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【2022】ものづくり補助金の補助対象経費は?経費の区分一覧と対象にならない経費

ものづくり補助金の経費

ものづくり補助金は、新しい事業やサービスへの取り組みに役立てるために活用できる補助金で、多くの経営者や事業者が申請を検討されていることでしょう。

一方で、思い描き、あるいは計画している事業の新展開に必要となる費用がものづくり補助金の補助の対象となるのかどうか、いまひとつ把握しきれずにいるという方も少なくないものです。

今回は、どのような経費がものづくり補助金の補助対象となり、どの補助経費区分に当たるのか詳しく解説していきます。さらに、経費を積算する上で金額調整を要する点についても補足してお伝えします。

ものづくり補助金の概要

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業や小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援することを事業の目的として掲げています。

事業目的に明示されている通り、設備投資が主な補助対象として想定されています。後述しますが、このことは補助対象経費の積算における設備投資に対する特別な取り扱いにも現れています。

本記事は、2022年2月8日(火)に応募締切を迎える「9次締切分」のものづくり補助金公募要領に基づいていますが、第9時の公募では補助対象事業が3つの類型に分類されています。それぞれ補助金額や補助率が異なり、補助金の対象経費となる費目にも若干の違いがあります。

ここで3類型の概要を簡単に確認しておきましょう。

【一般型】ー[通常枠]

  • 概要:中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援するもの
  • 補助金額:100万円〜1,000万円
  • 補助率:2分の1 ※ 小規模企業者・小規模事業者は3分の2

【一般型】ー[低感染リスクビジネス枠]

  • 概要:中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援するもの
  • 補助金額:100万円〜1,000万円
  • 補助率:3分の2

低感染リスク型ビジネス枠については、補助対象経費全額が、次のいずれかに合致する投資でなければなりません。

  • 物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発
    • 例:AI、IoT等の技術を活用した遠隔操作や自動制御等の機能を有する製品開発(部品開発を含む)、オンラインビジネスへの転換等
  • 物理的な対人接触を減じる製品・システムを導入した生産プロセス・サービス提供方法の改善
    • 例:ロボットシステムの導入によるプロセス改善、複数の店舗や施設に遠隔でサービスを提供するオペレーションセンターの構築等
  • ウィズコロナ、ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に係る設備・システム投資
    ※ キャッシュレス端末や自動精算機、空調設備、検温機器など、ビジネスモデルの転換に対して大きな寄与が見込まれない機器の購入は、原則として補助対象経費にならない。

【グローバル展開型】

  • 概要:中小企業者等が海外事業の拡大、強化等を目的とした「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援するもの
  • 補助金額:1,000万円〜3,000万円
  • 補助率:2分の1 ※ 小規模企業者・小規模事業者は3分の2

グローバル展開型については、次のいずれか1つの類型の各条件を満たさなければなりません。

  1. 海外直接投資類型:グローバルな製品・サービスの開発・提供体制を構築する取り組み
  2. 海外市場開拓類型:海外顧客に対して市場を求める取り組み
  3. インバウンド市場開拓類型:訪日外国人観光客の市場を開拓する取り組み
  4. 海外事業者との共同事業類型:外国法人と行う共同研究・共同事業開発に伴う設備投資を行う取り組み

類型ごとに詳細な条件、追加提出書類等が定められていますので、細かな確認が必要です。

補助対象経費の区分

ものづくり補助金の補助対象経費は、次の10種類に区分されています。うち8種類は3類型の補助対象事業に共通しており、その他の2種類は、「低感染リスク型ビジネス枠」のみ対象とできる経費が1種類、「グローバル展開型」のみ対象とできる経費が1種類です。

それぞれ、どのような経費が補助対象となるのか見ていきましょう。

機械装置・システム構築費用

ものづくり補助金における核となる経費であり、次のような内容のものです。

  1. もっぱら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用に要する経費
  2. もっぱら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費
  3. 1もしくは2と一体で行う、改良・修繕または据え付けに要する経費
    例:補助事業専用の機械装置を購入すると同時に、機能や耐久性を向上するために行う作業の費用(改良・修繕)や、工場内の所定の場所への設置に伴う据え付け作業の費用

