大規模成長投資補助金は、2025年度も引き続き公募されることとなりました。補助上限額が50億円とこれまでになく高額に設定されており、受給できれば飛躍的な事業成長が可能となるでしょう。
ただし、補助上限額が高額である分、採択へのハードルは非常に高いといえます。そのため、大規模成長投資補助金に申請する際は、専門家による申請サポートを活用するのがおすすめです。専門家からコンサルティングを受けて申請内容を練り込むことで、採択の可能性を高めることにつながるでしょう。
では、大規模成長投資補助金とは、どのような補助金なのでしょうか?また、大規模成長投資補助金の申請にあたって専門家による申請サポートを活用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
今回は、2025年1月時点における大規模成長投資補助金の概要を紹介するとともに、大規模成長投資補助金の申請にあたって申請サポートを活用するメリットなどについてくわしく解説します。
大規模成長投資補助金とは
はじめに、大規模成長投資補助金の概要と最新の採択結果を解説します。
概要
大規模成長投資補助金とは、地域の雇用を支える中堅・中小企業が足元の人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模な投資を補助する制度です。これにより、地方における持続的な賃上げを実現することを目的としています。
公式ホームページによると、次の場面などでの活用が想定されています。
- 工場や倉庫、販売拠点の新設や増築
- 最先端の機械や省力化できる設備の購入
- ソフトウェアの購入や情報システムの構築
10億円を超える大規模な投資を検討している場合には、大規模成長投資補助金が活用できないか確認するとよいでしょう。
採択結果・採択率
大規模成長投資補助金は、これまでに2回の公募がなされています。採択結果はそれぞれ次のとおりです。
公募回 | 有効申請件数 | 1次審査通過数 | 採択者数 | 採択率(小数点3位以下四捨五入) |
---|---|---|---|---|
第1回 | 736 | 254 | 109 | 14.81% |
第2回 | 605 | 218 | 85 | 14.05% |
いずれも採択率は15%に満たず、採択のハードルが非常に高いことがわかります。書面でなされる1次審査で35%前後にまで絞られ、その後の2次審査(プレゼンテーション)でさらに半数未満に絞られています。
大規模成長投資補助金は補助金額が非常に高額である反面、採択の難易度も非常に高くなっています。採択を得るためには不備のない書類を作成することはもちろん、専門家とともに申請内容を十分に練り込む必要があります。
大規模成長投資補助金の概要
続いて、大規模成長投資補助金の補助対象者や補助上限額、補助事業の要件などの概要について解説します。
補助対象者
大規模成長投資補助金の補助対象者は、中堅・中小企業です。これは、常時使用する従業員数が2,000人以下の会社などを指します。
ただし、次の場合は補助対象とはなりません。
- みなし大企業(発行済株式総数の2分の1以上が同一の大企業に所有されている法人など)
- 実施する補助事業の内容が、農作物の生産自体に関するものなど1次産業を主たる事業としている場合
なお、一定の要件を満たす場合には、中堅・中小企業を中心とした共同申請(コンソーシアム形式)も補助対象となります。
補助上限額・補助率
大規模成長投資補助金の補助上限額は、50億円です。中堅・中小企業向けの補助金としては、他に例がないほど高額に設定されています。補助率は3分の1です。
補助事業の要件
大規模成長投資補助金の対象とするためには、次の要件をいずれも満たさなければなりません。
- 投資額が10億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)であること
- 賃上げ要件を満たすこと
賃上げ要件とは、「補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率」が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上になることを指します。
なお、持続的な賃上げを実現することが大規模成長投資補助金の目的であることから、申請時に掲げた賃上げ目標を達成できなかった場合には、未達成率に応じて補助金の返還が求められます。
大規模成長投資補助金の補助対象経費
