【最新】2024年におすすめの補助金5選!中小企業が活用する際のポイント

2024年におすすめの補助金

補助金には多くの種類が存在するうえ、年度によって内容が変更されたり制度自体が廃止されたりすることも珍しくありません。そのため、補助金申請に興味があっても、「今どの補助金がどのような内容で公募されており、自社はどの補助金に申請できるのか」を確認するだけでひと苦労でしょう。

では、2024年11月時点ではどのような補助金が公募されているのでしょうか?また、補助金に採択されるには、どのようなポイントを踏まえればよいのでしょうか?

今回は、2024年11月における主要な補助金の最新情報を紹介するとともに、補助金を活用する際の注意点や採択されるポイントなどをまとめて解説します。

2024年の補助金①:ものづくり補助金

1つ目は、「ものづくり補助金」です。「ものづくり補助金」と略されることが多く、製造業などでしか活用できないとの誤解は少なくありません。

しかし、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」であり、製造業などのほか、小売業やサービス業、飲食業など幅広い業種で活用されてきました。

従来から存在する大型補助金の代表格であるものの、2024年3月27日に第18次が締め切られて以来、その後のスケジュールや公募予定が公表されていない状況です。

また、2024年11月現在では公式ホームページに次の記載がされています。

  • 「令和5年度補正予算に基づくものづくり補助金の公募は終了しております。今後の公募予定についてお問い合わせいただいてもご回答できかねますのでご了承ください。」

そのため、しばらくは公募再開が見込めず、2024年中に公募が再開される可能性は低いでしょう。専門家の間では、このまま制度自体が廃止される可能性も懸念されています。

補助金は恒久的な制度ではなく、政策や方針の変更などによって突如終了する可能性があるものです。自社で活用できそうな補助金を見つけたら、申請の機会を逃さないよう、できるだけ速やかに準備に取り掛かることをおすすめします。

2024年の補助金②:事業再構築補助金

2つ目は、事業再構築補助金です。

事業再構築補助金は新型コロナ禍で新たに誕生した非常に大型の補助金であり、創設から数回にわたって制度目的が改訂されています。2024年度においては、ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。

2024年度における事業再構築補助金の補助上限額などは、次のとおりです。

申請枠補助上限額補助率
成長分野進出枠通常類型中小企業者等・従業員数20人以下:100万円~1,500万円(2,000万円)
・従業員数21~50人:100万円~3,000万円(4,000万円)
・従業員数51~100人:100万円~4,000万円(5,000万円)
・従業員数101人以上:100万円~6,000万円(7,000万円)
1/2(2/3)  
中堅企業等1/3(1/2)
GX進出類型中小企業者等・従業員数20人以下:100万円~3,000万円(4,000万円)
・従業員数21~50人:100万円~5,000万円(6,000万円)
・従業員数51~100人:100万円~7,000万円(8,000万円)
・従業員数101人以上:100万円~8,000万円(1億円)
1/2(2/3)
中堅企業等100万円~1億円(1.5億円)1/3(1/2)
コロナ回復加速化枠通常類型 中小企業者等・従業員5人以下:100万円~1,000万円
・従業員6~20人:100万円~1,500万円
・従業員21~50人:100万円~2,000万円
・従業員 51 人以上:100 万円~3,000 万円
2/3
(一定金額までは3/4)
中堅企業等1/2
(一定金額までは2/3)
最低賃金類型中小企業者等・従業員数5人以下:100万円~500万円
・従業員数6~20人:100万円~1,000万円
・従業員数21人以上:100万円~1,500万円
3/4
(コロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者は2/3)
中堅企業等2/3
(コロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者は1/2)
卒業促進上乗せ措置中小企業者等各事業類型の補助金額上限に準じる1/2
中堅企業等1/3
中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置中小企業者等100万円~3,000万円1/2
中堅企業等1/3

ただし、事業再構築補助金のスケジュールはやや不安定であり、2024年4月23日に約半年ぶりに第12次公募が開始され7月26日に締め切られたものの、2024年8月現在では第13次以降のスケジュールが公表されていません。