技術導入費

技術導入費には、補助事業を遂行するために必要な知的財産権等の導入に必要な経費を計上できます。ものづくり補助金が対象とする革新性やプロセス改善を目指す取り組みのためには、たとえば先進企業が特許権等を有する技術を取り入れて新サービスを立ち上げるといった形態も考えられます。その際の費用が補助対象経費となっています。

なお、知的財産権を所有する他者から取得(実施権の取得を含む)する場合は書面による契約の締結が必要です。また、技術導入費支出先には、専門家経費、外注費を併せて支払うことはできません。

専門家経費

補助事業の遂行に専門家の技術指導や助言が必要となる場合は、学識経験者、兼業・副業・フリーランス等の専門家に依頼したコンサルティング業務について、謝金、旅費、技術指導料等を補助対象経費とすることができます。

なお、専門家経費支出対象者には、技術導入費、外注費を併せて支出することはできません。

運搬費

運搬料、宅配料、郵送料等に要する経費を計上できます。なお、機械装置を購入した場合の運搬料は機械装置・システム構築費用に含めます。

クラウドサービス利用費

クラウドサービスの利用に関する経費については、具体的には、サーバーの領域を借りる費用(サーバーの物理的なディスク内のエリアの借入れ、リースを行う費用)、サーバー上のサービスを利用する費用等が補助対象となります。サーバーを購入する費用やサーバー自体のレンタル費用等は対象になりません。

クラウドサービス利用に付帯する最低限の経費(例:ルータ使用料、プロバイダ契約料、通信料等)についても補助対象となります。

原材料費

試作品の開発に必要な原材料および副資材(工具や消耗品等、製造の過程で必要になるが製品にはならないもの)の購入に要する経費を計上できます。

購入する原材料等は、試作品開発のために必要最小限な数量にとどめ、補助事業期間で使い切るのが原則です。補助事業終了時点での未使用分は補助対象とならないので注意が必要です。

外注費

新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費として計上できます。外注する際は、外注先との書面による契約の締結が必要です。

なお、外注先に、技術導入費、専門家経費を併せて支払うことはできません。

知的財産権等関連経費

新製品・サービスの開発成果の事業化に当たり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費を計上することができます。


ただし、当然のことながら補助事業の成果でないものは補助対象とはなりません。また、補助事業期間内に出願手続を完了していない場合も補助対象になりません。

広告宣伝・販売促進費(低感染リスク型ビジネス枠のみ)

補助事業で開発する製品・サービスに関する広告(パンフレット、動画、写真等)の作成および媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費を計上できます。

補助事業期間内に広告が使用・掲載され、または展示会が開催される必要があります。補助事業と関係のない製品・サービスの広告や会社全体のPR広告に関する経費は対象外となります。また、出張旅費や交際費も補助対象となりません。

海外旅費(グローバル展開型のみ)

