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【2021】経営力向上計画とは?メリット・書き方・提出先

経営力向上計画

経営力向上計画とは、経営力向上のための人材育成や財務管理、設備投資などの取り組みを記載した「経営力向上計画」を申請し、認定されることにより中小企業経営強化税制や各種金融支援が受けられる制度です。わかりやすくいうと、「経営状況を改善するためにこんな取り組みをします」という計画を国に認めてもらえれば、国からさまざまな優遇をしてもらえるという制度となっています。

今回はその経営力向上計画の概要や、書き方についてまとめ解説します。

経営力向上計画とは

「経営力向上計画」は、平成28年7月1日に施行した中小企業等経営強化法において、「経営力向上計画」の認定を受けた中小企業・小規模事業者に対して、中小企業経営強化税制(即時償却等)による税制面の支援資金繰り等の支援を措置すると定められたことにより開始されました。令和3年(2021年)8月31日現在、127,526件が認定されており(経済産業省:59,565件、国土交通省:39,213件、農林水産省:12,246件、厚生労働省:8,903件、国税庁:1,768件等)、認定は認定経営革新等支援機関でサポートを受けることが可能です。

経営力向上計画を作成するメリット

経営力向上計画を作成し、認定を受けるメリットは大きく次の3点があります。それぞれについて詳しく解説していきましょう。

  1. 補助金の申請に有利なケースがある
  2. 設備導入時の節税効果等が得られる
  3. 低金利で融資を受けられる

補助金の申請に有利なケースがある

補助金の審査は事業計画等の申請書の内容と、加点項目によって審査されます。配点の詳細は公開されませんが、点数が高い方が採択されます。

経営力向上計画の認定を受けていると一部の補助金の審査で加点されるということは、補助金の要領にも記載があります。たとえば、「小規模事業者持続化補助金」では、政策加点項目として「基準日までに経営力向上計画の認定を受けていること。」と明記されています。

ただし、「ものづくり補助金」では、2019年度は経営力向上計画が加点項目となっていましたが、2020年度では加点項目から外されています。

このように、補助金の加点を目的にして経営力向上計画を作成する場合、最新の公募要領を確認してからが最も確実ですが、いずれにせよ事前に取得が必要となります。公募要領が発表されてからでは間に合わないため、先に経営力向上計画の認定を取得しておくことをおすすめします。

設備導入時の節税効果が得られる

青色申告書を提出する中小企業者等が、指定期間内(平成29年4月1日から令和5年3月31日までの期間 )に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得等して指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。

ここでいう中小企業者とは、次の条件を満たすものです。

  • 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
  • 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
  • 協同組合等

また、一定の設備は下記の図表のとおり、いくつかの類型に分かれており、それぞれに要件があります。詳細は「中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き」を参照してください。

中小企業経営強化税制

経営力向上計画を作成すると、設備導入時の節税の他にもいくつか優遇制度があり、事業承継のための土地や建物について、登録免許税・不動産取得税の軽減措置を利用できます。また、経営力向上計画の認定を受け、労働生産性などの指標を満たしていると、継続雇用者給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加している場合、給与総額の前年度からの増加額の25%を税額控除できます。

低金利で融資を受けられる

経営力向上計画が認定された事業者は、政策金融機関や民間金融機関の融資に対する通常とは別枠での信用保証、債務保証等の資金調達に関する支援などを受けることができます。

さまざまな種類の支援がありますが、その中でも代表的なものは日本政策金融公庫による低利融資です。経営力向上計画の認定を受けることで、日本政策金融公庫の融資を基準より低い金利で受けられます。

ただし、融資には別途審査があるため、経営力向上計画の認定を受ければ必ず融資が受けられるというわけではないことには注意が必要です。

計画書の書き方のポイント・注意点

ここからは、経営力向上計画の認定までの流れや方法・申請手続きについて解説します。

計画認定に期限はありませんが、設備の取得を計画している場合は「取得前」に計画認定を受けなければなりません。認定にかかる時間は1ヶ月程度ですので、余裕を持って申請を行いましょう。

事前準備をしっかりと行う

中小企業等経営強化法では、事業分野を所管する省庁において、基本方針に基づき、事業分野ごとに生産性向上の方法等を示した事業分野別の指針を策定することになっています。経営力向上計画に取り組む事業分野において「事業分野別指針」が策定されている場合、当該指針を踏まえて策定します。まずは、認定を受ける事業が日本標準産業分類においてどれに該当するのかを確認します。

たとえば製造業の場合、デジタル技術を活用して競争力の源泉たる「企業変革力」を強化することが重要という大方針のもと、労働生産性等について目標とする数値などが定められています。詳細は、経済産業省から「事業分野別指針の概要について」という資料が公開されているので参照してください。

まずは経済産業省ホームページから申請書様式をダウンロードします。作成にあたるポイントは、自社の現状をきちんと把握・分析し、経営力向上するための今後の取り組みを申請書に記載することです。