事業再構築補助金も打ち切られるおそれがあるため、申請を希望する事業者様は今後の情報にご注意ください。

2024年の補助金③:小規模事業者持続化補助金

3つ目は、小規模事業者持続化補助金です。小規模事業者持続化補助金は使い勝手がよいうえ、申請や採択の難易度もさほど高くありません。そのため、初めて補助金を活用する事業者にとっても活用しやすい補助金の一つです。

事業概要

小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が取り組む、持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓などの取り組みや、その取り組みと併せて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みを支援する補助金です。

表現はやや難しいものの、小規模事業者が新たな販売ルートなどを開拓するためのマーケティング活動や生産性向上にかかる費用などが対象となると考えておくとよいでしょう。

たとえば、チラシの作成費用や広告の出稿費用、展示会への出展費用、ウェブサイト構築費用などが補助対象とされています。ただし、ウェブサイト構築費には補助金交付申請額の4分の1(最大50万円)までという上限がある点に注意が必要です。

補助対象要件

小規模事業者持続化補助金を申請することができるのは、「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」によって「小規模事業者」と定義される事業者です。小規模事業者に該当する従業員数は業種によって異なっており、それぞれ次のとおりです。

業種常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

なお、小規模事業者持続化補助金は法人のみならず、個人事業者であっても申請できます。

一方で、医師や医療法人、宗教法人、学校法人、社会福祉法人など一部の事業者は補助対象とはなりません。自社が小規模事業者持続化補助金の対象であるか否かを確認したい場合には、専門家または補助金事務局へあらかじめご相談ください。

補助上限額・補助率

小規模事業者持続化補助金の補助上限額と補助率は、それぞれ次のとおりです。

申請枠補助上限額補助率
通常枠50万円2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4)
賃金引上げ枠200万円
卒業枠
後継者支援枠
創業枠
災害支援枠(令和6年能登半島地震)被害の程度に応じて200万円または100万円2/3

なお、「災害支援枠(令和6年能登半島地震)」を除き、インボイス特例の要件を満たしている場合は、補助上限額がさらに50万円上乗せされます。

スケジュール

2024年11月現在、小規模事業者持続化補助金は第16回公募が5月27日に締め切られており、すぐに申請することはできません。また、一般型(災害支援枠以外の申請枠)について公式ホームページには次の記載があり、当面は公募がされないことと思われます。

  • 次回公募の実施時期は未定です。大変申し訳ございませんが、今後の公募予定について補助金事務局・商工会議所等の関係団体にお問い合わせいただいてもお答えできかねますので、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

一方、石川県、富山県、福井県、新潟県に所在する令和6年能登半島地震により被害を受けた小規模事業者等を対象とする「災害支援枠(令和6年能登半島地震)」は、第5次公募が2024年10月7日に締め切られました。

しかし、災害支援枠は第6次以降も公募が予定されている旨が公式ホームページに明記されており、間もなく次回スケジュールが公表されるものと思われます。また、第6次以降では能登半島地震に加え、「令和6年9月20日からの大雨」により被害を被った事業者も対象となる見込みです。

災害支援枠への申請をご希望の事業者様は今後の情報に注意しつつ、お早めに専門家へご相談ください。

2024年の補助金④:IT導入補助金

4つ目は、IT導入補助金です。ここでは、IT補助金の概要と補助上限額などを解説します。

事業概要

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。小企業者などがITツールを導入するために要する費用の一部が、補助金として支給されます。

ただし、どのようなITツールの導入であっても補助の対象となるわけではありません。IT導入補助金では、事前に事務局の審査を受けて登録されているITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入だけが補助対象となります。

とはいえ、複雑なツールだけではなく、多くの企業が活用できる会計ソフトや受発注管理ソフトなど幅広いITツールが登録されています。ITツールをご検討の際は、IT導入補助金の活用を検討するとよいでしょう。

