ブログ

【2022】ものづくり補助金が採択されるには?採択事例と結果からわかるポイント

補助金の申請

ものづくり補助金は、中小企業のものづくりなどを支援するための補助金です。ものづくり補助金は、2022年より大きく見直されました。

従来は「一般型」「グローバル展開型」「ビジネスモデル構築型」の3類型であったものが、以後は「一般型(通常枠)」「一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠)」「一般型(グリーン枠)」「一般型(デジタル枠)」「グローバル展開型」の5類型となります。

記事執筆時点の2022年2月中旬では、新たな類型についての公募はまだ始まっておらず採択結果も出ていません。そのため、記事内で紹介する採択結果と採択事例は、旧類型のものです。

そのうえで、新たな類型についての解説や採択されるためのポイントなどについて詳しく解説します。

ものづくり補助金の旧3類型それぞれの概要

ものづくり補助金は従来、次の3類型となっていました。ぞれぞれの概要は、次のとおりです。

一般型

一般型は、ものづくり補助金のもっとも基本となる型です。一般的に、単に「ものづくり補助金」といったときには、この類型を指すことが多いでしょう。

一般型は、中小企業者等が行う次の取り組みに必要な設備やシステム投資などを支援するものです。

  • 革新的な製品・サービスの開発
  • 生産プロセス・サービス提供方法の改善

通常枠に加えて、補助率の高い低感染リスク型ビジネス枠が存在します。補助金額は100万円から1,000万円、補助率はそれぞれ次のとおりです。

  • 通常枠(原則):2分の1
  • 通常枠(小規模企業者・小規模事業者):3分の2
  • 低感染リスク型ビジネス枠:3分の2

グローバル展開型

グローバル展開型は、中小企業者等が海外事業の拡大・強化などを目的として行う次の取り組みに必要な設備やシステム投資などを支援するものです。

  • 革新的な製品・サービスの開発
  • 生産プロセス・サービス提供方法の改善

ただし、取り組みの内容が次のいずれかに合致する必要があります。

  1. 海外直接投資
  2. 海外市場開拓
  3. インバウンド市場開拓
  4. 海外事業者との共同事業

補助金額は100万円から3,000万円、補助率はそれぞれ次のとおりです。

  • 原則:2分の1
  • 小規模企業者・小規模事業者:3分の2

ビジネスモデル構築型

ビジネスモデル構築型は、中小企業が 「革新性」「拡張性」「持続性」を有するビジネスモデルを構築できるよう、30者以上の中小企業を支援するプログラムの開発・提供を補助する類型です。

中小企業30者以上に対して、次を満たす3年から5年の事業計画の策定支援プログラムを開発、提供することなどが要件とされています。

  1. 付加価値額+3%以上/年
  2. 給与支給総額 +1.5%以上/年
  3. 事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円

補助金額は100万円から1億円、補助率はそれぞれ次のとおりです。

  • 大企業:2分の1
  • 上記以外:3分の2

ものづくり補助金の採択率はどのくらい?

ものづくり補助金の採択率は、その類型や募集の期によって異なります。

では、公表されている最新までの採択数と採択率を一覧でみていきましょう。

一般型

一般型の採択率は31.19%から62.48%と大きな開きがありますが、近年ではおおむね50%前後推移しています。

また、採択者数はおおむね2,000件台で推移していることから、応募者数の多い回ほど採択率が下がりやすいといえるでしょう。

 応募者数採択者数採択率
(小数点以下第2位四捨五入)
第8次4,5842,75360.06%
第7次5,4142,72950.41%
第6次4,8752,32647.71%
第5次5,1392,29144.58%
第4次10,0413,13231.19%
第3次6,9232,63738.09%
第2次5,7213,26757.11%
第1次2,2871,42962.48%

グローバル展開型

グローバル展開型は、第4次から公募がはじまっています。

採択率には回によって大きなバラつきがありますが、採択者数は一般型に比べてかなり少数となっており、より要件や趣旨に合致するものが厳選されて採択されているといえるでしょう。

 応募者数採択者数採択率
(小数点以下第2位四捨五入)
第8次692739.13%
第7次933941.94%
第6次1053634.29%
第5次1604628.75%
第4次2714616.97%

