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【2022】ものづくり補助金の申請方法は?制度概要と採択されるコツをわかりやすく解説

ものづくり補助金の申請方法

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」、通称「ものづくり補助金」は、現在、2019年度補正予算が2020年3月10日(火)に公募を開始して以来、2020年度補正予算を経て、2021年度補正予算として通年での公募が行われています。

2022年度は応募期間を約2ヶ月、審査期間を約1ヶ月として、4回の採択発表を行う予定とされており、2022年7月15日(金)に今年度1回目となる第10次締切の採択結果が公表されました。

今回は、2022年度に「ものづくり補助金」を活用し、新たな取り組みへのチャレンジを考えている中小企業様に対して、制度の概要や申請方法、申請のポイントについて解説していきます。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、経済産業省が中小企業の取り組む革新的なサービスの開発や生産プロセス改善のための設備投資に対して金銭的な支援を行う制度のことです。申請等のやり取りは、直接ではなく事務局を通してインターネット上で行われます。なお、事務局は例年、全国中小企業団体中央会が務めています。

申請要件

ものづくり補助金の申請には、補助金を使ってどのような事業に取り組むかを記載した3~5年の事業計画を策定する必要があります。事業の内容は公序良俗に反しないなど一定の規制がありますが、基本的にはどのような取り組みでも構いません。

しかし、その計画期間内で次の基本要件を満たす必要があります。

  • 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上

たとえば、事業期間が5年間の場合、取り組み前と比較して、付加価値額は15%以上、給与支給総額は7.5%以上増加させる計画を策定しなくてはなりません。なお、「通常枠」以外の事業類型については、基本要件とは別に追加で要件を満たす必要があります。

補助対象者

補助対象者は、日本国内に本社および補助事業の実施場所を有する中小企業者です。資本金または常勤の従業員数が一定の規模以下の会社または個人が該当します。

また、10次締切からの変更で、「中小企業等強化法」で定める特定事業者のうち、資本金の額または出資の総額が10億円未満である事業者も申請できるようになりました。対象となる特定事業者は、従業員数が下表の数字以下となる会社または個人です。

業種常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業500人
卸売業400人
サービス業または小売業
(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
300人
その他の業種(上記以外)500人

なお、これら以外でも、企業組合や協業組合などの一部組合も補助対象となります。

申請類型

1次締切では「通常枠」のみの募集でしたが、2次締切では補助率の引き上げや広告宣伝費・販売促進費も補助対象経費にした「特別枠」、さらに5次締切では新型コロナの感染拡大の影響を乗り越えるための前向きな設備投資を対象にした「低感染リスクビジネス枠」など、時流に合わせてさまざまな事業類型が創設されました。

2022年7月現在、11次締切で募集されている「一般型」の事業類型の内容は次のとおりです。

通常枠

  • 補助上限:750万円~1,250万円
  • 補助率:1/2、小規模事業者等2/3

回復型賃上げ・雇用拡大枠

  • 補助上限:750万円~1,250万円
  • 補助率:2/3

基本要件に加え、次の3点が要件に追加されています。

  • ①前年度の事業年度の課税所得がゼロであること
  • ②常時使用する従業員がいること
  • ③補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金の増加目標を達成すること

デジタル枠

  • 補助上限:750万円~1,250万円
  • 補助率:2/3

追加の要件は、①DXに資する革新的な製品・サービスの開発、または②デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善のいずれかに該当する事業である必要があります。

加えて、次の2つが求められます。

  • 経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の 「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかの宣言を応募申請時点で行っていること

グリーン枠

  • 補助上限:1,000万円~2,000万円
  • 補助率:2/3

追加の要件は、①温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発または②炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善のいずれかに該当する事業である必要があります。

さらに、次の2つが求められます。

  • 3~5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること
  • これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取り組みの有無(ある場合はその具体的な取り組み内容)を示すこと

