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【2022】事業再構築補助金の第5回までの採択結果は?第6回以降の変更点や再申請のポイント

事業再構築補助金の採択結果

2022年6月30日(木)をもって、「事業再構築補助金」の第6回公募が締め切られました。新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けた中小企業等の思い切った事業転換・再構築を支援するため、2021年度から募集開始された当制度も2022年度の公募回数はあと数回となっています。

2023年度の事業継続については未定であり、まだ採択されていない中小企業様は残りのチャンスを生かしていく必要があります。

今回は、現在公表されている「事業再構築補助金」の第1回から第5回公募までの採択結果をもとに、その推移や傾向を分析していきます。また、第6回公募以降、大幅に変更された公募要領や不採択後の再申請で取り組むべきポイントについても解説します。

事業再構築補助金の採択結果・採択率

事業再構築補助金の毎回の応募数は約2万件前後となっており、おおよそ3/4が「通常枠」への応募です。採択率は第1回公募こそ36%でしたが、以降は45%前後と半分弱が採択となっています。

第1回公募については、補助金が公表されてから公募開始となるまでの期間が長く、多くの事業者が申請準備をしていたため、約2.2万件と他公募回と比較して応募件数が多くなりました。反面、制度初期段階における必要書類の添付忘れなど不備等も多くあり、採択率が低くなったと考えられます。これについては、事務局サイドより再三の注意喚起があり、第4回公募の採択結果報告から項目が削除されたことからも、かなり改善されたと推察されます。

申請類型別の採択率では、「通常枠」が最も低い傾向にあり、第1回公募では30.1%となり、第4回・第5回公募でも40%ほどとなっています。一方、「通常枠」以外の「緊急事態宣言枠」や第3回公募から新設された「最低賃金枠」は60〜80%と高い採択率となっています。

残念ながら、「緊急事態宣言枠」は第6回公募より廃止となっていますが、同時に新たな申請類型も創設されていますので、要件に当てはまるのであればチャレンジする価値があるといえます。

業種別の応募と採択割合

業種別の応募と採択割合

第5回公募の業種別の応募と採択割合

第1回公募より、「製造業」「宿泊業・飲食サービス業」「卸売・小売業」の3業種で全体の約60%を占める傾向が続いています。

「製造業」に関しては、従前より「ものづくり補助金」など補助金の利用に伴う事業計画の策定や設備投資に慣れており、「宿泊業・飲食サービス業」「卸売・小売業」に関しては、コロナ禍による「不要不急の外出」抑制、「新しい生活様式」の浸透によるeコマースの発達など影響を受けやすい業種であり、比較的、申請のしやすい業種であったことが要因と考えられます。

その他の業種では、「建設業」の割合が第1回公募から徐々に増加しており、第5回公募では応募件数・採択件数いずれも10%超まで増加しているということが特徴として挙げられます。

都道府県別の応募と採択状況

都道府県別の応募と採択状況

第5回公募の都道府県別の応募と採択状況

都道府県別の応募状況について単純な件数ベースでは、過去いずれの採択結果でも「東京」「大阪」「愛知」「兵庫」の順に応募件数が多くなっています。いずれも人口の多い都市部であり、それに比例して事業者数が多いためと考えられます。

また、「平成26年経済センサス」に基づく中小企業に占める応募者数の割合は、「東京」や「関西周辺」が高く、次点に「愛知」「香川」「熊本」が続いています。

都道府県別の採択状況では、「高知県」や「富山県」「秋田県」など四国、北陸、東北と所謂、地方での採択率が高いことが傾向から見られます。中小企業復興の全国的な施策である以上、事務局としてはある程度バランスを見て採択者を選出するはずですが、こうした地方では経営者の高齢化や事業承継の課題がより顕著であり、申請しようとする中小企業が少ないことからこうした差があると思われます。

応募金額・採択金額の分布

応募金額・採択金額の分布

第5回公募の応募金額・採択金額の分布

応募金額・採択金額を1,500万円単位で分析すると、100〜1,500万円が全体の40〜50%と最も大きい割合を占めています。一方、第1回公募では4,500万円以上の案件が30%近くありましたが、回を重ねるごとに減少していき、直近では10%ほどになっています。

