【2023】IoT導入に活用できる補助金は?補助金の種類とポイント

IoT導入に活用できる補助金

生産性の向上やバックオフィス業務の効率化に向けて、IoT導入を進める会社が増えています。

少子高齢化による労働人口の減少や「ワークライフバランス」などを考えなくてはならない管理者層にとって、IoT導入は検討しなければならない喫緊の課題ではありますが、同時にコスト面も気になるのではないのでしょうか?

今回は「コストを抑えてIoTを導入したい」と考えている中小企業様に向けて、IoT導入に使える補助金について解説します。この記事を読んでいただくことで、IoT導入に使える補助金の種類や概要を知ることができるでしょう。

IoT導入に補助金は使える?

結論をお伝えすると、IoT導入に補助金を使うことは可能です。

2022年12月末現在、国や地方自治体等から中小企業の発展を支援する目的で数多くの補助金が制度化され、募集されています。ここでは、IoTの概要と導入に使える補助金について解説します。

IoTとは

IoTとは、「Internet of Things」の略称であり、「モノのインターネット」と訳されます。モノがインターネットに接続され、相互に情報のやり取りをすることを指しています。

わかりやすい例では、スマホで操作できる家電などが挙げられます。以前はパソコンなどの所謂、IT機器のみでしたが、今やテレビや照明器具、エアコン、電子レンジなどは当たり前で、自動車までもがネットにつながっています。

IoTの活用事例

こうしたIoTの普及はビジネス面にも拡がっており、さまざまな業種で活用されています。

たとえば、「カンバン方式」が有名なトヨタでは、複雑になり過ぎた生産現場にIoTを取り入れることでさらなる効率化を実現しています。工場内の設備にセンサを設置し、生産に関する情報を収集することで、精度の高い作業時間の抽出を可能にし、さらなる業務の改善に活用しています。

また、建設業においては重機にセンサを設置し、GPSと連携することで、いちいち作業を中断して確認することなく、図面どおりの処理を行うことができます。事前の測量においても、ドローンで上空から撮影したデータをそのままパソコン内のシステムに送信し、図面を出力することで大きく時短されています。

本来なら習得に数年を有し、従業員の習熟度によって差が出る技術を、IoTを導入することで平準化しています。

このようにIoTは幅広く利用されており、多品種少量生産のニーズや技術承継問題など現代のビジネス上の課題を解決する手段であるといえるでしょう。

IoT導入に使える補助金

IoT導入に使える補助金として、当社トライズコンサルティングがおすすめする制度は、次の3種類です。

  • IT導入補助金
  • ものづくり補助金
  • 地方自治体が募集する補助金

「IT導入補助金」は、その名のとおりITの導入が対象となります。また、「ものづくり補助金」は、製造業での設備投資に利用されることが多い補助金であり、IoTの機能を持った設備導入の事例も多いです。この2種類は、経済産業省から毎年募集されています。

「地方自治体が募集する補助金」は、特定の制度ではありませんが、都道府県や市区町村などで募集されており、検索するといくつかヒットします。

これら以外でも、「小規模事業者持続化補助金」や「事業再構築補助金」などでも申請することができます。

なお、2023年に経済産業省から募集される補助金については、2022年11月8日(火)に令和4年度第2次補正予算が閣議決定され、内容の大枠が公表されています。これから申請をご準備いただくことで、スムーズに応募することができるでしょう。

IoT導入に使える補助金①:IT導入補助金

「IT導入補助金」は、自社の経営課題の解決や生産性の向上を目指すことを目的としたITツール導入に活用できる補助金です。2022年同様、2023年も「通常枠」「デジタル化基盤導入枠」「セキュリティ対策推進枠」の3つの申請区分で募集される予定です。

補助対象者

2022年に募集された「IT導入補助金」の補助対象者は、資本金の額や常勤の従業員数のいずれか一方が次表の数字以下の中小企業や小規模事業者等とされていました。2023年の募集でも大きく変更はないものと考えられます。

業種・組織形態資本金常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

このほか、一定の医療法人や社会福祉法人、 特定非営利活動法人も申請することができます。

他の補助金のように自社のみで申請を行うことはできず、事務局に登録された「IT導入支援事業者」と連携し、提案されたITツールを導入する必要があります。ITに知見のある専門家に支援をしてもらえるため、IT人材が不在の企業でも使いやすい制度です。

補助額・補助率

「IT導入補助金」の申請区分は、「通常枠」「デジタル化基盤導入枠」「セキュリティ対策推進枠」の3種類です。

さらに、「通常枠」は「A類型」と「B類型」、「デジタル化基盤導入枠」も「デジタル化基盤導入類型」と「複数社連携IT導入類型 」に分かれます。2023年に募集される補助額と補助率はそれぞれ次表のとおりです。