経営力向上計画は、策定された経営力向上計画の申請書に点数をつけて採択・不採択を判断したり、認定を出す件数が決まったりしている相対評価ではありません。国の指針に沿った計画を作成し、特に書類に不備がなければ、ほとんどが認定されます。申請に必要のない内容はできるだけ削除し、必要な内容だけを端的にわかりやすく記載しましょう。

経営力向上計画策定の手引き」という資料が中小企業庁から公開されているのでよく確認してから作成しましょう。

計画実施後に得られる効果について記載する

計画書の記載内容は、概ね次のとおりです。業種によって記載例が公表されているので参考にしてください。

  • ①企業の概要
  • ②現状認識
  • ③経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標
  • ④経営力向上の内容
  • ⑤必要資金とその調達方法

記載内容の中でもっとも重要な、「経営力向上の内容」の「具体的な実施事項」欄は、経営力向上のために取り組むことを取り組みごとに具体的に記載する必要があります。「実施期間」欄は、記載した「実施事項」について、いつまでに、どのような内容で行うかなどのスケジュールを具体的に記載します。

必要資金とその調達方法を記載する

続いて、経営力向上を実施するために必要な資金の額およびその調達方法を記載します。

「実施事項」欄には、「経営力向上の内容」の実施事項ごとの記号を記載してください。 

「使途・用途」欄には、必要とする資金 について、具体的な使途・用途を記載します。  「資金調達方法」欄には、自己資金、 融資、補助金、リース等を記載します。なお、同一の使途・用途であっても、複数の資金調達方法により資金を調達する場合には、資金調達方法ごとに項目を分けて記載が必要です。

設備投資の種類を記載する

続いて、税制措置を活用する場合はこの欄への記載が必要となります。「利用を想定している支援措置」欄には、想定している措置(A類型、B類型、C類型、D類型)に○をつけ、 「所在地」欄には、当該設備の設置予定地(都道府県名・市区町村名)を記載します。

同じ型式の設備を複数取得する場合でも、「取得年月」や「所在地」が異なる場合には、列を分けて記載する必要があります。

申請先と必要書類

申請先は、経営力向上計画の事業分野(業種)を所管する大臣です。

ただし、所管大臣が権限を委譲している場合、地方支分部局の長になります。各提出先は、中小企業庁のホームページの「事業分野と提出先」から確認できます。提出先が不明な場合は、経営力向上計画相談窓口が中小企業庁に設置されているので、そちらに問い合わせを行えば丁寧に教えてくれます。

経済産業部局や一部の省庁においては「経営力向上計画申請プラットフォーム」から電子申請ができるようになっています。電子申請を行うには、政府が発行する「GビズID」を事前に取得しなければなりません。経営力向上計画申請プラットフォームから作成・申請を行います。

電子申請対応がされていない場合でも、「経営力向上計画申請プラットフォーム」を利用して申請書を作成し、打ち出したものを郵送で申請することは可能です。

認定までの期間

申請から認定までの標準処理期間は30日(計画に記載された事業分野が複数の省庁の所管にまたがる場合は45日 。また、不動産取得税の軽減措置又は許認可承継の特例を利用される場合は、上記の日数に加えて、関係行政機関における評価・判断に日数が必要)です。

ただし、経営力向上計画申請プラットフォームにて電子申請した場合(経済産業部局宛のみの申請に限る)標準処理期間は21日となっています。

申請書に不備がある場合は、各事業所管大臣からの照会や申請の差戻しが発生し、手続時間が長期化する場合があります。そのため、申請は余裕をもって行いましょう。

計画の認定は、新たに設備を取得する前に受けることが原則ですが、例外として、設備の取得後60日以内であれば申請が認められます。

専門家によるサポートを受ける

以上が経営力向上計画認定までの簡単なフローとポイントです。

申請書の作成などを自社のみで行おうとすると、手引きを読むだけでも大変な手間となってしまいます。サポートが必要な事業者には認定経営革新等支援機関(商工会議所・商工会・中央会や士業、地域金融機関等)に相談すれば計画策定の支援を受けることができます。

また、ローカルベンチマークなどの経営診断ツールにより、計画策定ができるようにしています。

採択されたければ優秀なパートナーを選ぶことが重要

中小企業の事業主の方にとって、補助金や減税、融資というのは経営を行う上でとても重要な判断材料になると思います。経営力向上計画の認定を活用することで各種優遇を受け、事業の発展につなげることもできますので、これを機にぜひ制度を活用することをおすすめします。

計画作成について難しいと感じるような場合は、当社トライズコンサルティングのサポートを受けることで手続きを円滑に確実に進めることができます。自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうかなどの要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

まとめ

経営力向上計画について詳しく解説しました。経営力向上計画が認定されると、中小企業経営強化税制や各種金融支援が受けられる制度であり、中小企業にとってメリットが多いといえます。 当社トライズコンサルティングでは、実現可能性の高い事業計画の立案・作成から補助金申請の支援を提供しています。また、経営力向上計画も認定が受け取れるまでしっかりサポート致します。まずはお気軽にお問い合わせください。

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