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【2021】事業再構築補助金は「飲食店」も受けられる?採択事例と注意点

飲食店の事業再構築補助金

話題となっている事業再構築補助金は、2021年11月現在、第1回公募、第2回公募の採択結果まで公表されており、第3回公募は結果待ちの状態ですが、今後第4回・第5回公募もおこなわれる予定です。

この記事では、事業再構築補助金が飲食店でも使えるのかという点や、事業再構築補助金を飲食店が使う場合の注意点などについてくわしく解説します。

事業再構築補助金は飲食店でも使える?

事業再構築補助金は、飲食店でも使える可能性があります。これまで飲食店を営んでいた事業者が新たな事業を展開する場合や、異分野から飲食店へ参入する場合のいずれも活用が可能です。

特に飲食店の中には、コロナ禍で大きく売り上げが減少した事業者が多いでしょう。今後も、どのような未曾有の事態が生じるのかは、誰にも断言できません。

事業再構築補助金という大きな制度があるうちに、新たな事業の柱を構築しておくと良いでしょう。

事業再構築補助金とはどのような補助金?

事業再構築補助金は、コロナ禍での売り上げ減少と事業の再構築などを要件に、国から事業再構築に必要な資金の一部を受け取ることができる補助金です。補助額については後ほどくわしく解説しますが、通常枠で従業員が20人以下の事業者であっても、要件を満たすことで最大4,000万円の補助金を受け取ることができます。

飲食店が事業再構築補助金を申請するための4つの必須要件

飲食店が事業再構築補助金を受け取るためには、次の4つの要件を満たす必要があります。

それぞれの要件を確認していきましょう。

新型コロナ禍で売上が減っていること

1つ目の要件は、新型コロナ禍で売り上げが減少したことです。具体的には、原則として次の1と2の両方の要件を満たさなければなりません。

  1. 2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナ以前の同じ3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
  2. 2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して5%以上減少していること

これらに該当しない場合であっても、他の基準からこの要件を満たすことができる場合もありますので、要件を満たしているか確認したい場合には、当社トライズコンサルティングまでご相談ください。

新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編のいずれかに取り組むこと

2つ目の要件は、事業の再構築に取り組むことです。

事業再構築補助金は、事業を再構築するための資金を補填するための補助金です。そのため、単なる事業の拡大では補助金を受け取ることができず、何らかの事業再構築を行うことが求められます。

事業再構築は、次の4つに分類できます。それぞれの内容は、次のとおりです。

新分野展開とは

新分野展開とは、主たる業種や主たる事業を変更することなく、新たな製品を製造したり新たな商品やサービスを提供したりすることで、新たな市場に進出することをいいます。たとえば、イートインのピザ店が新たにキッチンカーでピザを販売する場合などがこれに外とする可能性が高いでしょう。

業態転換とは

業種転換とは、製品や商品、サービスの製造方法や提供方法を相当程度変更することをいいます。たとえば、飲食店が新たにテイクアウト販売をはじめる場合などには、これに該当する可能性が高いでしょう。

事業・業種転換とは

事業転換とは、新たな製品を製造したり新たな商品やサービスを提供したりすることにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更することをいいます。一方、業種転換とは、新たな製品を製造したり新たな商品やサービスを提供したりすることにより、主たる業種を変更することをいいます。

たとえば、これまで居酒屋を営んでいた事業者が焼肉屋に転向する場合などには、これに該当する可能性が高いでしょう。

事業再編とは

事業再編とは、合併など会社法上の組織再編行為をしたうえで、新分野展開、事業転換、業種・業態転換のいずれかを行うことをいいます。

認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること

認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関です。税理士や税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関などが認定を受けていることが多いといえます。

事業再構築補助金を申請するにあたっては、認定経営革新等支援機関とともに事業計画を策定しなければなりません。また、補助金額補助金額が3,000万円を超える案件の場合には、銀行や信用金庫などの金融機関も参加をして策定することが求められます。

事業計画では、補助事業終了後3年から5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加の達成を見込むことが必要です。

