【2024】事業再構築補助金の実績報告でよくある不備は?取るべき対応と対策

事業再構築補助金の実績報告の不備

事業再構築補助金に採択がされても、すぐに補助金が振り込まれるわけではありません。補助金を受け取るためには、まず自社で補助対象とした事業を実施したうえで、実績報告をする必要があります。

では、この実績報告に不備があると、どのような事態となるのでしょうか?今回は、事業再構築補助金の実績報告に不備があった場合に起き得る事態や実績報告での不備を避ける方法などについて詳しく解説します。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、コロナ禍で誕生した非常に大型の補助金です。ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的として創設されました。

以前は新型コロナ禍で売上が大きく減少したことが申請必須要件の一つとされていたものの、第10回公募からこの売上減少要件が撤廃されています。これにより、より多くの事業者へ活用の道が開かれることとなりました。

補助金額は、もっとも多くの事業者が申請することとなる成長枠(旧・通常枠)で、最大2,000万円(従業員数20人以下の場合。101人以上なら最大7,000万円)です。

事業再構築補助金の申請から受給までの流れ

事業再構築補助金の申請から受給までの基本の流れは次のとおりです。事業再構築補助金を活用する際には全体の流れを理解しておきましょう。

  • 事業再構築補助金を申請する
  • 採択・不採択が通知される
  • 交付申請をする
  • 補助事業を実施する
  • 実績報告をする
  • 精算払請求をする
  • 事業再構築補助金が振り込まれる

事業再構築補助金を申請する

初めに、事業再構築補助金を申請します。自社のみで事業再構築補助金を申請して採択を勝ち取ることは容易ではないため、専門家のサポートを受けて申請するケースが多いでしょう。

採択・不採択が通知される

公募期間が満了すると、採択・不採択が決定され、事務局から採択結果が通知されます。併せて、採択案件については、事業者名や事業計画書の概要などが事業再構築補助金の公式ホームページで公表されます。

交付申請をする

採択された場合には、すみやかに交付申請を行います。

交付申請に問題がなければ交付決定がなされますが、交付決定よりも前に支出した経費は、原則として補助対象とすることはできません。そのため、採択がなされたらできるだけ早く交付申請を済ませておくべきでしょう。

補助事業を実施する

交付決定がなされても、まだ補助金が受け取れるわけではありません。まずは、自社で補助対象事業の実施(補助対象とした経費の支出)をする必要があります。

この時点ではまだ補助金は受け取れていないため、自己資金か一時的な融資などで経費を賄わなければなりません。事業再構築補助金を申請する際には、この資金繰りについてもあらかじめ検討しておく必要があるでしょう。

なお、一定の手続きを踏み事務局から必要性を認められた場合には、補助金の概算払い(仮払い)が受けられることもあります。

実績報告をする

補助対象事業を実施したら、補助金事務局に対してその実績報告を行います。実績報告には、経費を支出したことの証拠となる請求書や見積書など、所定の証拠書類を添付しなければなりません。

書類をもらい忘れたり写真を撮り忘れたりする不備が生じることのないよう、採択がされた時点で、必要書類をあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

実績報告をすると、事務局によって確定検査がなされます。状況によっては、事業実施場所への訪問がなされる場合もあります。

精算払請求をする

実績報告と確定検査の結果問題がないと判断されると補助金額が確定され、補助金事務局から「補助金確定通知書」が発行されます。この通知内容を踏まえ、精算払いの請求を行います。

事業再構築補助金が振り込まれる

精算払いの請求後、ようやく事業再構築補助金が振り込まれます。採択から振込みまでは、1年から2年程度を要することが多いでしょう。

事業再構築補助金の実績報告でよくある不備の例

事業再構築補助金の実績報告でよくある不備としては、どのようなものが挙げられるのでしょうか?代表的な不備は次のとおりです。よくある不備を念頭に置き、このような不備が生じないよう補助事業の実施段階から注意しておいてください。

  • 補助対象とできない経費を補助対象経費に計上している
  • 証拠書類が揃っていない
  • 相見積もりが必要なケースで相見積もりがなされていない
  • 必要な写真が撮られていない

