功報酬」との二段階となっていることが一般的です。
- 着手金:専門家へサポートを依頼した時点で発生する報酬。採択・不採択に関わらず支払いが必要となる。申請する補助金の種類により、5万円~20万円程度
- 成功報酬:補助金が採択された場合に追加で発生する報酬。申請する補助金の種類により、補助金額の10%~15%程度
なかでも、着手金は採択・不採択にかかわらず発生するものであり、たとえ不採択となっても返金されません。
事業計画の策定から丸投げできるわけではない
2つ目は、事業計画の策定から丸投げできるわけではないことです。
補助金はあくまでも、自社で何か実現したい設備投資などがあるものの、資金面で実現が難しい場合などに活用すべきものです。そのため、これとは反対に「補助金がほしいから、何か事業を考えて」と言われても、専門家は原則として対応することができません。
そもそも、補助金の多くは事業実施後の後払いであるため、行うつもりのない事業内容を記載して仮に採択されたとしても、事業の実施(補助対象経費の支出)をしない限りは補助金を受け取ることはできないため無意味です。誤解のないよう注意しましょう。
悪質な業者に依頼しないよう注意が必要である
3つ目は、補助金の申請サポートをうたう事業者の中に、悪質な業者が混じっている可能性があることです。
万が一悪質な業者に依頼してしまうと事前説明のなかった高額な請求をされる可能性があるほか、虚偽申請をそそのかされるリスクもあります。そのため、依頼を検討している専門家についてはあらかじめ評判を調べるとともに、料金についても書面などで提示を受けることをおすすめします。
また、仮に業者から虚偽申請をすすめられても、絶対に応じてはなりません。虚偽申請は重大な犯罪であり、発覚すれば前科が付く可能性があります。これにより企業が大変な事態に陥っても、そそのかした業者が助けてくれるわけでもありません。
補助金の申請サポートは誰に依頼する?
補助金の申請サポートは、誰にするのが適切なのでしょうか?ここでは、依頼先の選択肢とそれぞれの専門家の特徴について解説します。
- 中小企業診断士
- 行政書士
- 税理士
- 民間のコンサルタント
- 金融機関
- 商工会・商工会議所
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営支援や事業計画策定などを専門とする国家資格者です。
特に大型の補助金は、中小企業診断士への依頼が有力な選択肢となります。なぜなら、大型の補助金では事業計画の練り込みが採択を受けるためのポイントとなり、この事業計画の練り込みや事業のコンサルティングは中小企業診断士がもっとも得意とする分野の一つであるためです。
なお、中小企業診断士であれば補助金の申請サポートを手がけている場合が多いものの、補助金関連の業務を積極的に取り扱わない中小企業診断士もゼロではありません。そのため、補助金の申請サポートを依頼したい場合は、あらかじめその中小企業診断士が補助金の申請サポートに力を入れているかどうか確認することをおすすめします。
行政書士
行政書士は、官公署に提出する書類や権利義務関係の書類作成の専門家です。定められた様式に従い、顧客の希望を実現するための書類を作成することを得意としています。
ただし、補助金を得意としている行政書士もいる一方で、補助金に関連する業務をまったく手掛けていない事務所も少なくありません。なぜなら、行政書士の業務範囲は非常に広いためです。
そのため、行政書士に補助金の申請サポートを依頼する際は、その行政書士が補助金に関する業務を積極的に取り扱っているかどうかあらかじめ確認することをおすすめします。
税理士
税理士は、税の専門家です。事業者の多くは顧問税理士をつけており、もっとも身近な専門家が税理士である場合も少なくないでしょう。
しかし、税務と補助金とは似て非なるものであり、税理士であるからといって補助金に詳しいとは限りません。また、補助金の申請サポートを手掛けている税理士であっても、受託先は顧問先に限定しているケースが多いようです。
民間のコンサルタント
国家資格を有していない民間のコンサルタントが、補助金サポートを手掛けている場合もあります。
ただし、民間コンサルタントには非常に信頼できるプロフェッショナルがいる一方で、悪質な業者が混じっている可能性も否定できません。そのため、民間のコンサルタントに補助金申請サポートを依頼する際は、信頼できる専門家を特に慎重に見極めるようにしてください。
金融機関
金融機関のなかには補助金に力を入れ、積極的に相談に乗っているところがあります。金融機関へ融資を申込む際に、補助金の併用をすすめられることもあるでしょう。
実際に、ものづくり補助金や事業再構築補助金など大型の補助金を活用する際は、融資を併用するケースが少なくありません。
しかし、金融機関が補助金の申請書類を作ってくれたり申請内容について細かなアドバイスをくれたりすることはほとんどなく、補助金制度の概要説明と専門家の紹介に留まることが一般的です。
商工会・商工会議所
地域の商工会や商工会議所で、補助金に関する相談を受けていることがあります。しかし、こちらも金融機関と同じく具体的に申請のサポートまでをしてくれるわけでなく、制度の案内や専門家の紹介に留まることが一般的です。