補助対象要件

IT導入補助金の対象者は、中小企業者と小規模事業者です。中小企業者や小規模事業者に該当するかどうかは、資本金額や従業員数によって異なります。

中小企業者や小規模事業者に該当する資本金額や従業員数は業種によって異なるため、くわしくはIT導入補助金の公式ページを参照ください。

補助額・補助率

2024年度におけるIT導入補助金の補助上限額と補助率は、それぞれ次のとおりです。

通常枠インボイス枠セキュリティ対策推進枠
類型1プロセス以上4プロセス以上電子取引類型インボイス対応類型複数社連携IT導入類型
補助事業者中小企業・小規模事業者等大企業等中小企業・小規模事業者等
補助額5万円~150万円未満150万円~450万円以下ITツールITツールPC・タブレット等レジ・ 券売機等(1)インボイス対応型の対象経費:左記同様 (2)(1)以外:50万円×参画事業者数 補助上限:(1)+(2)で3,000万円 (3)事務費・専門家費 補助上限:200万円5万円~100万円
~350万円~50万円50万円超~350万円~10万円~20万円
補助率1/2以内2/3以内1/2以内3/4 以内2/3以内1/2以内(1)インボイス対応型と同様 (2)・(3)2/3以内1/2以内

スケジュール

2024年度のIT導入補助金は2024年10月15日締切分をもって終了しており、2024年11月現在ではすぐに申請することはできません。今後追加公募がされる予定はゼロではないため、申請をご希望の事業者様は今後の情報に注意しつつ、できるだけ早期に専門家へご相談ください。

2024年の補助金⑤:省力化投資補助金

5つ目は、省力化投資補助金です。省力化投資補助金は、2024年度に新たに誕生した補助金です。 主要な補助金のうち2024年11月時点で申請が可能であるのは、この省力化投資補助金のみとなっています。

事業概要

省力化投資補助金とは、中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援する補助金です。中小企業等の付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげることを目的としています。

中小企業等が投資する製品を自由に選択するのではなく、所定の「カタログ」にあらかじめ掲載された汎用製品のなかから投資対象を選ぶことが大きな特徴です。

補助対象要件

省力化補助金の補助対象者は、交付申請時点において日本国内で法人登記等がされ、日本国内で事業を営む中小企業等です。

ただし、大企業とみなされる事業者(みなし大企業)や医療法人、財団法人(公益・一般)、社団法人(公益・一般)など、一定の事業者は補助対象となりません。自社が省力化投資補助金の対象となるか否か確認したい場合には、専門家や補助金事務局へご相談ください。

補助上限額・補助率

省力化投資補助金の補助上限額は従業員数によって異なっており、それぞれ次のとおりです。補助率は、一律2分の1とされています。

枠・申請類型従業員数補助上限額 (原則)補助上限額 (賃上げ要件達成時)
省力化投資補助枠(カタログ型)5名以下200万円300万円
6~20名500万円750万円
21名以上1,000万円1,500万円

省力化投資補助金は、企業の「省力化」だけではなく、賃上げも目標の1つとしています。そのため、一定の賃上げ要件を達成した際は、補助上限額の上乗せ措置が適用されます。

スケジュール

2024年11月現在、省力化投資補助金は随時受付中です。

補助金は一般的に、一定の期間を区切って公募するものです。省力化投資補助金も、第1回目は期限を区切った公募がなされていました。

しかし、早期の省力化を実現するため、2024年6月25日以降は当面の間、随時受付を行うこととされています。

ただし、システムメンテナンスの期間(2024年11月20日(水)10:00~21:00)は一時的に申請ができなくなるため、ご注意ください。また、採択や交付決定は、申請からおおむね1か月から2か月程度でなされることが予定されています。

とはいえ、いつまでも申請ができるわけではなく、今後予算や政策の関係で受付が中断されたり補助金自体が終了したりする可能性は否定できません。そのため、申請をご希望の事業者様はお早めに専門家へ相談のうえ申請準備を進めることをおすすめします。

なお、省力化投資補助金では、カタログへの掲載を希望する事業者の公募も随時受付中です。早期にカタログへ登録されることで自社の機器などが導入される機会を増やすことにつながるため、こちらもご希望の事業者様はお早めに取り掛かることをおすすめします。

当社では自社製品についてカタログへの掲載を希望する事業者様のサポートも行っています。ご希望の事業者様は、当社トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。

補助金に申請する際の注意点

補助金に申請する際は、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?