いかに補助金が支給されるとあっても、長引くコロナ禍等による将来の不透明性や資金繰り・自己負担等の課題から大きな投資にはしづらい経営環境であることに加え、第3回公募時に中小企業者等は6,000万円、中堅企業等は8,000万円であった「通常枠」の補助上限金額が、従業員数に応じて4,000万円、6,000万円、8,000万円と実質引き下げられたことによる影響と考えられます。

また、応募金額の分布を500万円単位で見ると、金額が上がるごとに段々と件数が減少し、金融機関の確認が必要な3,000万円弱付近と公募回ごとの「通常枠」の補助上限金額付近の件数が多くなる傾向にあります。

認定支援機関別応募・採択状況

認定支援機関別応募・採択状況

第5回公募の認定支援機関別応募・採択状況

認定支援機関別に応募状況を分析すると、常に金融機関が最も多く、全体の40%ほどとなっています。日頃から事業者に近い立場にあり、設備投資の借入と併せて相談できるというメリットが大きいようです。

補助金額3,000万円超の場合は、金融機関の確認が必須となりますので、事業費の大きい計画では必然的に金融機関へ相談に行くようになります。次いで、税理士関係、商工会・商工会議所など、事業者に身近な機関の比率が高くなっています。

採択状況では、「中小企業診断士」と「民間コンサルティング会社」が高い傾向にあります。「小規模事業者持続化補助金」や「ものづくり補助金」などの申請支援を手掛けているところが多く、ノウハウやテクニックが蓄積されているためと考えられます。

採択率では「商工中金」や「公益財団法人」も高い傾向にありますが、そもそもの取扱件数が少ないため、データとしては参考程度です。

事業再構築補助金の第6回公募以降の変更点

続いて、公募要領に大きな変更があった第6回公募以降の事業再構築補助金の変更点について解説します。

売上高減少要件の緩和

事業再構築補助金の申請要件のうち、「売上高10%以上減少」が第6回公募より大幅に緩和されました。第5回公募時までの要件は次の2つを満たす必要がありました。

  • 2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少していること
  • 2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高がコロナ以前(2019年または2020年1~3月)の同年3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること

このうち、第3回募集時の変更で追加された「2020年10月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少していること」の要件が撤廃され、より多くの事業者が利用しやすい制度になったといえます。

事業類型の創設

中小企業等の経営環境の変化を鑑み、第6回公募時に「回復・再生応援枠」・「グリーン成長枠」、第7回公募時に「緊急対策枠」の3つの事業類型が新設されています。

回復・再生応援枠

  • 補助金額:従業員数5人以下100万円〜500万円、従業員数6〜20人100万円〜1,000万円、従業員数21人以上100万円〜1,500万円
  • 補助率:中小事業者等3/4、中堅企業等2/3

「2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年または2019年同月比で30%以上減少していること」または「中小企業活性化協議会等から支援を受け再生計画等を策定していること」のいずれかを満たすことが申請要件となっています。

グリーン成長枠

  • 補助金額:中小企業者等100万円〜1億円、中堅企業等100万円〜1.5億円
  • 補助率:中小事業者等1/2、中堅企業等1/3

「グリーン成長枠」には、「売上高10%減少要件」は課されません。「グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取り組みであって、その取り組みに関する2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと」が申請要件となり、過去の公募回で採択され、交付決定を受けて事業再構築に取り組んでいても、再度申請を行うことが可能です。ただし、支援を受けることができるのは過去の採択も含め2回が上限です。

緊急対策枠

  • 補助金額:従業員数5人以下100万円〜1,000万円、従業員数6〜20人100万円〜2,000万円、従業員数21人〜50人100万円〜3,000万円、従業員数51人以上100万円〜4,000万円
  • 補助率:中小事業者等3/4(業員数5人以下の場合500万円を超える部分、 従業員数6〜20人の場合1,000万円を超える部 分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は2/3)、中堅企業等2/3(従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、 従業員数6〜20人の場合1,000万円を超える部分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は1/2)

「原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響を受けたことにより、2022年1月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高が、2019年〜2021年の同3ヶ月の売上高と比較して10%以上減少していること」と「コロナによって影響を受けていること」が申請要件です。なお、経済環境の変化の影響は、付加価値額を用いることも可能です。

これらの事業類型で不採択の場合は、「通常枠」で再審査されます。再審査にあたっては、「グリーン成長枠」と「緊急対策枠」については、売上高等減少要件を満たすことを示す書類を提出する必要があります。

