【2023】小規模事業者持続化補助金は「創業時」でも使える?申請の流れと注意点

小規模事業者持続化補助金は「創業時」でも使える?

創業に必要なもの。それは、一も二もなくお金です。身もフタもありませんが、創業に資金は欠かせません。

政府系金融機関などで創業向けの融資も準備されていますが、どうせなら返済不要のもらえるお金が一番ですね。もらえるお金で代表的なものといえば、国や地方自治体等の「補助金」「助成金」です。

今回は、その中でも創業時に比較的採択されやすい「小規模事業者持続化補助金」を紹介します。

創業時に小規模事業者持続化補助金がおすすめである理由

なぜ、創業時に小規模事業者持続化補助金がおすすめなのでしょうか?まずはその理由について解説します。

創業時でも採択されやすいから

国の補助金などで、創業時の申請を不可とする補助金は聞きません。そういう意味では、創業時でも制限なく補助金に申請することができます。

ただし、採択されるかどうかは別問題です。ほとんどの補助金では過去の実績が問われるため、実績のない創業者には事実上高いハードルがあるといえるでしょう。

一方、小規模事業者持続化補助金はその名のとおり、零細事業者や個人事業主を対象としており、他の補助金に比べれば難易度は高くありません。華々しい実績がなくとも、計画さえしっかり作成することができれば採択は狙えます。

実際に、創業時に小規模事業者持続化補助金を受けられた事例は多数あります。一方で、ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)など、他の補助金では創業時に交付を受けられることは多くありません。

創業枠が新設されたから

2022年度から新たに、小規模事業者持続化補助金で「創業枠」が新設されました。従来からある創業者向けの優遇措置をさらに拡充したもので、最高200万円の補助金が受けられます。

200万円は、決して小さくない金額でしょう。創業時に欠かせない販路開拓に有効活用することで、順調なスタートを切ることができそうですね。

小規模事業者持続化補助金の概要

では、小規模事業者持続化補助金の概要について解説しましょう。

対象者

小規模事業者持続化補助金は、従業員数20名以下の小規模な事業者が対象で、個人事業主でも応募できます。先ほどお伝えしたように実績を問われないため、創業時に申請することもできます。

ただし、申請書類に開業届(個人事業主)が必要になるため、創業予定での申請はできません。また、医師や社会福祉法人等は対象になりません。

<小規模事業者の定義>

業種常勤従業員数
製造業その他・宿泊業・娯楽業20人以下
卸売業・小売業・サービス業5人以下

なお、従業員数は常勤の社員を指すので、役員や勤務時間の短いパートやアルバイトの人数は含みません。

補助金額

補助金額は、「通常枠」は50万円ですが、創業者を対象とする「創業枠」では「200万円」になります。補助率はいずれも2/3です。

たとえば、75万円の経費がかかったとしたら、その2/3である50万円が補助金として交付されます。

応募枠通常枠創業枠
補助率2/32/3
上限額50万円200万円

共通する応募要件

小規模事業者持続化補助金の応募要件は、以下のとおり販路開拓や生産性向上の取り組みを行うことです。

  • 策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等のための取り組みであること。 あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取り組みであること。
  • 商工会または商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること。

また、小規模事業者持続化補助金の特徴として、商工会または商工会議所の支援を受けられることがあります。

商工会または商工会議所は会員組織なので、通常は会員にならないと支援を受けることができません。しかし、小規模事業者持続化補助金申請に関することであれば、会員にならなくても相談に乗ってもらえます。

経営計画の作り方など、創業時には相談したいことがたくさんありますね。小規模事業者持続化補助金をきっかけに、商工会議所や商工会とお付き合いできることもメリットの一つかもしれません。

創業枠の応募要件

小規模事業者持続化補助金の創業枠は、その名のとおり創業者向けの応募枠です。上記応募要件に加えて、「特定創業支援等事業」による支援を過去3年以内に受けていることが要件となります。

「特定創業支援等事業」とは、認定市区町村または認定連携創業支援等事業者が実施した創業支援の事業です。具体的には、市区町村や商工会議所等が実施する創業セミナーへ参加したことがあったり、商工会議所等の相談員と一緒に経営計画を作成したことがあったりすることが該当します。