申請区分通常枠デジタル化基盤導入枠セキュリティ対策推進枠
事業類型A類型B類型デジタル化基盤導入類型複数社連携IT導入類型
補助額5万円~150万円未満150万円~450万円以下会計・受発注・ 決済・ECソフトPC・タブレット等レジ・ 券売機等(1)デジタル化基盤導入類型の 対象経費(左記同様) (2)消費動向等分析経費(上記(1)以外の経費)50万円×参画事業者数 補助上限:(1)+(2)で3,000万円 (3)事務費・専門家費 補助上限:200万円5万円~100万円
50万円以下50万円超~350万円~10万円~20万円
補助率1/2以内3/4以内2/3以内1/2以内(1)デジタル化基盤導入類型と同様 (2)・(3)2/3以内1/2以内
 

2022年の募集では、「通常枠」の「A類型」の補助下限額は30万円となっていました。つまり、最低でも60万円以上の設備投資でなければ申請はできなかったところ、令和4年度第2次補正予算での拡充により、下限額5万円に変更されています。

同様に、「デジタル化基盤導入枠」の「デジタル化基盤導入類型」の「会計・受発注・ 決済・ECソフト」も5万円とされていた補助下限額が撤廃され、より使いやすい制度になりました。

補助対象経費

2023年に募集される「IT導入補助金」の補助対象経費は次表のとおりです。

申請区分通常枠デジタル化基盤導入枠セキュリティ対策推進枠
事業類型A類型B類型デジタル化基盤導入類型複数社連携IT導入類型サイバーセキュリティサービス利用料(最大2年分)
会計・受発注・決済・ECソフトPC・タブレット等レジ・ 券売機等
補助対象経費ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費、ハードウェア購入費
 

2022年の募集では、「A類型」・「B類型」ともに「クラウド利用料」の対象期間は1年とされていましたが、令和4年度第2次補正予算での拡充により、2年まで伸長されました。ASPなどクラウド上で利用するシステムへのニーズに対応したものと思われます。

IoT導入事例

山梨県の有限会社Aは、八ヶ岳南麓で林業を営む事業者です。他の業種と比較して利益の出しづらいこともあり、従前のやり方では状況を打開できないと考え、IoT導入に踏み切りました。

これまで森林調査は、実際に山中を人が歩き、その結果をエクセル等に集計していました。この工程をドローンの空撮情報を空間データに加工する仕組みを構築することで効率化を図り、結果として森林調査人員が8割減少、大幅なコスト削減につながっています。

IoT導入に使える補助金②:ものづくり補助金

「ものづくり補助金」は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、製造業を含めた幅広い業種で取り組まれる革新的サービスや試作品開発、生産プロセスの改善により、生産性を向上させるための設備投資等に活用できる補助金です。

補助対象者

2022年に募集された「ものづくり補助金」の補助対象者は、資本金の額や勤従業員数が次表の数字以下となる法人または個人事業主とされていました。2023年の募集でも大きく変更はないものと想定されます。

業種資本金常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業、旅行業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)3億円900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

また、特例的に資本金の額や常勤の従業員数が表の数字以上の特定事業者や組合の一部、一定の特定非営利活動法人も申請することができます。

補助上限額・補助率

2023年に募集される「ものづくり補助金」の申請類型は、「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」の5種類となっています。補助上限額と補助率はそれぞれ次表のとおりです。

申請類型補助上限額補助率
通常枠5人以下:750万円 6〜20人以下:1,000万円 21人以上:1,250万円1/2、2/3(小規模・再生事業者)
回復型賃上げ・雇用拡大枠2/3
デジタル枠
グリーン枠エントリー5人以下:750万円 6〜20人以下:1,000万円 21人以上:1,250万円
スタンダード5人以下:1,000万円 6〜20人以下:1,500万円 21人以上:2,000万円
アドバンス5人以下:2,000万円 6〜20人以下:3,000万円 21人以上:4,000万円
グローバル市場開拓枠①海外直接投資 ②海外市場開拓(JAPANブランド) ③インバウンド市場開拓 ④海外事業者との共同事業3,000万円1/2、2/3(小規模・再生事業者)

「グローバル市場開拓枠」以外の申請類型の補助上限額は、従業員規模によって異なります。なお、すべての申請類型で下限額は100万円です。

補助対象経費

2023年に募集される「ものづくり補助金」の補助対象経費は次のとおりです。

  • 機械装置・システム構築費
  • 技術導入費
  • 専門家経費運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費
  • 海外旅費(「グローバル市場開拓枠」のみ)
  • 広告宣伝・販売促進費(「海外市場開拓(JAPANブランド)」類型のみ)

IoT導入の直接の経費には「機械装置・システム構築費」が該当します。また、運用にあたっての経費には「専門家経費」、「クラウドサービス利用費」などが該当するでしょう。