中小企業者または中堅企業等に該当すること

事業再構築補助金を申請するためには、中小企業者または中堅企業等に該当しなければなりません。飲食店の場合には、次の要件を満たす事業者がそれぞれ該当します。

  • 中小企業者:資本金額5,000万円以下または従業員数50人以下
  • 中堅企業:資本金額10億円未満など

ただし、大企業が株式の半数以上を保有しているなど実質的に大企業と同等であるとみなされる場合には、事業再構築補助金の対象外となります。

飲食店が事業再構築補助金で受けられる補助金額や補助率

飲食店が事業再構築補助金で受け取ることができる補助金の補助率は、原則として次のとおりです。

  • 中小企業者等:3分の2(6,000万円超は2分の1)
  • 中堅企業等:2分の1(4,000万円超は3分の1)

また、補助金額は、従業員数に応じて以下のように設定されています。

従業員数補助金額
20人以下100万円~4,000万円
21人~50人100万円~6,000万円
51人以上100万円~8,000万円

なお、ここでは「通常枠」について解説していますが、「大規模賃金引上枠」や「グローバルV字回復枠」など他の枠に該当し採択された場合には、下記以上の額が補助される場合があります。詳しくは、当社トライズコンサルティングまでお問い合わせください。

飲食店が事業再構築補助金を受けるためのモデルケース

事業再構築補助金事務局から、事業再構築補助金の事業再構築に該当するであろうモデルケースが公表されています。飲食店についてのモデルケールは次のとおりです。

  • レストランを経営していたところ、コロナの影響により来客数が大幅に減少したため店舗の一部を縮小し、非対面式の注文システムを活用したテイクアウト販売を新たに開始したケース(業態転換)
  • オフィス街で弁当屋を営んでいたところ、コロナの影響によるテレワークの増加により売上が低迷したため、吸収分割をおこなって新たに病院向けの給食などの施設給食業に着手したケース(事業再編の新分野展開)

飲食店が事業再構築補助金を採択された具体的な事例

事業再構築補助金事務局では、実際にこれまでに採択された事例を公表しています。事業再構築を検討する際に、参考にすると良いでしょう。

飲食店に関する事例には、次のようなものがあります。

  • 既存の飲食店スペースを一部縮小・改装し、新たにテイクアウト専用の受け渡し窓口を路面部分に設置する事例
  • ベルギービール専門店が昼間の未利用時間帯を活用して新たに讃岐うどん店を開業する事例
  • コロナ禍で売上が減少した飲食店がキャンプ場を設立し、飲食店で提供していた商品(ハンバーガー)をキャンプ場で提供していく事例
  • 既存のレストラン・カフェを改修・縮小したうえでオープンスペースによるワークスペースを設置し、地域のリモートワーカーを対象とした定額制サービスのカフェへの業態転換をはかる事例
  • 居酒屋を焼肉店に事業転換し、個室と非接触オーダーシステムと地域食材を強みに売上と利益の改善を図る事例
  • 飲食店の席を減らしたうえで新たにジビエ加工場を設置し、ジビエ肉を全国に販売する事例
  • 日本料理店が天ぷらの店頭販売を始める事例
  • 蕎麦店がトラックを購入して蕎麦に特化したキッチンカーへと改造し、蕎麦の移動販売をおこなう事例
  • 飲食店が新たにワインの製造と小売事業をはじめる事例
  • 飲食業がオフピーク集客・地域密着集客を促進できるようなオリジナルアプリを開発する事例

飲食店が事業再構築補助金で補助を受けられる対象経費

事業再構築補助金は、事業再構築に要する費用だからといって、すべてが補助対象となるわけではありません。たとえば、いくら新規事業を始めるためであったとしても、土地を購入した代金などは補助の対象外です。

飲食店が事業再構築補助金を受ける際、対象となる経費には次のようなものがあります。

より具体的に知りたい場合には、当社トライズコンサルティングまでお問い合わせください。

建物費

建物費とは補助事業のために使用される事務所や生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫など事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設や改修に要する費用です。

たとえば、飲食店が新たにテイクアウト販売を始めるために飲食店として使っていた店舗建物を改装するための費用などがこれに該当します。

専門家経費

専門家経費とは、事業の遂行のために依頼した専門家に支払われる費用です。たとえば、新たにはじめる事業についてコンサルタントに助言を求めた際にかかる費用などがこれに該当します。