創業枠で申請すると、補助金額が50万円から200万円に大幅アップします。過去に創業セミナーを受けたことがある場合などは、主催元に対象となるかどうか確認しましょう。

対象経費

補助金の対象となる経費は次のとおりです。

  • ①機械装置等費
  • ②広報費
  • ③ウェブサイト関連費
  • ④展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
  • ⑤旅費
  • ⑥開発費
  • ⑦資料購入費
  • ⑧雑役務費
  • ⑨借料
  • ⑩設備処分費
  • ⑪委託・外注費

創業時に構築されるケースが多いウェブサイトは、単なる企業広報ではなく、商品・サービスをPRするものであればウェブサイト関連費として対象になります。ただし、ウェブサイト関連費で申請できるのは全体の1/4までなので、通常枠で申請する場合は12.5万円(=50万円×1/4)が限度となります。

また、PCやタブレット、プリンター、車両などの汎用的に使用できるものやトナーなどの消耗品は対象になりません。人件費や販売を目的とした商品の仕入れ費用も対象外です。

小規模事業者持続化補助金の申請手続きの流れ

小規模事業者持続化補助金の申請手続きはどのようにすれば良いのでしょうか?続いては、小規模事業者持続化補助金の申請手続きについて解説します。

GビズIDプライムアカウントの取得

まずは、電子申請に必要な「GビズIDプライムアカウント」を取得しましょう。

申請は郵送でもできるので、必ずしも電子申請をする必要はありません。ただ、電子申請すると審査で加点されるなど有利になるため、電子申請をおすすめします。

なお、GビズIDプライムアカウントの詳細はこちらを参照してください。

申請書類の作成

続いて、申請書類となる経営計画を作成します。経営計画はA4サイズで8ページほどの分量にまとめます。様式は小規模事業者持続化補助金のサイトからダウンロードできます。

事業支援計画書の交付

小規模事業者持続化補助金は、商工会または商工会議所の支援を受けることが要件になっています。会員になっていなくても、お近くの商工会または商工会議所に申請書類を持参して相談すれば、支援を受けた証明になる事業支援計画書を交付してもらえます。

締切前になると、混み合うこともあるので早めに相談に行くことをおすすめします。

申請

郵送または電子申請で申請書類を送ります。

小規模事業者持続化補助金のスケジュール

2022年4月末現在、第8回の公募中で締切は2022年6月3日(金)です。それ以降も、3回の公募が予定されており、9月中旬、12月上旬、2月上旬に締切が設定されています。

小規模事業者持続化補助金を申請する際の注意点

最後に、小規模事業者持続化補助金を申請する際の注意点について触れておきます。

採択審査がある

小規模事業者持続化補助金には採択審査があり、申請したからといって必ずもらえるものではありません。しかも、近年の採択率は4割~6割となっており、申請しても半数近くが不採択となるのが現実です。

補助金はあくまで資金調達の一つの手段とし、融資などその他の調達方策も確保しておきましょう。

補助金は原則後払い

小規模事業者持続化補助金は、後払いです。小規模事業者持続化補助金に限らず、補助金や助成金は原則後払いです。

しかも、補助事業が完了してから支払われるため、実際に交付されるのは、1年近く先になることもあります。後から補填されるとはいえ、当面は立替払いが必要のため資金繰りにはくれぐれも留意しましょう。

申請には手間がかかる

小規模事業者持続化補助金を申請するには手間がかかります。経営計画8ページの作成も大変ですが、たくさんの添付書類をそろえるのも結構な手間がかかります。

さらに、採択後も実績報告書の作成など煩雑な書類作成が待っています。多忙な創業期に書類作成の時間を捻出することは難しいかもしれません。それでも、資金獲得のためには仕方ないと覚悟しておいた方が良いでしょう。

まとめ

創業時におすすめの小規模事業者持続化補助金について解説しました。ただでさえやることがたくさんあって多忙な創業時に、「これ以上補助金の申請をしているヒマなんてない」そう感じられた事業主の方も多いでしょう。

そんな場合は、経営計画作成に長けた専門家の力を借りるのも一つです。当社トライズコンサルティングでは、補助金の申請支援を多数手がけています。小規模事業者の皆さまに寄り添い、一緒に経営計画を作っていくことで採択を目指します。

ご相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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