補助金の申請サポートを受けて補助金を活用する流れ
補助金の申請サポートを依頼した場合、補助金を受け取るまではどのような流れになるのでしょうか?ここでは、一般的な流れを解説します。
- 補助金の申請サポートを依頼する専門家にコンタクトをとる
- 専門家によるコンサルティングを受ける
- 補助金の申請書類を作成する
- 公募期間内に申請する
- 採択・不採択が通知される
- 交付申請をする
- 補助対象事業を実施する
- 実績報告をする
- 補助金が交付される
補助金の申請サポートを依頼する専門家にコンタクトをとる
初めに、補助金の申請サポートを依頼したい専門家へコンタクトをとります。申請したい補助金が定まっていなくても、専門家へ相談することで、自社に合った補助金を教えてもらえることも少なくありません。
専門家によるコンサルティングを受ける
専門家に申請サポートを依頼すると、専門家から事業計画を練り込むためのコンサルティングを受けられることが一般的です。これのステップは専門家に丸投げできるわけではなく、専門家と打ち合わせを重ねて事業計画の精度を高めていくこととなります。
補助金の申請書類を作成する
事業計画などの内容が固まったら、これを元に申請書類を作成します。申請書類は、専門家が作成してくれることが多いでしょう。
公募期間内に申請する
補助金の申請書類が作成できたら、公募期間中に補助金を申請します。最近ではオンラインからしか申請できない補助金が増えており、申請には「GビズIDプライムアカウント」が必要となることが一般的です。
そのため、補助金の活用を検討している段階から、アカウントの取得を進めておくことをおすすめします。
採択・不採択が通知される
公募期間の満了後に、採択・不採択が決定されます。採択結果は申請者全員に通知がされるほか、採択者一覧が補助金の公式ホームページに掲載されることもあります。
交付申請をする
補助金に採択されたからといって、すぐに補助金が振り込まれるわけではありません。多くの補助金で、採択後にまず交付申請をすることが求められています。
交付申請を行うと事務局から交付決定がなされますが、この交付決定前に支出した経費は原則として補助対象とならないため、注意が必要です。
補助対象事業を実施する
交付決定後に、補助対象事業の実施(補助対象経費の支出)をします。この時点ではまだ補助金が受け取れていないため、補助対象事業を実施するための資金調達方法についても検討しておかなければなりません。
大型の補助金では自己資金では賄えないことが多いため、融資を併用することが一般的です。
実績報告をする
補助対象事業を実施したら、実績報告を行います。大型の補助金ではこの実績報告にも相当な手間がかかるため、専門家にサポートを受けることをおすすめします。
補助金が交付される
実績報告に問題がないと事務局に判断されると、ようやく補助金が振り込まれます。事業実施のために一時的な融資を受けていた場合は、すみやかに返済を行いましょう。
2024年のおすすめの補助金
補助金は非常に多く存在するうえ、国などが積極的にコマーシャルなどを打ってPRするものでもありません。また、補助金制度は頻繁に新設されたり、廃止されたりします。そのため、自社がどの補助金を活用できるのか、また、現在どのような補助金制度があるのか、調べるだけでも一苦労でしょう。
そこでここでは、2024年11月時点に存在する主な補助金をまとめて解説します。自社に合った補助金が知りたい場合や補助金申請にあたって専門家によるサポートを希望する場合などには、トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 省力化投資補助金
自社に合った補助金が知りたい場合や自社が申請要件を満たすかどうか知りたい場合などには、トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。
事業再構築補助金
1つ目は、事業再構築補助金です。事業再構築補助金は、新型コロナ禍で誕生した非常に大型の補助金です。
創設当初は新型コロナで売上が落ち込んだ事業者の救済を主目的としていたため、新型コロナ禍における一定の売上減少が要件とされていました。しかし、この要件はすでに撤廃されており、多くの事業者に活用の門戸が広がっています。
事業再構築補助金の補助対象は、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等が行う、思い切った事業再構築に要する費用です。ここでの「事業再構築」とは、次の取り組みなどを指します。
- 新市場進出(新分野展開、業態転換)
- 事業・業種転換
- 事業再編
- 国内回帰・地域サプライチェーン維持・強靱化
- これらの取り組みを通じた規模の拡大など
2024年度における事業再構築補助金の申請枠は、次のとおりです。なお、カッコ内の数値は、短期に大規模な賃上げを行う場合に適用される補助金額や補助率です。
申請枠 | 補助上限額 ※従業員数による | 補助率 | ||