大規模成長投資補助金では、どのような経費が補助対象となるのでしょうか?ここでは、補助対象経費の概要について解説します。
建物費
建物費とは、専ら補助事業のために使用される次のものなど、事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設や増築、改修、中古建物の取得に要する経費です。
- 事務所
- 生産施設
- 加工施設
- 販売施設
- 検査施設
- 共同作業場
- 倉庫
ただし、単価100万円(税抜)以上のもののみが対象であり、これ未満のものは補助対象となりません。また、次のものは補助の対象外です。
- 建物の単なる購入や賃貸、土地代
- 建物における構築物(門、塀、フェンス、広告塔等)
- 撤去・解体費用
機械装置費
機械装置費とは、専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費と、これらと一体で行う改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費です。
ただし、単価100万円(税抜)以上のものに限り、これ未満のものは対象外です。
ソフトウェア費
ソフトウェア費とは、専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用、クラウドサービス利用に要する経費と、これらと一体で行う改良・修繕に要する経費です。
ソフトウェア費用も単価100万円(税抜)以上のものに限り、これ未満のものは補助対象から除外されます。
外注費
外注費とは、補助事業遂行のために必要な加工や設計、検査等の一部を外注(請負・委託)する場合の経費です。
なお、この「外注費」と次の「専門家経費」の合計額は、他の経費(建物費、機械装置費、ソフトウェア費)の合計額未満である必要があります。
また、次の経費は補助対象外です。
- 成長投資計画の作成に要する経費
- 外注先が機械装置等の設備やシステム等を購入する費用
- 外部に販売・レンタルするための量産品の加工を外注する費用
専門家経費
専門家経費とは、補助事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費です。ただし、「成長投資計画の作成に要する経費」は対象外とされています。
大規模成長投資補助金の審査基準
大規模成長投資補助金の採択は、どのような点から審査されるのでしょうか?ここでは、審査の主な視点について解説します。
- 経営力
- 先進性・成長性
- 地域への波及効果
- 大規模投資・費用対効果
- 実現可能性
経営力
1つ目の審査基準は、経営力です。ここでは、経営戦略上での補助事業の位置付けを踏まえ、補助事業を通じて企業自身の持続的な成長につながることが見込まれるか否かが審査されます。
ここでは、次の点などから確認されることとなります。
- 長期(5年から10年後)の成長ビジョン
- 外部環境・内部環境の認識を踏まえた事業戦略(市場・顧客動向、自社の強み・弱み、経営資源の状況を踏まえて取り組む事業内容等
- 成果目標・経営管理体制
先進性・成長性
2つ目は、先進性や成長性です。たとえば、次の視点で審査がなされます。
- 補助事業で取得した設備等により生み出す製品・サービスや生産方式等は、自社の優位性が確保できる差別化された取り組みであるか
- 補助事業により労働生産性の抜本的な向上が図られ、その事業における人手不足の状況が改善されるか
- 補助事業に関連する製品・サービス等の売上高が、その事業の市場規模の伸びを上回る成長が見込まれるか
地域への波及効果
3つ目は、地域への波及効果です。たとえば、次の視点などから審査がなされます。
- 補助事業により、従業員1人あたり給与支給総額や雇用の増加など、地域への波及効果が見込まれるか
- (主にコンソーシアム形式の場合)リーダーシップの発揮により、地域企業への波及効果、連携による相乗効果が見込まれるか
なお、地域への波及効果がより高い事業者を政策的に支援するため、「地域未来牽引企業」や「パートナーシップ構築宣言登録企業」は加点の対象となります。
大規模投資・費用対効果
4つ目は、大規模投資の費用対効果です。ここでは、次の点などから審査がなされます。
- 収益規模に応じたリスクをとった大規模成長投資であるか
- 補助金額に対し、生み出される付加価値額が相対的に大きいか
- 従前よりも一段上の成長・賃上げを目指すなど、企業の行動変容が示されているか
実現可能性
