【2022】ものづくり補助金で「ホームページ制作」は申請可能?対象のWebサイトの種類

ものづくり補助金のホームページ制作

中小企業の設備投資を1,000万円まで支援してくれるものづくり補助金。対象となるのは機械の購入やシステム投資などですが、ホームページは対象になるのでしょうか?

コロナ禍においては、オンライン化やデジタル化が叫ばれて久しい今日この頃。自社のホームページのリニューアル等を考えておられる事業者も多いのではないでしょうか?どうせであれば、なんらかの補助金を使えたら嬉しいですね。今回は、ものづくり補助金で申請できるホームページについて解説します。

ものづくり補助金で申請できるホームページ制作の種類

ものづくり補助金でホームページは申請できるのでしょうか?結論からお伝えすると、企業広報を目的とするただのホームページ単体では申請不可です。

ただし、ECサイトやオンラインレッスン、Web相談などさまざまな機能を持つWebサイトであれば対象になります。ここでは、ものづくり補助金で申請できるサイト・ホームページについて解説していきます。

生産性および付加価値の向上

ものづくり補助金の目的は、中小企業の生産性を改善して付加価値を増やすことです。そのため、対象となるホームページも、企業の活動の生産性を大幅に向上させ、付加価値すなわち利益を増やすことが必要です。

代表的なものはECサイトでしょう。決済機能だけでなく、在庫管理や顧客管理などが一気通貫でできるようなWebサイトのイメージです。ものづくり補助金の投資額は最低50万円以上という要件がありますので、簡易なサイト制作というよりは、高機能で開発に数百万円から1千万円以上かかるようなシステム構築が中心になります。

革新性

また、ものづくり補助金には革新性が求められます。ものづくり補助金で制作するWebサイトにしても、これまでになかった新しさが必要です。

たとえば、「日本の伝統工芸に関する情報を網羅的に掲載したサイトがこれまでなかったため、伝統工芸品に関するキュレーションサイトと出品者のプラットフォームを兼ねたECサイトを制作する」などが該当します。

付随的な広報費としてならOK

冒頭では、単なる広報のホームページでは申請できないとお伝えしましたが、例外があります。ものづくり補助金の中でも、後述の「低感染リスク型ビジネス枠」であれば、広告宣伝費が対象になるためホームページ制作費も申請できます。

ただし、広告宣伝費として申請できるのは、補助金全体の1/3までです。革新的な生産性・付加価値向上の取り組みがあったうえで、その取り組みを告知するための付随的な費用という位置づけになります。

ものづくり補助金とは?その概要

続いて、ものづくり補助金とはどういった補助金なのか概要を確認しておきましょう。

対象者

ものづくり補助金の対象となるのは、日本国内に本社または補助事業の実施場所がある次のような企業等です。

  • 中小企業
  • 小規模事業者
  • 個人事業主
  • 特定非営利活動法人

対象となる取り組み

対象となる取り組みは、「中小企業が行う革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資です。したがって、単なる既存事業の設備更新等では対象になりません。 ものづくり補助金には、「通常枠」と前述した「低感染リスク型ビジネス枠」の2枠があります。

事業類型応募枠対象となる取り組み
一般型  通常枠中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等
低感染リスク型ビジネス枠・物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発 ・ウィズコロナ、ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に係る設備・システム投資

低感染リスク型ビジネス枠は、コロナ対策のため対人接触を減らす取組み等が対象で、広告宣伝費が対象になるなど対象経費の範囲が広くなっています。また、補助率が通常枠より高く、優先的に採択もされます。

もし低感染リスク型ビジネス枠で不採択だったとしても、通常枠で再度審査されるので、低感染リスク型ビジネス枠の方が有利といえます。少しでも対人接触を減らす要素等があれば、低感染リスク型ビジネス枠で申請するようにしましょう。

補助金額

補助金額は次のとおりです。

通常枠は、中小企業はかかった経費の1/2、小規模事業者であれば2/3が補助されます。一方、低感染リスク型ビジネス枠は、企業規模問わず補助率は一律に2/3になります。 なお、補助金は補助事業が完了してから支払われる後払いです。立替払いが必要となるため、資金繰りに留意しましょう。

事業類型応募枠補助上限額補助率
一般型  通常枠100万円~1,000万円中小企業者:1/2 小規模事業者:2/3
低感染リスク型ビジネス枠2/3

※50万円以上の設備投資が必要。

要件

ものづくり補助金には要件があり、次の増加基準を満たす3~5年計画の作成が必須となります。

3~5年の事業計画期間において、

  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加する
  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
  • 事業者全体の付加価値額※を年率平均3%以上増加する

※付加価値とは、営業利益と人件費、減価償却費の合計額です。

給与総額の増加目標または事業内最低賃金目標が未達であれば、補助金の返還を求められる場合があるので注意しましょう。

対象経費

補助金の対象となる品目は、必要経費のうち次の9品目になります。製品開発に必要な機械やシステム導入費の他、開発に必要な助言を求める専門家経費などが対象になります。

  • ①機械装置・システム構築費
  • ②技術導入費
  • ③専門家経費
  • ④運搬費
  • ⑤クラウドサービス利用費
  • ⑥原材料費
  • ⑦外注費
  • ⑧知的財産権等関連経費
  • ⑨広告宣伝費・販売促進費(低感染リスク型ビジネス枠のみ)