成長分野進出枠 | 通常類型 | 中小企業者等 | 1,500万円(2,000万円)~6,000万円(7,000万円) | 1/2(2/3) |
中堅企業等 | 1/3(1/2) | |||
GX進出類型 | 中小企業者等 | 3,000万円(4,000万円)~8,000万円(1億円) | 1/2(2/3) | |
中堅企業等 | 1億円(1.5億円) | 1/3(1/2) | ||
コロナ回復加速化枠 | 通常類型 | 中小企業者等 | 1,000万円~3,000 万円 | 2/3 (一定金額までは3/4) |
中堅企業等 | 1/2(一定金額までは2/3) | |||
最低賃金類型 | 中小企業者等 | 500万円~1,500万円 | 3/4(コロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者は2/3) | |
中堅企業等 | 2/3(コロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者は1/2) | |||
卒業促進上乗せ措置 | 中小企業者等 | 各事業類型の補助金額上限に準じる | 1/2 | |
中堅企業等 | 1/3 | |||
中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置 | 中小企業者等 | 3,000万円 | 1/2 | |
中堅企業等 | 1/3 |
採択の難易度が高い補助金であるため、申請時には専門家のサポートを受けるのがおすすめです。
ただし、事業再構築補助金は2024年11月現在、すぐに申請することはできません。2024年7月26日に前回の第12次公募が締め切られて以降、この先の公募スケジュールが公表されていない状況です。
事業再構築補助金は第12次公募までの間も約半年間公募が停まっており、公募スケジュールが不安定となっています。また、今後公募が再開されず、このまま制度自体が廃止される可能性も否定できません。
そのため、省力化投資補助金など他の補助金への申請も視野に入れ、検討するとよいでしょう。
なお、当社トライズコンサルティングでは、事業計画書の作成代行サービスや、事業再構築補助金のために新規事業コンサルティングを実施しております。詳しくは、こちらのページをご参照ください。
ものづくり補助金
2つ目は、ものづくり補助金です。ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者等が取り組む革新的な製品・サービスの開発、生産プロセス等の省力化を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する補助金です。
省力化(業務効率化)や生産性向上のための設備投資をご検討の際は、ものづくり補助金が活用できないか確認するとよいでしょう。2024年度におけるものづくり補助金の申請枠と補助上限額は、次のとおりです。
枠・類型 | 補助上限額 | 補助率 | |
省力化(オーダーメイド)枠 | 750万円~8,000万円 | ・中小企業:1/2 ・小規模・再生:2/3 ※いずれも、補助金額1,500万円超の部分は1/3 | |
製品・サービス高付加価値化枠 | 通常類型 | 750万円~1,250万円 | ・中小企業:1/2 ・小規模・再生:2/3 ・新型コロナ回復加速化特例:2/3 |
成長分野進出類型(DX・GX) | 1,000万円~2,500万円 | 2/3 | |
グローバル枠 | 3,000万円 | ・中小企業:1/2 ・小規模:2/3 |
ただし、2024年11月現在、ものづくり補助金に申請することはできません。次回以降の公募スケジュールが出ていないうえ、公式ホームページには「令和5年度補正予算に基づくものづくり補助金の公募は終了しております。今後の公募予定についてお問い合わせいただいてもご回答できかねますのでご了承ください。」との文言が追記されている状況です。
そのため、近日中の公募再開は期待できないほか、専門家の間ではものづくり補助金自体が廃止されるのではないかとの懸念もされています。廃止されるか否かは現時点で確定してないものの、当面の間公募がされないことは確かでしょう。
事業者様は今後の情報に注意しつつ、省力化投資補助金など他の補助金の活用も検討することをおすすめします。
IT導入補助金
3つ目は、IT導入補助金です。
IIT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等の労働生産性の向上を目的に、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
IT導入補助金は業者が自由に導入するツールを決めるのではなく、あらかじめカタログに登録された一定のITツールの導入だけが補助対象となる点が大きな特徴です。公式ホームページに「ITツール・IT導入支援事業者検索」が掲載されているので、確認してみるとよいでしょう。
ITツールといってもIT事業者が活用するような複雑なシステムだけではなく、会計ソフトやPOSレジ、券売機など多様なツールが対象とされていることが分かります。2024年度におけるIT導入補助金の申請枠と補助上限額は、次のとおりです。