なお、「グローバル展開型」に関しては4次締切で公募開始以降、継続して募集されています。

ものづくり補助金の申請方法

続いて、ものづくり補助金の申請方法について解説します。行政庁もDXが進んだことで、申請等に関するほとんどの手続きがネットを介して行えるようになりました。

慣れていない方には少しハードルが高い反面、事務局とのスピーディーなやり取りが可能になり、以前は行っていたファイリングや押印などの事務作業が不要になるなどメリットも多くなっています。

gBizIDプライムカウントを取得する

申請前に「gBizIDプライムアカウント」を取得しておく必要があります。後述する「電子申請システム」から申請を行う際、これがないとシステムにログインすることができません。

取得は無料で、gBizIDのサイトから簡単に申請することができますが、取得には約2~3週間ほど時間を要するため、早目に申請しておいてください。gBizIDは、「ものづくり補助金」以外にも「小規模事業者持続化補助金」や「IT導入補助金」などの申請、社会保険料の手続き、飲食店の営業許可申請などを行うことができますので、取り急ぎ利用する予定がなくても取得しておくことをおすすめします。

なお、申請には個人または法人の印鑑証明の添付が必要です。

事業計画を作成する

gBizIDの申請ができれば、次は本丸の事業計画の策定です。計画書は次の3つに区分され、A4サイズで10ページ以内と定められています。

その1:補助事業の具体的取り組み内容

  • 本事業の目的・手段
  • 今までの自社での取り組みの経緯・内容
  • 補助事業で機械装置等を取得しなければならない必要性
  • 課題を解決するために不可欠な工程ごとの開発内容、材料や機械装置等
  • 具体的な目標およびその達成手段
  • 事業期間内に投資する機械装置等の型番、取得・技術導入時期の詳細なスケジュール
  • 事業計画と「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」又は「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」との関連性
  • どのように他者と差別化し競争力強化が実現するのか、その方法や仕組み、実施体制
  • (デジタル枠のみ)DXに資する革新的な製品・サービスの開発やデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善等の具体的かつ詳細な内容
  • (グリーン枠のみ)事業場単位での炭素生産性を年率平均1%以上増加させる具体的な計画内容
  • (グリーン枠のみ)これまでに自社で実施した温室効果ガス排出削減の取り組み内容の有無やその効果等の具体的かつ詳細な内容

その2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場および期待される効果)

  • 本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケットおよび市場規模等について、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性や現在の市場規模も踏まえて記載
  • 本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期・売上規模・量産化時の製品等の価格等について簡潔に記載

その3:会社全体の事業計画

  • 会社全体の事業計画(表)における「付加価値額」や「給与支給総額」等の算出については、算出根拠を記載

策定のコツは、いかに自社の強みをマーケットのトレンドや顧客のニーズに適合した事業として市場に提供できるかです。必要に応じ、図表や写真等を用いることでわかりやすい計画書になります。

なお、「会社全体の事業計画(表)」で示された数値は、補助事業終了後も、事業期間に渡って事業化状況等報告等において達成状況が確認されます。

認定経営革新等支援機関に相談する

事業計画書が策定できたら、早い段階で「認定経営革新等支援機関」へ相談しましょう。「認定経営革新等支援機関」とは、多様化・複雑化する中小企業の経営課題を解決するため、税務・金融・財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人・法人・機関等を認定し、中小企業に対して専門性の高い支援を行う体制を整備する制度です。

身近なところでは、金融機関や税理士、商工会・商工会議所が該当し、補助金申請に関する要件の確認や計画書の記載方法、取り組む事業についてアドバイスをもらうことができます。中小企業庁の提供する「認定経営革新等支援機関検索システム」でお近くの機関を探してみてください。