ここでは、補助金に申請する際の注意点を5つ解説します。

  • 必ず採択されるとは限らない
  • 採択されてもすぐに補助金が受け取れるわけでない
  • 対象経費が全額補助されるわけではない
  • 最新の情報を確認する
  • 虚偽申請は絶対に行わない

必ず採択されるとは限らない

補助金は、要件を満たして申請したからといって必ず採択されるものではありません。

手間と時間をかけて申請しても、採択されない可能性があります。

そのため、補助金の申請に自社のリソースを割きすぎてしまうと、不採択となった際に計画が大きく狂ってしまいかねません。

そのような事態を避けるため、補助金はあくまでも「補助」的な位置づけと捉え、専門家のサポートを受けて申請することをおすすめします。

採択されてもすぐに補助金が受け取れるわけでない

勘違いしている人も少なくありませんが、補助金は採択された時点で支給されるものではありません。

補助金の申請から受給までの流れは申請する補助金によって多少異なるものの、一般的には次のとおりです。

  1. 公募期間内に申請する
  2. 採択・不採択が決まり通知や公表がされる
  3. 採択されたら、所定の様式で交付申請をする
  4. 補助対象事業の実施(補助対象としたい経費の支出など)をする
  5. 所定の様式で実績報告をする
  6. 補助金事務局が実績報告の検査をする
  7. 補助金が交付される

つまり、補助対象とした経費を支出する段階では、補助金はまだ受け取れていないということです。

そのため、特に大型の補助金では、金融機関から一時的に融資を受けるなどして事業実施に必要な資金を手当てする必要があるでしょう。

また、実際には実施する予定のない計画を提出して補助金の申請をすることも、無意味です。

たとえ補助金が採択されても、その後実際にその事業を行わないのであれば実績報告をすることができず、補助金の交付には至らないためです。

全体の流れを理解していないと、補助対象事業を実施しようにも資金不足から実施できず、せっかく採択された補助金が受け取れない事態となりかねません。

そのような事態を避けるため、補助金を申請する際は、あらかじめ全体の流れを理解しておきましょう。

対象経費が全額補助されるわけではない

補助金に採択されても、対象経費の全額が補助されるわけではありません。

多くの補助金では、「2分の1」や「3分の2」などと補助率が定められています。

たとえば、補助率が2分の1の補助金に採択された場合、補助対象とした1,000万円の経費を支出したとしても、補助されるのはこのうち最大500万円(=1,000万円×2分の1)だけです。

そのため、補助金を受け取れるからといって、無駄な経費を支出することはおすすめできません。

補助金に目がくらんで不要な投資や過大な投資をしてしまうと、結果的に自社の資金繰りが悪化してしまいかねないためです。

最新の情報を確認する

補助金は政策によって設けられる制度であり、恒久的な制度ではありません。

また、同じ名称の補助金であっても、年度によって公募内容が変わることはよくあることです。

そのため、補助金の申請をする際は、必ず最新の情報を確認してください。

虚偽申請は絶対に行わない

補助金の虚偽申請は、重大な犯罪です。

そのため、絶対に行ってはなりません。

仮に虚偽申請に手を染めれば、補助金の返還が求められることに加え、5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれらの併科に処される可能性があります。

代表者が逮捕されたり懲役刑の対象となったりすれば、事業の運営どころではなくなってしまうことでしょう。

また、報道などによって不正受給が明るみに出ると、事業者の信用は大きく失墜してしまいます。

新型コロナウイルスの給付金不正受給の際に大きく報道されたように、中には悪質な業者やブローカーなどから不正受給をそそのかされることもあるかもしれません。

しかし、不正受給が発覚したとしてもそのような業者やブローカーが責任を取ってくれるわけではないため、甘言には決して乗らないよう注意してください。

補助金に採択されるためのポイント

補助金に採択されるためにはポイントがあります。

ここでは、補助金に採択されるための主なポイントを6つ解説します。

  • 専門家にサポートを依頼する
  • 公募要領をよく読み込む
  • 事業計画を練り込む
  • 早期に申請に取り掛かる
  • 加点ポイントを漏らさない
  • 過去の採択事例を確認する