枠 | 通常枠 | インボイス枠 | セキュリティ対策推進枠 | |||||||
類型 | 1プロセス以上 | 4プロセス以上 | 電子取引類型 | インボイス対応類型 | 複数社連携IT導入類型 | |||||
補助事業者 | 中小企業・小規模事業者等 | 大企業等 | 中小企業・小規模事業者等 | |||||||
補助額 | 5万円~150万円未満 | 150万円~450万円以下 | ITツール | ITツール | PC・タブレット等 | レジ・ 券売機等 | (1)インボイス対応型の対象経費:左記同様 (2)(1)以外:50万円×参画事業者数 補助上限:(1)+(2)で3,000万円 (3)事務費・専門家費 補助上限:200万円 | 5万円~100万円 | ||
~350万円 | ~50万円 | 50万円超~350万円 | ~10万円 | ~20万円 | ||||||
補助率 | 1/2以内 | 2/3以内 | 1/2以内 | 3/4 以内 | 2/3以内 | 1/2以内 | (1)インボイス対応型と同様 (2)・(3)2/3以内 | 1/2以内 |
ただし、IT導入補助金は2024年度分のすべての公募が終了しており、2024年11月現在ではすぐに申請することはできません。今後追加公募がされる予定はゼロではないため、申請をご希望の事業者様は今後の情報にご注意ください。
小規模事業者持続化補助金
4つ目は、小規模事業者持続化補助金です。
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者等が取り組む販路開拓(マーケティング)の取り組みや、これとともに行う生産性向上へ向けた取り組みに必要となる経費の一部を補填する補助金です。
広告の出稿費用やチラシの印刷費、展示会への出展費用、ウェブサイト構築費用(補助金交付申請額の4分の1までなどの制約あり)など幅広い経費が補助対象とされており、非常に使い勝手のよい補助金の一つです。
小規模事業者持続化補助金は他の補助金と比較して難易度もさほど高くないため、はじめて補助金を活用する事業者様にとっても取り組みやすい補助金といえるでしょう。2024年度における小規模事業者持続化補助金の申請枠と補助上限額は、それぞれ次のとおりです。
申請枠 | 補助上限額 | 補助率 |
通常枠 | 50万円 | 2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4) |
賃金引上げ枠 | 200万円 | |
卒業枠 | ||
後継者支援枠 | ||
創業枠 | ||
災害支援枠(令和6年能登半島地震) | 被害の程度に応じて200万円または100万円 | 2/3 |
また、災害支援枠以外では、インボイス特例の要件を満たすことで、補助上限額がさらに50万円上乗せされます。
ただし、2024年11月現在、一般型(災害支援枠以外の申請枠)では第16次の公募が2024年5月27日に締め切られており、すぐに申請することはできません。なお、第16次は公募開始から締切までが19日間しかなく、スケジュールが非常にタイトでした。締切に間に合わず、申請を諦めた事業者様も少なくないでしょう。
今後公募が再開されたとしても、第16次のように公募開始から締切までの期間が短く設定される可能性があります。公募が開始されたらすぐに申請準備に取り掛かれるよう、あらかじめ申請サポートを受ける専門家を定めておくことをおすすめします。
一方、令和6年能登半島地震により被害を受けた小規模事業者等が申請できる「災害支援枠(令和6年能登半島地震)」も2024年10月7日第5次公募が締め切られており、すぐには申請できません。
ただし、災害支援枠については今後も公募が予定されており、まもなく第6次公募が開始される見込みです。第6次以後の公募では能登半島地震に加えて「令和6年9月20日からの大雨」により被害を受けた事業者も対象となることが予定されています。災害支援枠への申請をご希望の事業者様は、お早めに専門家へご相談ください。
省力化投資補助金
5つ目は、省力化投資補助金(中小企業省力化投資補助事業)です。
紹介した補助金のうち、2024年11月現在の申請が可能であるのは、この省力化投資補助金だけとなっています。
省力化投資補助金は、中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援する補助制度です。補助金の支給によって中小企業等の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげることが目的とされています。
省力化投資補助金では、IoTやロボットなどの人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進することとされています。
つまり、どのような設備投資であっても補助対象となるのではなく、カタログに掲載されている製品を選んで投資するタイプの補助金です。最新の製品カタログは公式ホームページから確認できるため、目を通しておくとよいでしょう。
