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【2022】小規模事業者持続化補助金の申請方法は?6つの申請枠と採択されるポイント

小規模事業者持続化補助金の申請

中小企業の経営者であれば、「小規模事業者持続化補助金」ということばを耳にされたり、補助金を支給されたりした身近な経営者仲間がいらっしゃるかもしれません。国から返済が不要な補助金が支給されるとあって、興味はあるものの、申請が難しそうで手を出せずにいる方も多いと思います。

今回は、小規模事業者持続化補助金の申請方法について詳しく解説します。2022年の募集から新たに創設された特別枠や採択されるためのポイントも解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、「小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取り組みの経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的」とした国の補助金です。

小規模事業者等の補助金の登竜門的制度として2014年から開始され、毎年募集されています。相談先が各地の商工会議所・商工会と定められていることも特徴の一つです。

申請の対象者

制度の名称のとおり、日本国内に所在する小規模事業者であることが申請の要件となっています。法人か個人事業主かは問われておらず、個人事業主や所謂フリーランスの場合、税務署に開業届を提出している必要があります。小規模事業者か否かは、業種や従業員の数によって次のとおり判断されています。

  • 宿泊業・娯楽業を除く商業・サービス業においては5名以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業においては20名以下
  • 製造業その他の業種で20名以下

法人の場合、株式会社以外でも、特例有限会社や合名会社・合資会社・合同会社の持分会社、一定の要件を満たした特定非営利活動法人も申請の対象となっています。また、資本金等が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないことや直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないことという要件もあります。

対象となる取り組み・経費

補助対象となる事業は、次のいずれの要件も満たすものである必要があります。

  1. 策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等のための取り組みであること。あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取り組みであること。
  2. 商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること。
  3. 以下に該当する事業を行うものではないこと。
    1.  同一内容の事業について、国が助成(国以外の機関が、国から受けた補助金等により実施する場合を含む)する他の制度(補助金、委託費等)と重複する事業
    1. 本事業の終了後、概ね1年以内に売り上げにつながることが見込まれない事業
    1. 事業内容が射幸心をそそるおそれがあること、または公の秩序もしくは善良の風俗を害することとなる
  4.  共同申請の場合には、連携する全ての小規模事業者等が関与する事業であること

具体的には、1.に掲げられている「地道な販路開拓等のための取り組み」にあたる販促用のチラシの作成やECサイトの構築などが該当します。従業員の作業導線の確保のための店舗改装や労務管理システムのソフトウェアの購入などの業務効率化(生産性向上)のための取り組みは、販路開拓等の取り組みと併せて行う場合のみ補助対象となります。

補助率・補助上限

毎年募集されているものは、補助率が2/3、補助上限額が50万円とされていますが、過去には豪雨災害や新型コロナ対策などで上乗せもありました。2022年3月29日に募集開始されている内容は次のとおりです。

補助率補助上限額
通常枠2/350万円
賃金引上げ枠2/3(赤字事業者については3/4)200万円
卒業枠2/3200万円
後継者支援枠2/3200万円
創業枠2/3200万円
インボイス枠2/3100万円

いずれの枠も補助率は2/3となっていますが、「賃金引上げ枠」のうち、赤字事業者については3/4に拡充されます。また、賃上げやインボイス制度など今後数年にわたり事業者が相次いで直面する制度変更に対応するため、「特別枠」の補助上限額が大幅に引き上げられました。

申請に必要な書類

小規模事業者持続化補助金の申請に必要となる申請書類は次のとおりです。

  1. 小規模事業者持続化補助金に係る申請書
  2. 経営計画書
  3. 補助事業計画書
  4. 事業支援計画書
  5. 補助金交付申請書
  6. 宣誓・同意書

このうち、採否の結果に最も影響を与える書類が「経営計画書」と「補助事業計画書」です。同時にこの2つが申請者を最も悩ませる書類でもあります。

それ以外の書類は、企業の名称や住所など書く内容が明確であったり、商工会議所・商工会が作成する書類であったりするため、ほとんど手間を要しません。

小規模事業者持続化補助金の申請の流れ

続いて、申請の一般的な流れについて説明します。

以前は紙に出力した申請書等に押印し郵送していましたが、ITやスマホの普及、コロナ禍等の影響もあり、現在はインターネットでの申請になっています。そうした手続きの変更によって、便利になった側面もあれば、以前には無かった手間も発生しています。

まずは、大まかな流れを捉えましょう。

gBizIDプライムアカウントの取得

まず、電子申請を行うために「gBizIDプライムアカウント」の取得が必要になります。「gBizID」とは、複数の行政サービスにアクセスする共通の認証システムのことで、小規模事業者持続化補助金以外にも、ものづくり補助金やIT導入補助金などの申請や社会保険料の手続き、飲食店の営業許可申請などを行うことができます。