ビジネスモデル構築型

ビジネスモデル構築型は、自社の成長性や事業の革新性などのみならず、他の中小企業の成長などの寄与することが求められている、特殊な類型です。

そのため、応募者数自体がそれほど多くはないうえ、より厳選された取り組みが採択される傾向にあるといえます。

 応募者数採択者数採択率
(小数点以下第2位四捨五入)
第2次1012827.72%
第1次356185.06%

ものづくり補助金の主な採択事例

ものづくり補助金の採択事例は、ものづくり補助金の公式サイトから確認することができます。どのような事業が採択されているのか、参考にすると良いでしょう。

主な採択事例や傾向は、次のとおりです。

一般型

一般型の採択事例には、次のようなものがあります。

  • 生産現場のロボット化・デジタル化によるDX推進と設備販売事業の推進
  • ファイバーレーザー溶接加工導入による専門性の排除及び生産性向上の実現
  • 新たな需要に対応する、乾椎茸の粉末加工品の事業展開
  • ペットと一緒に入れる酸素カプセルサービスの提供
  • 水中ドローン等最新機器の導入による港湾土木事業の効率化およびICT化

ものづくり補助金の中心ともいえる一般型では、これまでになかった革新的な製品やサービスの展開をよりアピールしている事業が採択されやすい傾向にあります。

提供する製品やサービスの革新性を申請書のなかでいかに説明できるかが採択のポイントとなるでしょう。審査項目は後ほど詳しく解説するので、そちらも参照してください。

グローバル展開型

グローバル展開型の採択事例には、次のようなものがあります。

  • 蒟蒻ゼリーの海外展開強化事業
  • eスポーツプラットフォーム事業のタイ・マレーシアへの海外展開
  • 小型ドローンをモジュール化する開発・製品化による海外市場開拓
  • 特許AI多言語翻訳機能付きPR/IRプラットフォームの構築

グローバル展開型では、製品やサービスが海外において優位性があると考えられるものを中心に採択されている傾向にあります。サービスや製品の革新性に加えて、海外展開の実現性や海外における優位性をアピールすることで、採択につながりやすくなるでしょう。

ビジネスモデル構築型

ビジネスモデル構築型の採択事例には、次のようなものがあります。

  • 沖縄観光DX推進コンソーシアム事業
  • 新しい時代の経営革新に向けたDX推進プラットフォーム構築事業
  • 金属製品製造業のDX支援と北陸地域の共同受注システムの構築
  • 知見共有プラットフォームによる中小企業の面的生産性向上

ビジネスモデル構築型は、他の中小企業を支援する取り組みを支援する類型です。そのため、他社の成長や業務効率の向上などに貢献すると見込まれる事業がより採択されやすい傾向にあります。

ものづくり補助金の新5類型それぞれの概要

2022年から公募が開始されるものづくり補助金の新たな5類型は次のとおりです。まずは、それぞれの概要を紹介しましょう。

一般型(通常枠)

一般型の中の通常枠は、次の取り組みに必要な設備やシステム投資などを支援する類型です。

  • 革新的な製品・サービスの開発
  • 生産プロセス・サービス提供方法の改善

ここまでは、旧類型の一般型と変わりありません。ただし、補助金額が従業員数によって、次のように細分化されることとなりました。

  • 5人以下:100万円~750万円
  • 6人~20人:100万円~1,000万円
  • 21人以上:100万円~1,250万円

補助率は、それぞれ次のとおりです。

  • 原則:2分の1
  • 小規模企業者・小規模事業者・再生事業者:3分の2

一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠)

一般型の中の回復型賃上げ・雇用拡大枠は、業況が厳しいながら賃上げや雇用拡大に取り組む事業者が行う、次の取り組みに必要な設備やシステム投資などを支援する類型です。

  • 革新的な製品・サービスの開発
  • 生産プロセス・サービス提供方法の改善

ただし、この枠に応募することができるのは、応募締め切り時点の前年度の事業年度の課税所得がゼロであり、常時使用する従業員がいる事業者に限定されます。補助金額は通常枠と同じであり、従業員数によって次のとおりです。