省力化投資補助金の補助上限額は従業員数によって異なっており、それぞれ次のとおりです。表中にあるとおり、賃上げ要件を達成した場合は、補助上限額が増額されます。
枠・申請類型 | 従業員数 | 補助上限額 (原則) | 補助上限額 (賃上げ要件達成時) |
省力化投資補助枠(カタログ型) | 5名以下 | 200万円 | 300万円 |
6~20名 | 500万円 | 750万円 | |
21名以上 | 1,000万円 | 1,500万円 |
2024年11月現在、省力化投資補助金は随時申請受付中です。
第1回は、他の補助金と同様に期限を切って公募されていました。しかし、応募や交付申請の利便性向上を図り、早期の省力化を実現するため、2024年8月9日から当面の間は随時受付とされています。そのため、事業者様が自社のタイミングで申請することが可能です。
とはいえ、いつまで随時申請が可能であるかは明確とされていません。申請の機会を逃さないよう、申請を希望する事業者様は早めに申請サポートを依頼する予定の専門家にコンタクトをとり、準備を進めるとよいでしょう。
当社トライズコンサルティングでは補助金の受給を希望する事業者様を支援するとともに、自社製品についてカタログへの掲載を希望する事業者様のサポートも行っています。カタログへの掲載を希望する事業者様も、当社までお気軽にお問い合わせください。
補助金の申請サポートはトライズコンサルティングへお任せください
補助金の申請サポートを依頼する専門家をお探しの際は、当社トライズコンサルティングへお任せください。ここでは、トライズコンサルティングの概要と特長について解説します。
トライズコンサルティングとは
トライズコンサルティングとは、中小企業診断士でもある野竿が代表を務める、コンサルティング会社です。補助金の申請サポートのみにならず、中小企業様の目標を実現することをコンセプトとしています。
なお、当社代表の野竿は「認定経営革新等支援機関」としても登録されており、この点からも安心してご依頼いただくことが可能です。認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関を指します。
トライズコンサルティングの主な特長
トライズコンサルティングの主な特長を、3つ紹介します。
高い採択率を誇っている
1つ目は、申請をサポートした補助金について、高い採択率を誇っていることです。当社でサポートした補助金の採択実績(2023年5月までの累計)は、次のとおりとなっています。
補助金名 | 採択率 | 累計採択件数 |
---|---|---|
ものづくり補助金 | 93.0% | 134件 |
事業再構築補助金 | 86.9% | 80件 |
これは、補助金の趣旨目的や審査基準を熟知したトップコンサルタントが、事業計画の練り込みやコンサルティング、申請までを徹底的にサポートをしているためです。
採択後の交付申請や実績報告のサポートも可能である
2つ目は、ご希望に応じて、採択後の交付申請や実績報告のサポートも行っていることです。
補助金は採択がゴールではなく、採択後の交付申請や実績報告に手間がかかります。これらを自社で行おうとすると多大な手間や時間が生じ、本業に支障をきたすことにもなりかねません。
そこでトライズコンサルティングでは、交付申請や実績報告についてもサポートを行っています。
全国対応が可能である
3つ目は、Zoomなどのオンラインツールを活用して全国対応を可能としていることです。 これにより、日本全国から場所を選ばずご依頼いただくことが可能です。
また、出張中であっても打ち合わせをすることができるうえ打ち合わせのための移動時間も必要ないことから、多忙な事業者様からも特にご好評いただいております。
まとめ
補助金の申請サポートを活用するメリットや注意点、専門家の選び方などを解説するとともに、2024年11月時点における主要補助金の最新情報を紹介しました。
補助金に自力で申請することは、不可能ではありません。しかし、補助金の申請には準備段階も含めて多大な労力が必要であり、無理に自力で申請しようとすれば本業に割くべきリソースを圧迫するおそれがあります。また、特に大型の補助金では申請にあたって事業計画を練り込む必要があり、採択されるレベルにまで自力で事業計画を作り込むことは容易ではないでしょう。
そこでおすすめなのが、補助金制度を熟知した専門家にサポートを受けることです。補助金制度にくわしい専門家に補助金申請のサポートを受けることで、申請にかかる時間や労力を最小限に抑えることが可能となります。また、専門家のサポートを受けて事業計画を練り込むことで、補助金に採択される可能性を高めることにもつながるでしょう。
当社トライズコンサルティングでは補助金の申請サポートに力を入れており、サポートした案件について高い採択率を誇っています。補助金の申請サポートの活用をご検討の際や、自社が活用できる補助金を知りたい際などには、当社トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。
補助金の活用に関する初回のご相談は、初回無料です。また、Zoomなどのオンラインツールを活用するため、全国どこからでもご相談・ご依頼いただくことが可能です。