海外事業の拡大、強化等を目的とした、補助事業に必要不可欠な海外渡航および宿泊等に要する経費を計上できます。専門家も含め2名までが1度の渡航に随行できます。

国内旅費はもちろん、補助事業と無関係な海外旅費は補助対象になりません。交付申請時に、海外渡航の計画をあらかじめ申請する必要があります。

補助対象とならない経費

以下の経費は、補助事業の類型にかかわらず、ものづくり補助金の補助対象とはなりません。補助対象経費に計上して申請しないよう注意しましょう。

  • 補助事業期間中に販売することを目的とした製品や商品等を生産するための、機械装置・システム構築費以外の諸経費 ※ テスト販売を除く。
  • 工場建屋、構築物、簡易建物(ビニールハウス、コンテナ、ドームハウス等)の取得費用、およびこれらを作り上げるための組み立て用部材の取得費用
  • (工場、生産設備等の)設置場所の整備工事や基礎工事に要する費用
  • 事務所等で必要となる家賃、補償金、敷金、仲介手数料、光熱水費
  • 電話代、インターネット利用料金等の通信費 ※ ルータ使用料、プロバイダ契約料、クラウドサービス利用の通信料等、クラウドサービス利用費に含まれる付帯経費は除く
  • 商品券等の金券
  • 文房具等の事務用品等の消耗品代、雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
  • 飲食、奢侈(度を超えた贅沢や消費)、娯楽、接待等の費用
  • 不動産の購入費、自動車等車両の購入費、修理費および車検費用 ※ 事業所や作業所内のみで走行し、自動車登録番号がなく、公道を自走できない自動車等車両を除く
  • 税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用および訴訟等のための弁護士費用
  • 収入印紙
  • 振込等の手数料(代引手数料を含む)および両替手数料
  • 消費税および地方消費税額等の公租公課(国や地方公共団体に納める税金、公的な自己負担金など税金以外のお金)
  • 各種保険料
  • 借入金などの支払利息および遅延損害金
  • 事業計画書、申請書、報告書等の事務局に提出する書類作成、申請の費用
  • 汎用性があり目的外使用になり得るもの(例:事務用のパソコン、プリンタ、文書作成ソフトウェア、タブレット端末、スマートフォンおよびデジタル複合機など)の購入費
  • 中古市場において広く流通していない中古機械設備など、その価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費※ ただし、中古設備であっても、3者以上の中古流通事業者から型式や年式が記載された相見積もりを取得している場合等には補助対象経費となる
  • 補助事業に係る自社の人件費(ソフトウェア開発等)
  • 上記のほか、公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費

補助対象経費の積算上の留意事項

ものづくり補助金における補助対象経費の積算は、取り組もうとする補助事業の姿に合わせて必要な経費を積算すれば良いというわけにいかない側面があります。ものづくり補助金は革新性のある新しい製品やサービスの開発を支援するものですから、その原動力ともいえる設備投資を基軸として、一定のルール・制約があります。

そのため、これに従った調整をしながら補助対象経費を組み上げる必要があるのです。

設備投資について

補助対象事業には3つの類型がありますが、いずれの類型でも単価50万円(税抜)以上の設備投資が必要とされています。設備投資は、機械装置等を取得して納品、検収等を行い、補助事業者として適切に管理を行う必要があります。

設備投資以外の経費について

「機械装置・システム構築費(海外子会社への外注費における機械装置・システム構築費にあたる経費を含む)」以外の経費は、総額で500万円(税抜)までが補助上限となっています(グローバル展開型の場合は1,000万円(税抜)まで)。

経費別の上限額

さらに、補助対象経費の総額に対する割合で上限額が定められている経費区分も多くあります。

  • 「技術導入費」≦補助対象経費総額(税抜)の3分の1
  • 「専門家経費」≦補助対象経費総額(税抜)の2分の1
  • 「外注費」≦補助対象経費総額(税抜)の2分の1
  • 「知的財産権等関連経費」≦補助対象経費総額(税抜)の3分の1
  • 「広告宣伝・販売促進費」≦補助対象経費総額(税抜)の3分の1
  • 「海外旅費」≦補助対象経費総額(税抜)の5分の1

まとめ

今回は、どのような経費がものづくり補助金の補助対象になるのか概観しました。一つひとつの補助対象経費の各区分の内容だけを見てみると、納得できるものだったのではないでしょうか?

ただ、ものづくり補助金の性質上、全類型の補助対象事業に50万円(税別)以上の設備投資を求めるなど、設備投資、すなわち「機械装置・システム構築費」への投資割合を高く確保する方向性が公募要領でも強調されています。そのため、補助対象経費の組み立てに当たって少々混乱してしまうという方も少なからずいらっしゃることでしょう。

言うまでもなく、補助対象経費の積算は、補助金を活用した事業推進において極めて重要な要素です。そこに疑問や複雑さを感じつつ正しい理解に至らないままに事業計画を策定することは、非常に困難であるどころか、ほぼ不可能なことです。

そのような場合は、信頼できる専門家のサポートを受けながら申請手続に臨むのが合理的な方法です。

当社トライズコンサルティングは、クライアント様に寄り添いながら限りなく高品質な事業計画書の策定を支援します。たとえば「ものづくり補助金」では2019・2020年度採択率97%という高い補助金採択率を誇り、採択後も補助金を受け取れるまでしっかりとサポートします。

また、代表の野竿は認定経営革新等支援機関でもあります。ものづくり補助金においては認定経営革新等支援機関との協働は形式上必須条件ではありませんが、多くのクライアント様の経営課題に向き合ってきた経験を活かし、申請に必要なサポートを提供します。

ぜひ当社をご活用いただき、新たな事業へ向けた確実な一歩を踏み出してはいかがでしょうか?

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