2025年度に省エネ補助金の公募が開始される予定であり、少しずつ情報が出されています。
では、省エネ補助金とはどのような補助金なのでしょうか?また、省エネ補助金の申請代行や申請サポートを専門家に依頼することには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
今回は、省エネ補助金について2024年11月時点でわかっている情報を紹介するとともに、省エネ補助金の申請代行や申請サポートについてくわしく解説します。
補助金とは
補助金とは、国や地方公共団体などからまとまった資金を受け取れる制度です。
融資とは異なり、原則として返済は不要であり、効率的に事業資金として活用できます。補助金をうまく活用することで思い切った事業投資が可能となり、事業の成長スピードを速めることが可能となるでしょう。
しかし、補助金は申請をしたからといって必ず受け取れるものではありません。補助金を受け取るには、期限内に申請したうえで、他の多数の申請の中から選ばれる(「採択される」といいます)ことが必要です。
また、補助金は恒久的な制度ではなく、政策によって新たに設けられたり廃止されたりし得るものです。そのため、自社で活用できそうな補助金を見つけたら、申請の機会を逃さないよう早期に準備に取り掛かるべきでしょう。
省エネ補助金とは
省エネ補助金の正式名称は「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」であり、経済産業省の資源エネルギー庁が管轄する補助金です。
省エネ補助金の目的は、事業者の省エネ設備への更新を促進することです。この目的を達成するため、次の設備の導入を支援します。
- 機械設計が伴う設備
- 事業者の使用目的や用途に合わせて設計・製造する設備
- 先進型設備
また、次の取り組みを支援する区分も設けられています。
- 化石燃料から電気・より低炭素な燃料への転換など、電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う設備等の導入
- 汎用的な設備(ユーティリティ設備・生産設備)の導入
省エネ補助金には、次の3つの区分があります。
- 工場・事業場型
- 電化・脱炭素燃転型
- 設備単位型
それぞれの概要については、次で改めて解説します。
省エネ補助金の「工場・事業場型」の概要
「工場・事業場型」とは、生産ラインの入れ替えや集約など、工場・事業場全体で大幅な省エネ化を図るものを補助する類型です。
省エネ効果の要件
工場・事業場型の要件は、原則として次のとおりです。
- 省エネ率+非化石割合増加率:10%以上
- 省エネ量+非化石使用量:700kl以上
- エネルギー消費原単位改善率:7%以上
補助対象経費
工場・事業場型では、次の経費が補助対象となります。
- 設備費
- 設計費
- 工事費
補助率と補助限度額
工場・事業場型の補助率は、それぞれ次のとおりです。
- 中小企業等:原則として1/2以内(一定の要件を満たす場合は2/3以内)
- 大企業等:原則として1/3以内(一定の要件を満たす場合は1/2以内)
また、補助上限額は1年度あたり15億円(非化石転換は20億円)です。
ただし、1年度あたり100万円という下限も設けられています。
なお、複数年度事業の上限額は原則として20億円(非化石転換は30億円)ですが、一定の要件を満たした場合にはさらに上乗せされます。
省エネ補助金の「電化・脱炭素燃転型」の概要
「電化・脱炭素燃転型」とは、主に中小企業の活用を念頭に、脱炭素につながる電化や燃料転換を伴う設備更新を補助する類型です。
省エネ効果の要件
電化・脱炭素燃転型の要件は、電化・脱炭素を目的とした燃料転換を伴うことです。なお、ヒートポンプで対応できる低温域は、電化のみとされています。
補助対象経費
電化・脱炭素燃転型の補助対象となる経費は、設備費のみです。ただし、電化の場合には、付帯設備も対象となります。
補助率と補助限度額
電化・脱炭素燃転型の補助率は、1/2以内です。また、補助上限額は原則として3億円、補助の下限額は30万円に設定されています。ただし、電化の場合には補助上限額が5億円に引き上げられます。
省エネ補助金の「設備単位型」の概要
「設備単位型」とは、より中小企業にとって活用しやすいよう、リストから選択する機器への更新を補助する類型です。