「gBizIDプライムアカウント」の取得は無料となっており、手順は次のとおりです。

  • 作成サイトにアクセスし、申請書作成フォームに必要事項を入力する
  • 申請書を出力して実印を押印し、印鑑証明を添付して事務局に郵送する
  • 事務局で書類審査が行われる
  • 事務局より送付されたメールに記載のURLから登録する

申請には、スマートフォンまたは携帯電話の電話番号と印鑑証明・登録印が必要になります。事務局の書類審査は原則、2週間程度を要するため、お早めにお申し込みください。

経営計画書・補助事業計画書の作成

続いて、前述した「経営計画書」と「補助事業計画書」を作成していきます。重要なものは次の4点です。

  1. 「審査の観点」を押さえる
  2. 計画に一貫性を持たせる
  3. できるだけ数値で表現する
  4. 写真や図表を盛り込む

まず、要綱に記載されている「審査の観点」には、審査員が計画書のどういった点を重視して審査しているのかが明記されています。そのため、よく内容を理解し、抜けが無いよう意識して計画に盛り込んでいきましょう。

また、自社の分析から市場や顧客の動向、最終的な経営方針まで読み手がスムーズに理解できるよう、一貫性を持った計画である必要があります。市場規模やシェア率など事業の実行可能性を左右する情報は可能な限り数値で示し、文章で伝わりづらいことは写真や図表で表現した方が効果的です。

商工会議所・商工会へ相談

小規模事業者持続化補助金の相談先は、各地の商工会議所・商工会となっています。申請を検討していたり、自分なりに計画書を作成したりしたら、早い段階で相談に行ってみましょう。

商工会議所・商工会では、会員・非会員を問わず相談に対応しなくてはならないとなっていますので、申請の要件や計画書の書き方などアドバイスをもらうことができます。「補助金交付申請書」の発行も商工会議所・商工会の仕事となっていますので、忘れずに発行の依頼もしましょう。

電子申請システムから申請

必要な書類がすべて揃ったら、いよいよ申請です。申請には「Jグランツ」というシステムを使用します。

取得した「gBizIDプライムアカウント」でログインし、補助金サイトに公表されている「申請におけるJグランツ2.0入力手引」の手順に沿って申請作業を行います。なお、共同申請の場合は、電子申請を利用することができません。

締切日直前は、駆け込みでの申請によりシステムが混雑する場合もありますので、できるだけ余裕をもって申請登録を行なってください。最後に「Jグランツ」のマイページ上で、「申請状況」のステータスが「申請済み」となっていれば申請が完了している状態です。

小規模事業者持続化補助金の6つの申請枠

ここからは、2022年3月29日に募集の開始されている小規模事業者持続化補助金の内容について解説していきます。長引くコロナ禍などの事業環境の変化や働き方改革、賃上げ、インボイス制度の導入など小規模事業者が今後数年にわたって直面する制度変更等に対応するため、「通常枠」に加え、新たに特別枠が5つ創設され、支援の内容も大幅に拡充されています。

なお、共同申請の場合は、「特別枠」への申請をできず、「通常枠」への申請のみとなっている点には注意してください。

通常枠

補助率2/3、補助上限額50万円です。過去に募集されてきた「一般型」と同じ内容になります。

賃金引上げ枠

2021年10月に最低賃金の引き上げが行われましたが、これに加えてさらなる賃上げを行い、従業員に企業の成長の果実を還元する意欲的な小規模事業者に対しては、補助上限額が200万円に引き上げられます。

また、赤字事業者の場合は、補助率が3/4に拡充されるとともに、政策加点により優先採択されます。申請要件は次のとおりです。

  • 事業終了時点において、事業場内最低賃金が地域内別最低賃金より+30円以上であること

なお、申請時点ですでに要件を達成している状態であれば、現在支給している事業場内最低賃金より+30円とする必要があります。続いて、申請時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 「経営計画書」の「賃金引上げ枠」欄にチェック
  • 補助事業計画2(様式3)の「Ⅱ.経費明細表」の「賃金引上げ枠」欄にチェック
  • 労働基準法に基づく、直近1ヶ月分の賃金台帳の写しを提出
  • 「賃金引上げ枠の申請に係る誓約書」(様式7)に記入の上、原本を提出

実績報告時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 実績報告書提出時点における直近1か月分の、労働基準法に基づく賃 金台帳の写しを提出

要件を満たせない場合は、交付決定後であっても補助金の交付は行われません。なお、赤字事業者での申請の場合は、追加での要件・手続きが必要になりますので、要領をご確認ください。

卒業枠

補助事業実施期間中に常時使用する従業員を増やし、小規模事業者として定義する従業員の枠を超え、さらなる事業規模拡大に意欲的な小規模事業者に対しては、補助上限額が200万円に引き上げられます。申請要件は次のとおりです。