補助対象とできない経費を補助対象経費に計上している

補助対象外の経費を補助対象として計上していた場合には不備となります。補助対象とならない主な経費は次のとおりです。

  • 事務所等にかかる家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
  • フランチャイズ加盟料
  • 電話代、インターネット利用料金等の通信費(クラウドサービス利用費に含まれる付帯経費を除く)、切手代
  • 商品券などの金券
  • 販売する商品の原材料費、文房具などの事務用品等の消耗品代、雑誌購読料、新聞代、書籍代、団体等の会費
  • 飲食、娯楽、接待等の費用
  • 不動産の購入費、株式の購入費、自動車等車両(事業所や作業所内のみで走行し、自動車登録番号がなく、公道を自走することができないものを除く)の購入費・修理費・車検費用
  • 税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用及び訴訟等のための弁護士費用
  • 国等が行う一定の事務に係る役務に対する手数料(登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付など)
  • 収入印紙
  • 振込等手数料(代引手数料を含む)及び両替手数料
  • 公租公課(消費税など)
  • 各種保険料
  • 借入金などの支払利息及び遅延損害金
  • 事業計画書・申請書・報告書等の事務局に提出する書類作成・提出に係る費用
  • 汎用性があり、目的外使用になり得るもの(たとえば、事務用のパソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェア・タブレット端末・スマートフォン・デジタル複合機・カメラ・書籍・家具など)の購入費
  • 中古市場においてその価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費(3者以上の中古品流通事業者から型式や年式が記載された相見積書を取得している場合等を除く)
  • 事業にかかる自社の人件費、旅費
  • 補助金交付決定日よりも前に発注、購入、契約、または補助事業終了後に納品、検収等を実施したもの( 事前着手届出が受理されている補助事業者は除く)
  • 再生エネルギーの発電を行うための発電設備及び当該設備と一体不可分の附属設備(太陽光発電を行うためのソーラーパネルなど)
  • その他、公的な資金の用途として社会通念上不適切と認められる経費

補助対象とできない経費を補助対象である思い込んで支出をした場合には、資金計画に狂いが生じる可能性もあります。そのため、補助事業を実施する前に、対象経費を改めて確認しておいてください。

証拠書類が揃っていない

事業再構築補助金の実績報告をする際には、所定の証拠書類が必要です。必要な書類が揃っていなければ不備となり、場合によってはその経費を補助対象にできない可能性があります。

必要となる証拠書類は補助対象経費の区分によって異なりますが、たとえば「機械装置・システム構築費」に区分されるものであれば、次の書類が必要となります。

  1. 出納帳のコピー(補助事業に要した経費の出納状況が記載されている部分※参考様式を使用することも可能)
  2. 通帳のコピー(補助事業に要した経費の出金が確認できる部分と、金融機関名、支店名、種別、口座番号、口座名義がわかる部分)
  3. 見積依頼書(仕様書)※相見積書がある場合は相見積書の見積依頼書も提出
  4. 見積書
  5. 相見積書または業者選定理由書(交付決定または計画変更時から内容に変更がない場合には本見積書のみの提出で可)
  6. 契約書(発注書または注文書と、請書または注文確認書でも代用可)
  7. 納品書または引渡書または完了報告書
  8. 検収書(納品書等のコピーに「検収」「検収年月日」「立会者名」を追記したものでも可)
  9. る単価50万円以上(税抜き)の場合、設置後の写真。製造番号の記載があるものは、製造番号が明示されている部分の写真も必要。システム構築の場合は、システム等のトップ画面のスクリーンショット画像
  10. 請求書
  11. 代金支払済みを示す証票(銀行の振込金受領書または支払証明書等。ネット銀行の場合は、代金支払済みを示す取引記録等の画面のコピー)
  12. 領収書(存在する場合)
  13. 個人事業主と取引し源泉徴収を行った場合には、預り金元帳と源泉所得税納付書のコピー

このように、一つの経費申請であっても非常に多くの証拠書類が必要となります。不備がないよう、一つずつ確認しながら添付してください。

相見積もりが必要なケースで相見積もりがなされていない

先ほども解説したように、一定の場合には相見積もりが必須とされています。相見積もりがなされておらず、相見積書が添付できなければ不備となります。

交付決定や計画変更時から内容に変更があった場合には、相見積書の取得を忘れないように注意してください。

必要な写真が撮られていない

建物費や機械装置・システム費など一定の経費では、写真の添付が求められます。添付すべき写真は以前と比べて簡素化されたものの、撮り忘れのないよう十分に注意しましょう。

特に、機械装置の設置場所によっては、製造番号が明示されている部分の写真を後から撮影することが難しいかもしれません。必要な写真をあらかじめ確認し、不備のないよう撮影しておいてください。

事業再構築補助金の実績報告に不備があるとどうなる?