専門家にサポートを依頼する

1つ目は、専門家にサポートを依頼することです。

特に大型の補助金では、事業計画の練り込みが採択のカギを握るといっても過言ではありません。

しかし、採択されるレベルにまで自社だけで事業計画を練り込むことは、困難です。

専門家のコンサルティングを受けて事業計画を練り込むことで、補助金に採択される可能性が高くなります。

また、補助金の申請に詳しい専門家は、補助金の審査ポイントや加点項目を熟知したうえで申請書類の作成代行や作成サポートを行います。

この点からも、補助金の採択を勝ち取るには専門家のサポートを受けるとよいでしょう。

公募要領をよく読み込む

2つ目は、公募要領をよく読み込むことです。

補助金の公募要領には、補助金の申請要件や審査ポイントなどが詳細に記されています。

公募要領を読み込むことで、その補助金がどのような点を重視して採択する事業を選んでいるのか、見えてくることでしょう。

また、要件を満たさない申請書を提出してしまい、門前払いとなるリスクも避けることが可能となります。

とはいえ、特に大型の補助金では公募要領のボリュームも多く、これをすべて読み込んで理解することは容易ではありません。

この点からも、専門家にサポートを依頼するとよいでしょう。

事業計画を練り込む

3つ目は、事業計画を練り込むことです。

多くの補助金で、採択・不採択の判断にあたって事業計画が非常に重要となります。

この事業計画をさまざまな角度から検討し、全体の整合性がありかつ収益性や実現性の高いものとすることで、採択の可能性を高めることへとつながります。

自社のみで事業計画を練り込むことが難しい場合は、専門家へご相談ください。

早期に申請に取り掛かる

4つ目は、申請へ向けて早期に取り掛かることです。

補助金には申請ができる公募期間が定められており、いつでも申請できるわけではありません。

公募期限が間近に迫ってから申請に取り掛かると、書類を急ごしらえせざるを得なくなったり見直しにかける時間が不足したりして、不備や検討不足が生じやすくなります。

そのような申請書類では、採択が遠のいてしまいかねません。

また、期限が近くなると専門家のスケジュールも埋まってしまい、サポートを依頼しようにも、専門家に断られてしまう可能性が高くなります。

そのため、補助金の申請は期限に余裕を持って取り掛かるようにしてください。

加点ポイントを漏らさない

5つ目は、加点ポイントを漏らさないことです。

補助金には、審査において加点となるポイントが設けられていることがあります。

この加点ポイントは、公募要領に記載されています。

ただし、加点ポイントを満たしていても、その旨を申請書に記載したり所定の資料を提出したりしなければ、加点してもらうことができません。

そのため、申請する補助金の公募要領をよく読み込み、加点項目の申請を漏らさないよう十分に注意してください。

過去の採択事例を確認する

6つ目は、過去の採択事例を確認することです。

補助金はそれぞれ、公式ホームページなどで過去の採択事例や活用事例などが公表されています。

これらをよく確認することでその補助金の活用イメージが湧きやすくなり、事業計画を練り込む際の参考ともなるでしょう。

また、同業者の事例は今後の事業展開を検討する上での参考となります。

そのため、申請を検討している補助金の採択事例は、一通り読み込んでおくようにしてください。

補助金の活用事例

補助金には、どのような活用事例があるのでしょうか?

ここでは、それぞれの補助金の公式ホームページに掲載されている活用事例から、主な事例をピックアップして紹介します。

ものづくり補助金の活用事例

はじめに、ものづくり補助金の活用事例を紹介します。

産官学民との連携で異業種参入に成功

一般・産業廃棄物の収集・運搬・中間処理と、排水処理施設の清掃等を行なっている企業が、廃棄物処理施設の余力を活かして行ってきた木質飼料の生産拡大を目指してものづくり補助金を活用し、原材料加工用にスキットフォーク付きホイールローダーを導入した事例です。

これにより、売上が120%増加したほか、従業員を5名増員し、販路の拡大も進めています。

廃棄されていた青森県産酒粕を活用して新たな製法で「赤酢」を開発

羊肉用の焼肉たれの製造・販売を行う企業が、地元酒造メーカーから排出される大量の酒粕を活かした赤酢の製造環境を整備するため、ものづくり補助金を活用し、攪拌機付きタンクなどの機械装置を導入した事例です。