また、低感染リスク型ビジネス枠では、広告宣伝費や販売促進費も対象になります。ただし広告宣伝費および販売促進費は補助金額全体の1/3以下に抑える必要があります。なお、パソコンやタブレット、車両など汎用使用ができるものは対象になりません。

申請手続き

申請手続きについてもみていきましょう。

申請書類作成

革新的な製品開発等についての事業計画書を作成します。事業計画書は「その1補助事業の具体的取組内容」「その2将来の展望」「会社全体の収支計画」から構成され、自社の強みや特長、補助事業で行う取り組みの優位性などを記載していきます。

なお、事業計画書はその1、その2合わせて、A4サイズ10枚以内に収めなければならないので、コンパクトにまとめる必要があります。

電子申請

ものづくり補助金は、「Jグランツ」という補助金申請システムから申請手続きをします。申請にはgBizIDプライムアカウントが必要で、アカウント取得には3週間以上かかります。gBizIDプライムアカウントをまだお持ちでない場合は、まずはアカウントを取得しましょう。gBizIDプライムアカウントの取得方法等、詳細はこちらを参照してください。

スケジュール

ものづくり補助金は、年に複数回公募が実施されます。2021年10月現在では、第8次の公募中で2021年11月11日(木)が締め切りとなっています。

公募回締切
第8次公募2021年11月11日
第9次公募2022年2月頃

第10次公募以降はまだ発表されていませんが、当初予定では2022年度も実施されることになっています。

ホームページ(Webサイト)制作費用を申請する際の注意点

続いて、ものづくり補助金でホームページ(Webサイト)制作費用を申請する際の注意点について解説します。

詳細をきちんと詰める

ものづくり補助金で申請するWebサイトは、既製品ではなく独自制作するものがほとんどです。機械や設備と異なり、カタログや現物見本があるわけではありません。そのため、補助事業の具体的な内容を示すことが難しい面があります。

とはいえ、よくわからない内容には誰もお金を出してくれません。発注前に要件定義をすることまでは難しいでしょうが、それでもできるだけサイトの具体像を示すべきです。どんなスペックや機能があるのか、サイトの詳細を細部まできっちり詰める必要があります。

機能やスペック、効果をわかりやすく示す

システムの詳細を詰めたら、機能やスペック、効果などをわかりやすく示す必要があります。形のないシステムだからこそ、図などで業務フローを表し、全体像をわかりやすく伝えましょう。

また、Webサイト構築で得られる効果について、数値等を使って表すことも重要です。オンライン化やシステムによる自動化で、人手や労働時間がどれだけ削減できるのかなどもきちんと示しましょう。

システム導入したら、生産性が向上するのはある意味当たり前です。問題は、投資効果に見合った生産性向上になるかどうかです。わざわざ高額な独自システムを構築しなくても、既製品のパッケージシステムで十分用が済むこともあるかもしれません。

システム構築ありきではなく、投資効果に見合ったものになるのかしっかり検討するようにしましょう。

ものづくり補助金で採択されたホームページ(Webサイト)制作事例

最後に、過去にものづくり補助金で採択されたWebサイトの事例を紹介します。

参照元:ものづくり補助金関連サイト 成果事例検索

事例1:多品種少量梱包体制構築とWebサイトの多言語化で越境EC事業を収益化

海外のECサイト経由の購入需要の高まりを好機と捉え、国内EC事業の成功体験を活かして、越境 EC事業を収益化するために、BtoBからBtoCへ多品種少量の計量梱包可能な専用機の導入とWEBサイトの多言語化を行った。WEBサイトにAIの自動翻訳機能設置することで、日本語版の更新後すぐに外国語版に自動反映される仕組みを作った。

東京都 キーホルダー、アクセサリー等の製造および販売企業 平成28年度

事例2:すべての方にやさしいユニバーサルデザインWebサイトの構築

すべての人にとって操作がわかりやすく簡単な介護食品や治療食品を販売するWebサイトを構築。レイアウトの工夫や動線の改善、動画を取り入れたカタログなどで、普段ネットを使用しない高齢者にも使いやすいよう工夫を重ねた。販売管理システムと連携させ、スマートフォンやタブレットで注文できるようにした他、電話やFAXでも注文しやすい流れを作った。

栃木県 治療用特殊食品の卸小売業 平成26年度

まとめ

ものづくり補助金で申請できるホームページ(Webサイト)について紹介しました。

単なるホームページではなく、高機能なWebサイトであれば申請できるため、少しハードルが高く感じられたかもしれません。しかし、単なるホームページであれば、もはや差別化にはつながりません。補助金を活用して高機能なサイトを構築し、集客と売上アップを目指すことも一つの手です。

当社トライズコンサルティングでは、Webサイトの新規制作からWeb集客からSEO対策(検索エンジン対策)、補助金申請まで幅広い支援を行っています。ものづくり補助金についても申請支援を多数手がけており、書類の作成から申請の代行まで、申請に関わる手間や面倒を一手に引き受けます。

また、ご自身で申請するよりも高い採択率を実現し、事業の発展に貢献いたします。これまでに申請支援したものづくり補助金の採択率は97%(2019年、2020年度実績)です。事業主の皆さまに寄り添い、一緒に事業計画を作っていくことで採択を目指します。ご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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