事業再構築補助金の実績報告に不備があるとどのような事態が生じるのでしょうか?生じる可能性のある主な事態は次のとおりです。

  • 補助金事務局から差戻しがなされて再提出が必要になる
  • 補助金額が少なくなる

補助金事務局から差戻しがなされて再提出が必要になる

実績報告に形式上の不備があると、補助金事務局から差戻しがなされます。証拠書類に不備があったことで差戻しがなされた場合には、不備があった書類のみを再度ご提出することとなります。

追加書類が提出できる場合には、大きな問題とはなりません。差戻しの連絡があったら速やかに対応しましょう。

補助金額が少なくなる

不備の内容によっては、当初の予定よりも受給できる補助金額が少なくなる可能性があります。たとえば、補助対象経費とする要件として相見積もりが必要であったにも関わらず相見積もりを取らなかったことから相見積書を添付できない場合や、現状では撮影が難しい写真を撮りそびれてしまった場合などがあります。

この場合には証拠書類が揃わない経費について補助対象とできない可能性があり、受給額が減るおそれがあります。

事業再構築補助金の実績報告で不備をなくすための対策

事業再構築補助金の実績報告を不備なく申請するためには、どのような対策を講じれば良いのでしょうか?主な対策は次のとおりです。

  • 事業実施の前に実績報告書等作成マニュアルを読み込む
  • 提出前に複数人がチェックする
  • 不明点はその都度補助金事務局へ問い合わせる
  • 専門家のサポートを受ける

事業実施の前に実績報告書等作成マニュアルを読み込む

1つ目にしてもっとも基本となる対策は、補助対象とした事業を実施する前に、事業再構築補助金の「実績報告書等作成マニュアル」を隅々まで読み込んでおくことです。ほとんどの不備は、このマニュアルをきちんと読んでいないか、読んでいても正しく理解できていないことから生じるものであるためです。

マニュアルは事業再構築補助金の公式ホームページに掲載されていますので、こちらからダウンロードして読み込んでおきましょう。

提出前に複数人がチェックする

事業再構築補助金の実績報告に限ったことではありませんが、書類の不備をなくすためには、複数人によるチェックを行うことが鉄則といえます。複数人によるチェックを経ることで作成者が気付けなかった不備に気づき、提出前に修正できる可能性が高くなるでしょう。

複数人によるチェックが難しくやむを得ず自分でチェックせざるを得ない場合には、作成後あえて数日置いてから確認することをおすすめします。数日置くことで、客観的な視点でチェックしやすくなるためです。

不明点はその都度補助金事務局へ問い合わせる

いくらマニュアルを読み込んでも、補助対象事業の実施や実績報告の作成にあたって不明点が生じる場合もあるでしょう。それを安易に「これで良いだろう」と自己判断してしまうと、不備があるとして差戻しがされやすくなります。

不備をなくすためには、不明点が生じた際に事業再構築補助金の事務局にその都度問い合わせることをおすすめします。

専門家のサポートを受ける

事業再構築補助金の実績報告を自社で行おうとすれば多大な労力がかかるほか、不備が生じる可能性が高くなります。多少の不備であり再提出で済む程度であればまだ良いものの、補助金額が減る事態は避けたいことでしょう。

そのため、事業再構築補助金を申請する際には、実績報告についてまで専門家のサポートを受けることをおすすめします。専門家のサポートを受けることで、自社でかける手間を最小限に抑えることができるほか、致命的な不備をなくすことが可能となります。

事業再構築補助金の実績報告はトライズコンサルティングへお任せください

事業再構築補助金の実績報告は非常に煩雑であり、自社のみで不備なく行うことは容易ではありません。そうであるにも関わらず、交付申請や実績報告までを一貫してサポートする専門家はさほど多くない印象です。

事業再構築補助金の申請サポートを依頼した専門家が実績報告についてはノータッチであり、途方に暮れている事業者様も少なくないのではないでしょうか?

当社トライズコンサルティングでは、事業再構築補助金の申請はもちろん、交付申請や実績報告についてまで全面的にサポートしています。事業再構築補助金の実績報告でお困りの際や、これから事業再構築補助金を申請しようとご検討の際などには、トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。

まとめ

事業再構築補助金の実績報告に不備があると再提出が必要となるほか、補助金が減額される可能性があります。特に、相見積もりが必要であるにもかかわらずこれを取りそびれてしまったり必要な写真を撮り忘れてしまったりすると、後からリカバリーをすることは困難です。

そのため、補助対象とした事業の実施に取り掛かる前に、事業再構築補助金の実績報告等間マニュアルを十分に読み込んでおく必要があるでしょう。そのうえで不明点が生じた場合には、その都度補助金事務局へ問い合わせることをおすすめします。

また、事業の実績報告は、専門家にサポートを受けることも可能です。ただし、事業再構築補助金の申請サポートを行っている専門家であっても、実績報告までのサポートは行っていない場合が少なくありません。

当社トライズコンサルティングでは、事業再構築補助金の申請はもちろん、実績報告まで一貫してサポートを行っています。事業再構築補助金の実績報告でお困りの際やこれから事業再構築補助金の申請をしたいとお考えの際などには、トライズコンサルティングまでお気軽にお問い合わせください。事業再構築補助金の活用に関するご相談は無料です。

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