省エネ効果の要件
設備単位型の要件は、あらかじめ定められたエネルギー消費効率などの基準を満たす設備を導入することです。要件がシンプルであり、中小企業であっても使いやすい類型といえます。
補助対象経費
設備単位型の補助対象経費は、設備費です。ただし、導入する設備はリストから選択する必要があります。
補助率と補助限度額
設備単位型の補助率は、1/3以内です。また、補助上限額は1億円、補助下限額は30万円に設定されています。
省エネ補助金の申請スケジュール
省エネ補助金について、2024年11月現在において具体的なスケジュールは公表されていません。2024年12月頃により詳細な情報が公表され、その後2025年度に公募が開始される予定です。
申請をご希望の事業者様は、今後の情報に注意しつつ、申請代行を依頼する専門家へあらかじめコンタクトをとっておくとよいでしょう。
省エネ補助金で専門家に申請代行を依頼するメリット
省エネ補助金の申請にあたって、専門家に申請代行を依頼するメリットはどのような点にあるのでしょうか?ここでは、申請代行を依頼する主なメリットを5つ解説します。
- 手間や時間を大きく削減できる
- 要件を満たさず手間だけがかかる事態を避けられる
- 自社が「今何をすべきか」が明確になる
- 自社の状況を客観視しやすくなる
- 「つなぎ融資」についてもアドバイスを受けられる
手間や時間を大きく削減できる
1つ目は、手間や時間を大きく削減できることです。
省エネ補助金を自力で申請しようとすると、膨大な時間と労力を要します。申請スケジュールや要件の確認、申請内容の検討など、申請書類のほかにもさまざまなステップが必要となるためです。
専門家に省エネ補助金の申請代行を依頼した場合は、自社でかける手間や時間を最小限に抑えることが可能となります。その結果、リソースを圧迫することなく本業に注力しやすくなるでしょう。
要件を満たさず手間だけがかかる事態を避けられる
2つ目は、要件を満たしていないことに気付かず、申請の手間だけがかかる事態を避けられることです。
省エネ補助金の申請要件を満たしていない場合、せっかく苦労をして申請しても、採択されることはありません。しかし、自力で申請した場合、要件を満たしていないことに気付かないまま申請してしまうこともあるでしょう。
専門家に申請代行を依頼した場合は、あらかじめ要件を厳格に確認するため、このような事態を避けやすくなります。
自社が「今何をすべきか」が明確になる
3つ目は、自社が「今何をすべきか」が明確になることです。
補助金の申請には行うべきステップが多く、はじめて補助金を申請しようとする場合、自社が何をすべきか分からず戸惑ってしまうことが多いでしょう。また、本業が忙しくなると補助金のことまで手が回らず、申請の機会を逃す事態ともなりかねません。
専門家に省エネ補助金の申請代行を依頼した場合には、専門家が適宜やるべきことを教えてくれるため、事業者様に必要なアクションが明確となります。また、専門家がスケジュール管理をしてくれるため、公募期限をうっかり過ぎてしまう事態も避けやすくなるでしょう。
自社の状況を客観視しやすくなる
4つ目は、自社の状況を客観視しやすくなることです。
省エネ補助金など補助金の申請をする際は、その補助金を使って何をするかという「事業計画」を出さなければなりません。専門家に申請代行を依頼してこの事業計画を練り込むコンサルティングを受けることで自社の状況をより客観視しやすくなり、より精度の高い事業計画を策定しやすくなります。
「つなぎ融資」についてもアドバイスを受けられる
5つ目は、「つなぎ融資」についてもアドバイスを受けられる可能性が高いことです。つなぎ融資とは、補助金を受け取るまでの間、一時的に金融機関からの融資で事業投資に必要な資金をまかなうことです。
多くの補助金は、採択と同時に受け取れるものではありません。採択後、補助事業(対象経費の支出など)を先に実施したうえで交付されるものです。
対象経費を支出するタイミングではまだ補助金は受け取れておらず、経費の支払いに必要な資金を何らかの形で調達する必要が生じます。そのため、補助金を申請する際は、金融機関からのつなぎ融資を併用することが一般的です。
補助金の申請代行を担う専門家は、融資制度についてもくわしいことが少なくありません。そのため、つなぎ融資についてもアドバイスを受けられることが多いでしょう。