生産した赤酢は地元スーパーや道の駅、農協の直売所などで販売され、売上の増加につながっています。

地元食材にこだわった新しい焼き菓子の開発と従業員の働き方改革を実現

ケーキや焼き菓子の製造・販売を営む洋菓子店が、地元産にこだわった新製品を開発するにあたり、ものづくり補助金を活用して包装機と包餡機を導入した事例です。

これにより、生産性が大幅に向上したほか、新製品が冷凍保存できるものであるため、少ない人手で計画的な生産が可能となりました。

事業再構築補助金補助金の活用事例

次に、事業再構築補助金の活用事例を3つ紹介します。

レトルト食品OEM事業への新分野展開で事業再構築

食料品製造業と飲食店を営む企業が、事業再構築補助金を活用し、地元産の品質の高い食品素材の付加価値を高めて販売する、レトルト食品事業への進出を目指した事例です。

レトルトパウチ瓶詰冷凍焼き菓子などを極小のロットから受託するOEM生産に参入し、補助事業終了後4年目で売上78.7%増(新分野比率33.0%)を計画しています。

レストランから飲食料品小売業に業態転換して事業再構築

イタリアンレストランを複数店舗運営する企業が、事業再構築補助金を活用し、テイクアウや/宅配形式による小売業態に進出した事例です。

この事業では、補助事業終了後5年目で新規事業の売上比率20.7%、従業員1人あたりの付加価値額24.1%増を計画しています。

ブルワリーを持つ自然派食品店に事業転換して事業再構築

飲食店向けの酒類卸売やお酒とオーガニック食品の小売店を運営する企業が、事業再構築補助金を活用して卸売事業を譲渡し、利益率の高い自社製造の酒類とオーガニック食品販売の小売業に事業転換する事例です。

また、既存の店舗をブルワリーを持つ自然派食品店にリニューアルし、店内にクラフトビールの醸造設備を設置することとしました。

この事業では、補助事業終了後5年目でクラフトビール販売を含む小売事業の売上比率を68.8%に拡大する計画です。

小規模事業者持続化補助金の活用事例

小規模事業者持続化補助金の活用事例を3つ紹介します。

店頭販売やホームページ制作等による販路開拓事業

1社の元請に依存して菓子の製造受託を行っていた企業が、小規模事業者時速化補助金を活用して既存工場の一部を店舗として改装したりフライヤーによる告知やロゴマーク制作による自社イメージ構築を実施したりした事例です。

これにより、1社依存体質から脱却し、職場の雰囲気も向上しました。

ショースペース・商談スペース設置による新規顧客獲得

建設材の加工、配管溶接、旧車のフレーム加工などを行う事業者が、小規模事業者持続化補助金を活用し、工場内の遊休スペースをショースペースと商談スペースに改装した事例です。

これにより、顧客から「安心感がある」などの声が上がっています。

「モノ消費」から「コト消費」への体験型の陶芸教室事業展開

日用陶磁器の生産販売を行う企業が新たに陶芸教室を開始し、小規模事業者持続化補助金を活用してチラシ等による事業のPRを行った事例です。

これにより、陶芸教室の受講者増加によるシナジー効果として、製品販売の売上も増加しています。

IT導入補助金の活用事例

IT導入補助金の活用事例を3つ紹介します。

電子カルテ化で入力時間5割短縮

歯科医院を営む医療法人が、IT導入補助金を活用し、クラウド電子カルテシステムである「WiseStaff-9 Plus」を導入した事例です。

これにより、カルテの入力に要する時間が半減しました。

対面のMTG時間を5割削減

健康づくり支援やスポーツ活動支援を営む企業がIT導入補助金を活用し、「Microsoft 365 Business Standard」などを導入した事例です。

Microsoft Teamsなどを導入したことで対面でのミーティング時間が半減したうえ文書共有により出社の必要性が減り、従業員の負担が軽減されました。

伝票発行業務を6分の1に時短! さらに顧客数2割アップ

食品製造・販売業と飲食業を営む企業がIT導入補助金を活用し、販売管理システム「PCA商魂DX」と指定伝票発行システム「伝助」を導入した事例です。

これにより、これまで延べ12時間を要していた伝票発行業務が、2時間で完了することとなりました。

補助金に関するよくある質問

最後に、補助金に関するよくある質問とその回答を3つ紹介します。

補助金は専門家に依頼しないと申請できない?