5つ目は、実現可能性です。いくら素晴らしい計画であっても、実現困難な「絵に描いた餅」では困ります。そこで、次の点などから審査がなされます。
- 補助事業を適切に遂行できる財務状況・実施体制などが十分確保されているか
- 補助事業の事業化に向けた課題設定・解決方法・スケジュールが適正に見込まれているか
- 補助事業によって提供される製品・サービスのユーザ、市場、その規模が明確で、市場ニーズの有無を検証できているか
- 早期に投資が実行され、確実に効果が得られると見込まれるか
大規模成長投資補助金を活用する際の注意点
大規模成長投資補助金を活用しようとする際は、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?ここでは、申請前に知っておくべき主な注意点を3つ解説します。
- 必ず補助金が受け取れるわけではない
- 補助金は事業実施後の後払いである
- 自力での採択には相当の手間がかかる
必ず補助金が受け取れるわけではない
1つ目は、申請したからといって、必ずしも補助金が受け取れるわけではないことです。
大規模成長投資補助金を受け取るには要件を満たして公募期間内に申請するのみならず、その後の1次審査と2次審査において「補助対象として相応しい」として選ばれなければなりません。
不採択となった際に事業計画が破綻することのないよう、「必ずもらえるものではない」ことを十分に理解しておきましょう。
補助金は事業実施後の後払いである
2つ目は、補助金は事業実施後の後払いであることです。
勘違いしている人も多いものの、大規模成長投資補助金を含む多くの補助金は、採択後すぐに振り込まれるものではありません。採択後、まずは補助対象事業(補助対象経費の支出など)を行い、その後完了検査を経て補助金が振り込まれるものです。つまり、事業を実施する時点では、まだ補助金は受け取れていません。
大規模成長投資補助金は補助上限額も高額であるため、事業実施に必要な資金をすべて自己資金で賄える企業は少ないでしょう。そのため、金融機関からの一時的な融資(「つなぎ融資」といいます)を併用することが一般的です。
自力での採択には相当の手間がかかる
3つ目は、自力で大規模成長投資補助金の採択を勝ち取るハードルは非常に高く、申請には相当の手間がかかることです。
大規模成長投資補助金の採択率は低く、自力で採択を勝ち取ることは容易ではありません。また、申請内容も十分に練り込む必要があり、これを自社だけで行うハードルは非常に高いといえるでしょう。
そのため、大規模成長投資補助金に申請する際は、専門家による申請サポートを活用することをおすすめします。
大規模成長投資補助金で専門家に申請代行を依頼するメリット
大規模成長投資補助金の申請にあたって専門家に申請サポートを依頼することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、主なメリットを4つ解説します。
- 事業計画のブラッシュアップができる
- 審査基準を踏まえた申請書類の作成が可能となる
- 必要に応じて「つなぎ融資」のアドバイスが受けられる
- 自社の手間と時間を大きく削減できる
事業計画のブラッシュアップができる
大規模成長投資補助金の申請にあたっては、補助金を使って実施したい事業に関する事業計画を策定する必要があります。この事業計画が、採択・不採択を決めるカギになるといっても過言ではありません。
専門家に申請サポートを依頼した場合、専門家からコンサルティングを受けることで事業計画のブラッシュアップが可能となります。これにより採択に近づくことに加え、専門家とともに練り込んだ事業計画は、今後その事業を実施していく際の道しるべともなるでしょう。
審査基準を踏まえた申請書類の作成が可能となる
大規模成長投資補助金の申請サポートを専門家に依頼した場合、審査基準を踏まえた申請書類の作成が可能となります。その結果、採択を勝ち取りやすくなるでしょう。
必要に応じて「つなぎ融資」のアドバイスが受けられる
先ほど解説したように、大規模成長投資補助金は事業実施後の後払いであり、つなぎ融資を併用することも多いでしょう。補助金にくわしい専門家は、融資についても知見を有していることが少なくありません。
そのため、専門家に申請サポートを依頼した場合には、つなぎ融資についてもアドバイスを受けられる可能性が高いといえます。
自社の手間と時間を大きく削減できる
大規模成長投資補助金に自力で申請するには、多大な手間と時間を要します。その結果、本業に割くべきリソースを圧迫してしまうこともあるでしょう。