電子申請システムから申請

事業計画書や添付に必要な書類が揃ったら、いよいよ申請作業です。ものづくり補助金ポータルサイト上部の「電子申請」のタブから申請ページを開きます。

申請もスムーズに行うため、電子申請システム操作マニュアルが用意されていますので、これを見ながら進めると良いでしょう。申請の流れは次のとおりです。

  1. 「電子申請」ページ内の「電子申請システムへ」をクリック
  2. 取得した「gBizIDプライムアカウント」でログイン
  3. 申請システム内にて必要項目の入力や必要書類の電子ファイルを添付
  4. 「申請」ボタンをクリックし送信

前述のとおり、電子申請時に「gBizIDプライムアカウント」が必要になります。未取得の状態で締切直前になってしまうと、これまでの努力が水の泡となってしまいます。「gBizIDプライムアカウント」の取得し忘れにはお気を付けください。

また、ネット申請になってからの弊害として、締切直前に多くの事業者が手続きすることによるサーバーダウンが考えられます。できるだけ余裕をもって、申請できるようにしましょう。

ものづくり補助金の申請のポイント・コツ

最後に、ものづくり補助金に採択されるための申請のポイントを解説します。ポイントとはいっても、採択を受けるために必要なことはすべて公募要領に記載されており、特別なことをする必要はありません。一つひとつ丁寧に確認していきましょう。

審査項目を網羅する

事業計画の審査員が審査する項目は次のとおりです。

補助対象事業の要件を満たす取り組みであるか

  • 補助対象事業の要件を満たすか
  • 3~5年計画で「付加価値額」年率平均3%以上の増加等を達成する取り組みであるか

技術面

  • 新製品・新サービスの革新的な開発となっているか
  • 「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」または「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」に沿った取り組みであるか
  • 課題が明確で、補助事業の目標に対する達成度の考え方は明確か
  • 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか
  • 補助事業実施のための技術的能力が備わっているか

事業化面

  • 社内外の体制や最近の財務状況等から、補助事業の適切な遂行が期待できるか
  • 金融機関等からの十分な資金調達が見込まれるか
  • 市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケットおよび市場規模が明確か
  • 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化までの遂行方法およびスケジュールが妥当か
  • 補助事業として費用対効果が高いか

政策面

  • 地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか
  • ニッチ分野において、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか
  • 単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取り組むことにより、高い生産性向上が期待できるか
  • 経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか
  • ウィズコロナ・ポストコロナに向けた経済構造の転換、事業環境の変化に対応する投資内容で あるか

この他、「グリーン枠」についてのみ、「炭素生産性向上の取り組み等の妥当性」という項目も挙げられています。これらの項目を確認しながら、計画策定を行っていくことが採択への近道です。

加点項目を取得する

審査の際に加点される項目は次のとおりです。

  • 有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者
  • 創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)
  • 「パートナーシップ構築宣言」を行っている事業者
  • 再生事業者
  • (デジタル枠のみ)「デジタル技術の活用およびDX推進の取り組み状況等の確認書」の提出
  • 有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者
  • 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者
  • 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均3%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者
  • 被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合

最大6項目の加点が可能で、「デジタル枠」に限り、7項目の加点が可能です。時間をかけずにクリアできるものもありますので、可能な限り取り組みましょう。

添付書類を確認する

電子申請となってからは、書類の抜けや漏れがあればエラーメッセージが出るようになりましたが、それでも同じ経済産業省の制度である「事業再構築補助金」の公募初期には1割以上の申請者が書類不備で不採択となっていました。

応募回ごとに公募要領も少しずつ変わっていますので、申請前には添付書類が揃っているかもよく確認しましょう。

まとめ

ものづくり補助金の申請方法等について解説しました。申請は難しいと考えている中小企業様も多いと思いますが、一つひとつクリアしていくことで採択への道が開けます。今回お伝えしたことを参考に、ぜひ挑戦してみてください。

当社トライズコンサルティングでは、こうした中小企業様の事業発展へのチャレンジを応援しています。「ものづくり補助金」の採択率は驚異の97%となっており、貴社の経営を強力にアシストします。ご相談は無料となっておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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