省エネ補助金で専門家に申請代行を依頼するデメリット・注意点
省エネ補助金で専門家に申請代行を依頼することには、デメリットもあります。ここでは、主なデメリットを2つ紹介します。
- 費用がかかる
- 信頼できる専門家の選定が必要である
費用がかかる
専門家に省エネ補助金の申請代行を依頼した場合、専門家報酬がかかります。専門家報酬は依頼時に支払う「着手金」と、採択時に支払う「成功報酬」の2本立てであることが一般的です。
着手金は結果を問わず必要となる報酬であり、成功報酬は採択時に追加で発生します。ただし、省エネ補助金の申請代行では着手金がなく、完全成功報酬型をとっているケースもあります。
報酬額は専門家によって異なるため、複数の専門家を比較して検討するとよいでしょう。
信頼できる専門家の選定が必要である
補助金の申請代行を行う専門家は、残念なことに玉石混交です。そのため、信頼できる専門家を慎重に選ぶ必要があります。
悪質な業者に依頼してしまうと、コピペなどで作成した粗悪な申請書の作成で高額な報酬を請求されるかもしれません。また、成功報酬欲しさに虚偽申請をそそのかす業者も存在するようです。
しかし、補助金の虚偽申請は重大な犯罪であるため、絶対に行ってはなりません。たとえ業者にそそのかされたのだとしても、虚偽申請が発覚した際にその業者が守ってくれることはないでしょう。
信頼できる専門家をしっかりと選定したうえで、虚偽申請の誘いには応じないという強い意思が必要です。
省エネ補助金の申請代行を依頼する専門家を選ぶポイント
省エネ補助金の申請代行を依頼する専門家は、どのような視点で選べばよいのでしょうか?ここでは、専門家を選ぶ主なポイントを解説します。
- 保有資格
- 補助金のサポート実績や知識
- 料金
- 打ち合わせの利便性
保有資格
1つ目に参考となるのは、保有資格です。
省エネ補助金など補助金の申請代行を担う専門家は、さまざまです。一般的に、それぞれ次のような特徴を有しています。
- 中小企業診断士:経営コンサルティングを専門とする国家資格。補助金の採択・不採択の分かれ目となる事業計画の策定を特に得意としている。多くの中小企業診断士が補助金の申請サポートを行っている。
- 行政書士:官公署に提出する書類作成や権利義務関係の書類作成を専門とする国家資格。要件や様式に沿った書類作成を得意としている。業務範囲が非常に広く、補助金特化型の事務所がある一方で、補助金関連業務を一切行わない事務所もめずらしくない。
- 税理士:税を専門とする国家資格。中小企業にとってもっとも身近な専門家であるが、必ずしも補助金にくわしいとは限らない。顧問先に限定して補助金申請サポートをしているケースもある。
「どの資格者がよくて、どの資格者がよい」ということではないものの、それぞれ特徴を理解しておくと専門家の選定に役立つでしょう。
また、国家資格を有しないコンサルタントや資格者のいないコンサルティング会社が補助金の申請代行を行っている場合もあります。この場合には国の後ろ盾はないため、専門家の力量や信頼できる専門家であることをしっかりと見極めなければなりません。非常に優秀なコンサルタントが存在する一方で、依頼先を誤ると粗悪な申請書を作成され、採択が遠のいたり虚偽申請に巻き込まれたりするおそれもあるためです。
補助金のサポート実績や知識
2つ目は、補助金のサポート実績は補助金に関する知識です。補助金の申請代行先を選ぶにあたっては、この実績や知識が非常に重要となります。
依頼する専門家の選定で迷っている際は、その専門家に実績を確認するとよいでしょう。ホームページなどで確認できる場合もあるほか、専門家に直接尋ねてみることも一つの方法です。
自信のある専門家は、守秘義務に反しない程度でサポート実績を明確に回答してくれるはずです。一方、回答を濁したり実績を聞かれて怒ったりする専門家は、自信を持って答えられるだけの実績がないのかもしれません。
料金
3つ目は、専門家報酬です。先ほど解説したように、省エネ補助金の申請代行報酬は専門家によって異なります。そのため、料金も専門家選定の一つの基準となるでしょう。
まず、料金が高すぎる専門家を避けるべきであるのは当然のことです。専門家報酬が高すぎると、せっかく受け取った補助金を本来の用途に使用できなくなるためです。
