2022年11月8日(火)に、令和4年度第2次補正予算が閣議決定され、2023年(令和5年)の小規模事業者持続化補助金の内容が明らかになってきました。大きく変化する市場環境に対応する事業者を支援するため、前年同様、複数の申請類型が用意されており、特に、インボイス枠が手厚く拡充されています。
今回は、小規模事業者持続化補助金の制度の概要と2023年の補正予算のポイントについて、2022年11月末現在公表されている情報をもとに解説します。
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金は、一般に「持続化補助金」と呼ばれ、事業者向けの補助金として登竜門的な制度です。2014年から今日まで毎年募集がされており、過去には豪雨災害、新型コロナ感染拡大などの事業環境の変化を考慮し、支援内容が大幅に拡充された年もありました。
補助対象者
小規模事業者が補助の対象となっており、その定義は次のとおりです。
- 宿泊業・娯楽業を除く商業・サービス業においては5名以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業においては20名以下
- 製造業その他の業種で20名以下
なお、これらの基準に該当しても、大企業による株式の保有や直近過去3年の課税所得の年平均額など、実質的に小規模事業者と呼べない場合は対象外となるのが通例です。
補助対象事業
対象となる事業は、小規模事業者が自ら経営計画を策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓です。申請には、商工会・商工会議所が発行した確認書を添付する必要があります。
補助対象経費
対象となる経費として次がパンフレットに掲載されています。
- 店舗改装
- 広告掲載
- 展示会出展費用など
例年同様、販路開拓と同時に実施される生産性向上のための設備投資も対象になると想定されます。
2023年度(令和5年度)の小規模事業者持続化補助金の補正予算の概要
続いて、補正予算の概要について解説します。公表されている情報を見ると、基本的には2022年11月現在募集されている内容と同様のようですが、一部変更されている点があります。
インボイス特例による上限上乗せ
補助上限は申請類型ごとに50〜200万円ですが、事業者が免税事業者からインボイス発行事業者に転換した場合、一律50万円が補助上限に上乗せされます。2023年10月よりインボイス制度が導入されることを意識した変更です。
なお、令和元年度・3年度補正予算において「インボイス枠」で採択された事業者は上乗せの対象外です。
6つの申請類型
申請類型ごとに補助上限・補助率を整理したものが次の表です。
補助上限 | 補助率 | ||
インボイス転換事業者 | 上記以外の事業者 | ||
通常枠 | 100万円 | 50万円 | 2/3 |
賃金引上げ枠 | 250万円 | 200万円 | 2/3(賃金引上げ枠のうち赤字事業者の場合3/4) |
卒業枠 | |||
後継者支援枠 | |||
創業枠 | |||
インボイス枠 | 100万円 | - |
特別枠の申請要件
5つある特別枠は、前述した補助対象となる従業員数や取組みに加え、個別の要件が付されることが想定されます。現在募集されている第10回の申請要件はそれぞれ次のとおりです。
- 賃金引上枠:事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上とした事業者
- 卒業枠:小規模事業者として定義する従業員数を超えて規模を拡大する事業者
- 後継者支援枠:アトツビ甲子園のファイナリスト等となった事業者
- 創業枠:過去3年以内に「特定創業支援事業」による支援を受け創業した事業者
- インボイス枠:免税事業者のうちインボイス発行登録をした事業者
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まとめ
2023年(令和5年)の補正予算で募集される小規模事業者持続化補助金について解説しました。
2024年度(令和6年度)まで他の補助金と合算して総額4,000億円の予算が組まれており、長期間切れ目なく募集されることが予定されています。制度内容をしっかり理解して、貴社にとってベストなタイミングで申請できるように備えましょう。
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