なお、これらの新設に伴い、「緊急事態宣言枠特別枠」、「卒業枠」・「グローバルV字回復枠」は廃止となりました。

通常枠の補助上限の見直し

第6回公募時に「通常枠」の補助上限について、従業員数に応じて次のとおり変更されました。第5回公募までとの比較は次のとおりです。

  • 20人以下:100〜4,000万円 ⇒ 100〜2,000万円
  • 21人〜50人:100〜6,000万円 ⇒ 100〜4,000万円
  • 51人〜100人:100〜8,000万円 ⇒ 100〜6,000万円
  • 101人以上:100〜8,000万円 ⇒ 100〜8,000万円

第5回公募までと比較すると、100人まではそれぞれ大幅に引き下げられています。

その他の変更点

その他の運用見直しは次のとおりです。

補助対象経費の見直し

  • 「建物費」については、原則、改修の場合に限ることとし、新築の場合には、一定の制限を設ける。
  • 「研修費」については、補助対象経費総額の1/3を上限とする。

複数企業等連携型の新設

  • 1者あたり各申請類型の上限額を上限として、最大20社まで連携して申請することを認める「複数企業等連携型」を新設し、一体的な審査を行う。この場合、「売上高10%減少要件」は、①各者で要件を満たすこと、②連携体合算で要件を満たすこと(ただし同月を用いる)のいずれかを満たす必要がある。

事前着手の対象期間の見直し

  • 事前着手の対象期間を現在の2021年2月15日から見直し、2021年12月20日以降とする。

審査項目の見直し

  • 「足許の原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性が高いか」という観点に一部変更。
  • 「ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか」という観点を新たに追加。

事業再構築補助金の再申請のポイント

最後に、事業再構築補助金の再申請を検討されている方に取り組んでいただきたいポイントを解説します。

不採択理由を確認する

不採択の通知を受け取ったら、すぐに事務局へ不採択理由の確認を行いましょう。会社の代表者や担当者が電話することで、不採択案件内でのランクや審査員のコメントをスタッフより聞くことができます。

コメントについては、ある程度フォーマットのようなものがあり、個別的な内容とはいえませんが、貴社の計画に足りない部分を直接教えてもらうことができるため、これを確認しないという手はありません。

他社の採択事例を研究する

事業再構築補助金は、採択結果公表に伴う情報提供が充実しており、優秀な採択事例や事業計画書がそのまま掲載されています。こうしたサイトに公表されている取り組みは、国が推奨する補助金の活用方法ともいえ、貴社の事業を検討する参考となります。

また、フレームワーク等での表現やエビデンスとなる資料の活用方法など計画書の記載方法についても学べる部分が多いはずです。

事業類型を変更して申請する

公募回が進むにつれ、事業者等からのフィードバックや経営環境の変化を受け、多くの事業類型の新設・廃止が行われました。前述したように、「通常枠」以外の事業類型の採択率は高い傾向にあるため、要件に合致するのであれば「通常枠」以外での申請を検討してみるべきです。

特に、第6回・7回公募で新設されたばかりの事業類型は狙い目であるといえます。不採択となっても、「通常枠」で再審査されるため、採択可能性が高くなります。

事業計画の練り直し

事務局からの不採択理由や他社の採択事例を参考に、新たに事業計画を練り直す必要もあるかもしれません。経営環境も大きく変化しており、より実効性の高い取組みや市場に対して生かせる強みが見つかったのであれば、思い切ってそちらに経営の舵を切っていくことも検討すべきです。

ノウハウを持つ支援者に依頼する

事業計画は原則、貴社で策定するものではありますが、補助金では一定の採択されやすい作り方というものが存在します。特に、補助金申請に慣れていない方は、そうしたノウハウを持った支援者へ相談することも必要になってきます。

また、そうした支援者は経営コンサルタントとしても知見を有している場合が多く、さまざまなアドバイスをもらうことも期待できます。ぜひ活用してみてください。

まとめ

事業再構築補助金の過去5回の採択結果の分析と第6回公募以降の変更点、再申請のポイントについて解説しました。今回お伝えした内容を参考に再申請にチャレンジし、ぜひ採択を勝ち取っていただきたいと思います。

当社トライズコンサルティングでは、高い補助金の採択実績を持つコンサルタントが、貴社の経営についてのアドバイスも行いながら、補助金申請を支援しています。相談は無料ですので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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