補助金は、専門家に依頼しないと申請できないわけではありません。

専門家に頼らず、自社のみで申請することも可能です。

しかし、特に大型の補助金では申請のために多くのリソースが必要となるため、自社で申請する場合にはある程度覚悟を持って取り組む必要があります。

片手間で申請しようと考えていると、途中頓挫してしまったり期限に間に合わなくなってしまったりするおそれがあるほか、本業が疎かになってしまいかねません。

また、補助金申請を専門に取り扱う部署がある場合などでない限り、自社だけで申請して採択を勝ち取ることは困難です。

そのため、自社のリソースに余裕がない場合や補助金の採択を得たいと考える場合などには、専門家にサポートを依頼するとよいでしょう。

補助金に採択されるとすぐにお金が振り込まれる?

先ほど解説したように、補助金に採択されたからといってすぐにお金が振り込まれるわけではありません。

補助金は、事業実施後の後払いであるためです。

資金計画に大きな狂いが生じてしまうことのないよう、補助金を申請する際は補助金を受け取れるタイミングを理解しておいてください。

補助金は返還する必要がある?

補助金は融資とは異なり、原則として返還する必要がありません。

そのため、返済のための余力を残すことなく事業への投資をすることが可能です。

ただし、不正受給をした場合や補助金によって取得した資産を無断で他の用途に流用した場合、受給後に必要な書類を提出しなかった場合などには、例外的に返還が求められることがあります。

補助金申請代行・サポートはトライズコンサルティングにご相談ください!

当社トライズコンサルティングでは、補助金の申請代行や申請サポートに力を入れています。

トライズコンサルティングとは、中小企業診断士の資格を有する野竿が代表を務めるコンサルティング企業です。

代表の野竿は、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関である「認定経営革新等支援機関」としての登録も受けており、確かな知識で補助金の申請サポートやコンサルティングを行っています。

なかでも大型の補助金で高い採択率を誇っており、ものづくり補助金と事業再構築補助金の採択実績は、それぞれ次のとおりです(2023年5月までの集計分)。

  • ものづくり補助金:累計採択数134件・採択率93.0%
  • 事業再構築補助金補助金:累計採択数80件・採択率86.9%

これは、補助金制度を熟知したトップコンサルタントが、補助金の申請サポートや事業計画のコンサルティングを行っている成果です。

補助金の申請代行や申請サポートをご検討の際は、ぜひトライズコンサルティングまでご相談ください。

まとめ

2024年度11月時点における主要な補助金の最新情報を紹介するとともに、補助金に採択されるポイントなどを解説しました。

2024年11月の執筆時点ですぐに申請できる補助金は、省力化投資補助金だけです。補助金は恒久的な制度ではなく、突如として廃止されたり公募要領が改訂されたりする可能性が否定できません。

特に2024年度は補助金が大きく見直される時期に来ており、多くの補助金が廃止されたり早期に公募が打ち切られたりしています。申請の機会を逃さないよう、自社で活用できそうな補助金制度を見つけたら先延ばしにすることなく、早期に申請準備に取り掛かることをおすすめします。

とはいえ、補助金の申請には多大な労力や時間を要し、自社だけで申請することは容易ではないでしょう。そこで、補助金の申請をしようとする際は、専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

専門家のサポートを受けることで自社のリソースを圧迫することなく補助金申請が可能となるほか、コンサルティングを受けて申請内容を練り込むことで採択の可能性を高めることにもつながるでしょう。

当社トライズコンサルティングは補助金の申請サポートに力を入れており、サポートした案件の多くで採択を勝ちとってきた実績があります。自社が申請できる補助金を知りたい際や、補助金の申請について専門家によるサポートをご希望の際などには、トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。

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