ただし、補助金の申請にあたって認定経営革新等支援機関等に支払った費用や、事業計画の作成を支援した外部支援者に対する経費は、専門家経費の補助対象外です。

クラウドサービス利用費

クラウドサービス利用費とは、補助事業のために利用するクラウドサービスやWebプラットフォームなどの利用にかかる費用です。

広告宣伝・販売促進費

広告宣伝や販売促進費も補助対象の経費となります。飲食店が新たな事業をはじめる際には広告費がかさむことも多いかと思いますので、ぜひ活用したい経費項目の一つです。

飲食店が事業再構築補助金の活用を検討する際の注意点

飲食店が事業再構築補助金の活用を検討する際には、次の5つの点に注意しましょう。

必ずしも採択されるとは限らない

事業再構築補助金は、申請をしたからといって必ずしも受給できるものではありません。要件を満たして申請をした事業の中からふるいにかけられ、採択した事業のみが受給の権利を得られます。

具体的な件数で見ると、第2回公募の応募件数は20,800件であり、このうち申請要件を満たしたものは18,333件、このうち採択されたのは9,336件でした。つまり、採択された事業は応募件数全体の44.9%、要件を満たしたものの中でも50.9%だったということです。事業再構築補助金は、補助金の中でも比較的競争率が高いものと言えるでしょう。

なお、飲食業は宿泊業と合わせて結果が集計されているため飲食業のみの数字は公表されていませんが、宿泊業と飲食サービス業が占める割合は応募件数のうち19.6%、採択件数のうちでは23.8%とされています。いずれにしても、応募したからといって必ずしも採択されるわけではないことを覚えておいてください。

採択後も報告などが必要となる

事業再構築補助金は、採択されたからといって必ず補助金がもらえるわけではありません。申請した事業を採択後に実施し、実施した結果の検査を経て初めて補助金を受け取ることができます。

そのため、いくら見栄えのみを整えた事業計画で採択を受けたとしても、事業の実施や適切な報告ができなければ、補助金を手にすることはできません。報告にもさまざまな書類が必要となり手間がかかりますので、この点も踏まえて申請するようにしましょう。

風俗営業は原則として対象外

たとえばキャバレーなども、広く見れば飲食店の一つです。しかし、風俗営業店で事業再構築補助金を受けることは難しいことには注意してください。

対象外となっている風俗営業として募集要項で明記されているのは、性風俗関連特殊営業(いわゆるソープランドやデリバリーヘルスなど)のみです。そのため、キャバレーなどの接待飲食等営業は、必ずしも公募要件を満たしていないとは言い切れません。

とはいえ、接待飲食等営業を新たに始めるなどの場合にはかなり厳しく見られる可能性が高く、採択の可能性は高くないといえるでしょう。

単なる新店舗の出店は対象外

先ほどもお伝えしたように、事業再構築補助金は何らかの事業再構築をすることが要件となります。そのため、たとえば居酒屋が新たに2号店となる居酒屋を出店するような単なる新店舗の出店は、原則として採択されません。

ただし、従来自社のみで営んでいた店舗を新たにフランチャイズ化するような場合には、対象となる可能性があります。

補助金は後払い

事業再構築補助金は、原則として後払いです。つまり、採択されたとしても、その事業はいったん融資など他の方法でまかなって実施しなければなりません。事業の実施後に実施内容を所定の様式にて報告し、検査の結果問題がないと判断されて、初めて補助金の交付が受けられます。

採択をされたからといってすぐにお金がもらえるわけではありませんので、誤解のないよう注意してください。

まとめ

事業再構築補助金は、飲食店でも活用することが可能です。コロナ禍で売り上げが大きく減少してしまった飲食店は多いため、ぜひ事業再構築を検討するきっかけとすると良いでしょう。

とはいえ、事業再構築補助金の申請には必要書類も多く、要件の判定も複雑です。これを自社のみで行うことは、容易ではありません。

事業再構築補助金を申請でお困りの飲食店様は、当社トライズコンサルティングまでお気軽にお問い合わせください。

代表の野竿は「認定経営革新等支援機関」であり、2019年度・2020年度のものづくり補助金の採択率97.0%の実績があります。事業再構築補助金についても審査基準を熟知しております。

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