一方で、報酬が安ければ安いほどよいというものでもありません。補助金の申請代行を行うには専門家であっても1件1件の申請サポートには相当な時間と手間がかかり、多くの依頼を受けたからといって気軽に安価で引き受けられるようなものではないためです。
相場と比較してあまりにも費用が安い場合には、申請代行のサポートに専門家が自信を持っていなかったり、コピペなどで「効率的に」書類を仕上げられたりしているのかもしれません。
打ち合わせの利便性
4つ目は、打ち合わせの利便性です。
専門家の事務所が遠方であり打ち合わせの都度専門家のもとまで出向かなければならない場合、事業者様の負担が大きくなりやすいでしょう。そのため、距離的に近い専門家を選ぶことも一つの手です。
また、最近ではオンラインツールも発達しており、直接会うことなくZoomなどで打ち合わせを進めるケースも少なくありません。この場合、忙しい事業者様であっても場所を移動せずに相談できます。
専門家がオンラインツールでの相談に対応しているのであれば、地域を問わず信頼できそうな専門家を全国から選ぶことが可能です。
省エネ補助金の申請代行はトライズコンサルティングへお任せください
省エネ補助金の申請代行や申請サポートは、当社トライズコンサルティングへお任せください。最後に、トライズコンサルティングの主な特長を紹介します。
- 代表は中小企業診断士である
- 補助金のサポート実績が豊富である
- 中小企業の課題解決を得意としている
- オンライン面談を活用し全国対応が可能である
代表は中小企業診断士である
トライズコンサルティングの代表である野竿は、中小企業診断士の資格を有しています。中小企業診断士は経営コンサルタント唯一の国家資格であり、確かな知識のもと補助金の申請サポートが可能です。
また、代表の野竿は認定経営革新等支援機関(認定支援機関)としても登録されており、この点からも安心してご依頼いただけます。認定支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関です。
補助金のサポート実績が豊富である
トライズコンサルティングでは補助金の申請代行や申請サポートに力を入れており、サポートした多くの案件で採択を勝ち取ってきた実績があります。これは、経験豊富なコンサルタントが直接サポートにあたることに加え、日ごろから補助金に関する情報に注意を払い最新情報や最新動向を仕入れている成果によるものと自負しています。
中小企業の課題解決を得意としている
トライズコンサルティングでは、中小企業の課題解決に特に強みを有しています。そのため、省エネ補助金の申請代行などのほか、資金繰りの「見える化」支援や融資のアドバイスなど、中小企業の経営やお金にまつわる幅広いサポートが可能です。
オンライン面談を活用し全国対応が可能である
トライズコンサルティングでは、Zoomなどのツールを活用し、オンラインでの相談や打ち合わせを可能としています。そのため、打ち合わせの際に移動時間をかけていただく必要はありません。
また、出張先などからの打ち合わせも可能であるほか、近隣の事業者様のみならず全国どこからでもご相談・ご依頼いただけます。
まとめ
省エネ補助金の概要を紹介するとともに、省エネ補助金の申請代行・申請サポートを活用するメリットや注意点、専門家を選ぶポイントなどを紹介しました。
省エネ補助金(省エネルギー投資促進に向けた支援補助金)とは、事業者の省エネ設備への更新を促進するために設けられている補助金です。2024年11月現在において公募はまだ始まっていないため、申請をご希望の事業者様は今後の情報にご注意ください。また、早めに準備に取り掛かれるよう、申請代行の依頼を予定している専門家にあらかじめコンタクトを取っておくとよいでしょう。
当社トライズコンサルティングでは補助金の申請代行や申請サポートに力を入れており、省エネ補助金に関するサポートも可能です。省エネ補助金について申請代行を依頼する専門家をお探しの際や、自社が申請要件を満たしているか確認したい際などには、トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。
省エネ補助金の活用に関する初回のご相談は、無料でお受けしています。また、Zoomなどのオンラインツールを活用しているため、全国どこからでもご相談やご依頼いただくことが可能です。