  • 補助事業の終了時点において、常時使用する従業員の数が小規模事業者とし て定義する従業員数を超えていること

常時使用する従業員の考え方は、別紙「参考資料」をご確認ください。続いて、申請時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 「経営計画書」(様式2)の「卒業枠」欄にチェック
  • 補助事業計画2(様式3)の「Ⅱ.経費明細表」の「卒業枠」欄にチェック
  • 直近1か月間における、労働基準法に基づく労働者名簿(常時使用する従業員分のみ)を提出
  • 「卒業枠の申請に係る誓約書」(様式8)に記入の上、原本を提出

実績報告時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 実績報告書提出時点における直近1ヶ月間の、労働基準法に基づく労働者名簿(常時使用する従業員分のみ)を提出

要件を満たせない場合は、交付決定後であっても補助金の交付は行われません。

後継者育成枠

将来的に事業承継を行う予定があり、新たな取組みを行う後継者候補として、過去に「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者に対して、補助上限額が200万円に引き上げられます。

  • 申請時において、「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者であること

続いて、申請時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 「経営計画書」(様式2)の「後継者支援枠」欄にチェックし、ファイナリストに選出 された年度を記入
  • 補助事業計画2(様式3)の「Ⅱ.経費明細表」の「後継者支援枠」欄にチェック

「アトツギ甲子園」は、全国各地の中小企業の後継者・後継者候補が新規事業のアイデアを競うピッチイベントであり、直近では2022年3月12日に第2回大会の決勝が行われています。

創業枠

創業した事業者を重点的に政策支援するため、次の要件をいずれも満たす事業者に対して、補助上限額が200万円に引き上げられます。

  • 産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受けていること
  • 過去3か年の間に開業した事業者であること

なお、法人の場合は代表者が、個人事業主の場合は本人が直接支援を受けている必要があります。申請時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 「経営計画書」(様式2)の「創業枠」欄にチェック
  • 補助事業計画2(様式3)の「Ⅱ.経費明細表」の「創業枠」欄にチェック
  • 産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携 した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けたことの証明書の写しを申請書に添付して提出

この他、法人の場合は現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(原本)を、個人事業主の場合は開業届(税務署受付印のあるもの)の写しを申請書に添付して提出する必要があります。

インボイス枠

2023年10月のインボイス制度の導入により、免税事業者から適格請求書発行事業者へ転換する事業者に対して、補助上限額が100万円に引き上げられます。

  • 2021年9月30日から 2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった、または免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録が確認できた事業者であること

続いて、申請時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 「経営計画書」(様式2)の「インボイス枠」欄にチェック
  • 補助事業計画2(様式3)の「Ⅱ.経費明細表」の「インボイス枠」欄にチェック
  • 「インボイス枠の申請に係る宣誓・同意書」(様式9)に記入の上、原本を提出

様式9は、法人用・個人事業主用いずれかを使用します。 実績報告時に必要な手続きは次のとおりです。

  • 適格請求書発行事業者の登録通知書の写しを提出

要件を満たせない場合は、交付決定後であっても、補助金の交付は行われません。適格請求書発行事業者の登録については、国税庁のサイトを参照ください。

小規模事業者持続化補助金の申請のポイント

最後に、小規模事業者持続化補助金申請のポイントとして、「審査の観点」における「Ⅱ.書面審査」を掘り下げていきます。「経営計画書」と「補助事業計画書」においては、これらの項目に基づき加点審査を行い、総合的な評価が高いものから順で採択されます。

自社の経営状況の分析の妥当性

自社を取り巻く経営環境、自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握できているかという点が審査されます。強みに関しては、自社内での評価だけではなく、業界平均や競合他社と比較して、競争優位の源泉となるような「コア・コンピタンス」となるようなものを探しましょう。

経営方針・目標と今後のプランの適切性

自社の強みや狙うマーケットおよびターゲットの特性を踏まえた適切な方針・プランとなっているかが審査されます。事前に分析した経営環境に適合し、自社の強みを活かせる分野であることが求められています。

補助事業計画の有効性

特に、補助事業計画が実現可能性であることを求められます。小規模事業者ならではの創意工夫により、有効な補助事業による地道な販路開拓に取組むことで、経営計画の今後の方針・目標を達成できることをエビデンスに基づいて示してください。

積算の透明・適切性

事業費の計上については、計画に基づき必要なもののみとし、可能であれば見積りも取って、正確な数値を記載します。

まとめ

小規模事業者持続化補助金の申請方法について解説しました。

相談先も明確に定められており、比較的申請の易しい補助金です。「特別枠」が手厚く拡充もされ、今がチャンスです。ぜひ今回お伝えした内容を参考に、申請にチャレンジしてください。

当社トライズコンサルティングでも、小規模事業者持続化補助金の申請サポートを行っております。数多くの補助金申請実績のあるプロが、貴社を申請から受給までサポートいたします。ご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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