IoT導入事例

京都府の菓子卸売業者である株式会社Bでは、数年前より高齢者施設向けお菓子宅配サービス「カシデリ」を開始しました。

顧客ニーズに合わせるため、常時100品種以上の商品を取り揃えており、次第に注文数も増えていきましたが、それに伴い人海戦術で行なっていた配送方法では対応仕切れなくなってきました。

そこで、物流システムを見直し、受注をFAXからECサイトに変更、ピッキングも受注データと連携したハンディーターミナルを用いることで、省力化と正確性を向上させました。

IoT導入に使える補助金③:地方自治体が募集する補助金

地方自治体でも、IoT導入を対象とした補助金が募集されています。ここでは、4つの自治体県で募集されていた補助金の内容を解説します。他の都道府県・市区町村等で募集されている場合もありますので、ぜひ検索してみてください。

山梨県:IoT活用支援事業費補助金

山梨県内に本社または事業所を有する中小企業者を対象に、 IoT導入により生産性を向上させることで、魅力ある職場への転換を支援しています。

  • 補助上限:125千円以内
  • 補助率:1/2以内

「IoT等活用支援事業」で設置される「生産性向上アドバイザー」または「IoT導入支援専門家」から課題解決に対して具体的かつ実践的な指導・助言を受け、IoT導入計画書を作成することが申請の要件です。

宮城県:ものづくり中核企業AI・IoT先進技術導入補助金

宮城県内に本店または生産拠点を有し、経済産業省が選定する「地域未来牽引企業」、その他知事が認める中小企業のAI・IoT等の導入を支援します。

  • 補助限度額:3,000〜10,000千円
  • 補助率:1/2〜2/3

対象となる事業は、生産現場の生産性向上、省力化等に向けたAI・IoT等の導入で、県内外のIT関連企業と連携して実施する取組みである必要があります。

福井県: IoT・AI・ロボット等導入促進事業補助金

福井県内の中小企業の業務効率化や生産性向上に資する取組みを促進するため、 IoT・AI・ロボット等導入に要する経費の一部が補助されます。

  • 補助限度額:200万円〜1,000万円
  • 補助率:1/2以内

IoT・AI・ロボットそれぞれの導入を対象とした3事業が設けられており、すでに活用されている企業は対象外となります。

岡山市:IoT・AI等先端技術導入支援補助金

労働生産性の向上を目的に、IoTやAI、ロボット等の先端技術を導入する岡山市内の製造業者や建設業者を対象にした補助金です。

  • 補助額:上限1,000万円
  • 補助率:1/2

対象となる取組みは、導入コンサルティングや事前検証を実施し、労働生産性(付加価値額/労働投入量)の向上が認められたものに限られます。

IoT導入に補助金を活用する際の注意点

ここでは、IoT導入に補助金を活用する際の注意点について解説します。

申請書類の作成が必要である

補助金を申請する際には、公募要領等で指定された申請書類を提出する必要があります。決算書や登記簿のように取得するだけで良いものもあれば、事業計画書のように自社で作成しなくてはいけない書類もあり、不慣れな方には難しく感じられるかもしれません。

必ず・全額支給される訳ではない

補助金には、採否を決める審査があります。

経済産業省が募集している補助金の採択率はおおむね30〜60%といったところで、実際かなりの数の企業が不採択となり、補助金を受け取ることができていません。採択を得るためには、それなりのノウハウが必要になります。

また、補助金にはそれぞれ補助率が設定されており、使った経費のすべてが支給されるわけではありません。補助率を設けることで、企業がいたずらに不必要な投資をすることを抑制しているともいえるでしょう。

IoT導入の体制が整っているか

いかに最先端のIoTを導入したとしても、それを活用できる社内環境が整備されていなければ効果はありません。設備投資と併せて、従業員教育や社内ルールの整備を行っていく必要があるでしょう。

そういった取り組みに際し、外部から専門家を招き、指導を仰ぐ場合も補助金を活用することが可能ですので、申請の際にはそうした観点も検討しておきましょう。

IoT導入の補助金申請はトライズコンサルティングにお任せください!

補助金の申請は決して容易ではありません。補助金がなかなか採択されないことにお悩みの中小企業様は、トライズコンサルティングまでお問い合わせください。

当社では補助金やIoTのビジネス活用に明るい専門家が多数在籍しており、御社のIoT導入をサポートすることが可能です。「Zoom」を使用したオンライン対応も実施しており、遠方の方でも気軽にご相談いただくことができます。

まとめ

IoT導入に活用できる補助金について解説しました。

経営環境の目まぐるしい変化により、大手に限らず中小企業等でもIoT導入を検討しなくてはならない時代に突入しました。

国等の募集する補助金は、そうした時代の変化に対応していただくために用意されているものです。存分にご活用いただき、競争優位性を保つことで、継続的な発展につなげていただきたいと思います。

当社トライズコンサルティングは、そんな中小企業様の頼れるサポーターとして皆様からのご相談をお待ちしております。ご契約までのご相談は無料とさせていただいておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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