専門家に申請サポートを依頼した場合には、自社でかける手間と時間を大きく削減することが可能となります。その結果、本業により注力しやすくなるでしょう。
大規模成長投資補助金の最新スケジュール
2025年1月現在、大規模成長投資補助金にすぐに申請することはできません。2024年8月9日に第2回の公募が締め切られており、これをもって2024年度の公募は終了しています。
ただし、大規模成長投資補助金は2025年度も引き続き公募されることが決まっており、2025年度に入るころには今後のスケジュールなどが公表されるものと思われます。
申請をご希望の事業者様は今後の情報に注意しつつ、申請サポートを行っている専門家へお早めにご相談ください。
大規模成長投資補助金の申請代行はトライズコンサルティングにお任せください
大規模成長投資補助金の申請サポートは、当社トライズコンサルティングにお任せください。最後に、トライズコンサルティングの主な特長を4つ紹介します。
- 採択実績が豊富である
- 代表は中小企業診断士である
- 採択後も受給まで徹底サポートが可能である
- 全国対応である
採択実績が豊富である
トライズコンサルティングでは補助金の申請サポートに力を入れており、サポートした案件について高い採択率を誇っています。
これは、単に事業者様からお伝えいただいた内容を書類に落とし込んでいるのではなく、トップコンサルタントがコンサルティングを行い、事業計画を練り込む段階からサポートしているためだと自負しています。
当社がサポートして練り込んだ事業計画は補助金申請に役立つのみならず、その後実際に計画を実施する際の拠りどころともしていただけます。
代表は中小企業診断士である
トライズコンサルティングの代表・野竿は、中小企業診断士です。
また、野竿は中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として国の認定を受けた支援機関である、「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」としても登録されています。そのため、確かな知識に裏打ちされた効果的なサポートが可能です。
採択後も受給まで徹底サポートが可能である
補助金の申請までをサポートする専門家は少なくない一方で、採択後の交付申請や事績報告についてまでサポートしている専門家は多くありません。しかし、補助金は採択後の交付申請などにも相当な手間を要し、無理に自社だけで行おうとすれば本業に割くべきリソースを圧迫してしまうかもしれません。また、交付申請などに不備があれば、補助金が減額されるおそれもあります。
当社トライズコンサルティングでは、クライアント様からのご要望に応じ、採択後も受給まで一貫したサポートが可能です。そのため、クライアント様は本業により注力しやすくなります。
全国対応である
トライズコンサルティングはZoomなどのオンラインツールを活用して打ち合わせを行います。そのため、近隣の事業者はもちろん、全国どこからでもご依頼いただくことが可能です。また、打ち合わせのために移動時間を割いていただく必要がないため、忙しい事業者様などからご好評いただいております。
まとめ
大規模成長投資補助金の概要を紹介するとともに、大規模成長投資補助金の申請について申請サポートを活用するメリットなどを解説しました。
大規模成長投資補助金とは、中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長へ向けた投資を補助する制度です。補助上限額は50億円であり、これまでになく高額に設定されています。建物費も補助対象となるため、思い切った事業投資に活用しやすいといえるでしょう。
その反面、採択のハードルも高く、第1回と第2回の採択率はいずれも15%未満でした。自力で採択を勝ち取ることは困難であるため、申請をする際は専門家による申請サポートを活用することをおすすめします。
トライズコンサルティングは補助金の申請サポート実績が豊富であり、サポートした案件で高い採択率を誇っています。大規模成長投資補助金への申請をご希望の事業者様は、トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。
補助金の活用に関する初回のご相談は、無料でお受けしています。また、Zoomなどのオンラインツールを活用しているため、全国どこからでもご相談・ご依頼いただけます。