  • 5人以下:100万円~750万円
  • 6人~20人:100万円~1,000万円
  • 21人以上:100万円~1,250万円

ただし、事業者の規模などに関わらず補助率が一律3分の2である点で、通常枠よりも優遇されています。

一般型(デジタル枠)

一般型の中のデジタル枠は、次の取り組みに必要な設備・システム投資などを支援する類型です。

  • DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービスの開発
  • デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上

補助金額は通常枠と同じであり、従業員数によって次のとおりです。

  • 5人以下:100万円~750万円
  • 6人~20人:100万円~1,000万円
  • 21人以上:100万円~1,250万円

ただし、事業者の規模などにかかわらず補助率が一律3分の2である点で、通常枠よりも優遇されています。

一般型(グリーン枠)

一般型のなかのグリーン枠は、次の取り組みに必要な設備やシステム投資などを支援する類型です。

  • 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発
  • 炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上

補助金額は、従業員数に応じてそれぞれ次のとおりです。

  • 5人以下:100万円~1,000万円
  • 6人~20人:100万円~1,500万円
  • 21人以上:100万円~2,000万円

補助率は、一律3分の2とされています。

グローバル展開型

グローバル展開型の内容は、従来から変わりません。補助金額などの内容も変わらず、補助金額は100万円から3,000万円、補助率はそれぞれ、次のとおりです。

  • 原則:2分の1
  • 小規模企業者・小規模事業者:3分の2

ものづくり補助金の主な要件

2022年以降のものづくり補助金の主な要件は、次のとおりです。

基本要件

ものづくり補助金の基本要件は、次の要件をすべて満たす3年から5年の事業計画を策定していることです。

  1. 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加すること(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加すること)
  2. 事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること
  3. 事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加させること

この要件は、すべての類型において共通です。

一般型(回復型賃上げ・雇用拡大枠)

回復型賃上げ・雇用拡大枠の場合には、基本要件に加えて次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 前年度の事業年度の課税所得がゼロであること
  2. 常時使用する従業員がいること
  3. 補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額、事業場内最低賃金の増加目標を達成すること

一般型(デジタル枠)

デジタル枠の場合には、基本要件に加えて、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 「DXに資する革新的な製品・サービスの開発」または「デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善」のいずれかに該当する事業であること
  2. 経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること
  3. IPAが実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行っていること

なお、「SECURITY ACTION」とは、中小企業自らが、情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度のことです。

一般型(グリーン枠)

グリーン枠の場合には、基本要件に加えて、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 「温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発」または「炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善」のいずれかに該当する事業であること
  2. 3年から5年の事業計画期間内に、事業場単位または会社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業であること
  3. これまでに自社で実施してきた温室効果ガス排出削減の取組の有無(有る場合はその具体的な取組内容)を示すこと

グローバル展開型

グローバル展開型の場合には、基本要件のほかに、「海外直接投資」「海外市場開拓」「インバウンド市場開拓」「海外事業者との共同事業」のうち該当する事業類型ごとに一定の要件を満たす必要があります。

たとえば、「海外市場開拓」の場合には、国内に補助事業実施場所を有し、製品等の販売先の2分の1以上が海外顧客となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していることなどが要件となります。

ものづくり補助金が採択されるためのポイント

ものづくり補助金の採択において重視されるポイントは、公募要領の中で明記されています。

申請する事業内容を検討したり申請書を作成したりする際には、公募要領をよく読み込むようにしましょう。公表された審査ポイントを重視した申請をすることは、採択率を高めることにつながります。

補助対象事業としての適格性

ものづくり補助金を申請する際には、申請する類型ごとに定められた要件をよく確認し、要件を満たした内容で申請するようにしましょう。せっかく手間をかけて申請をしても、要件を満たしていなければ採択されることはありません。

技術面

技術面では、新製品や新サービスの革新的な開発となっているかといった点や、課題の解決方法が明確で優位性が見込まれるかといった点などが確認されます。補助金が採択される可能性を上げるためには、技術やサービスが革新的であることをアピールするとともに、優位性を数値などで明確に示すとよいでしょう。

事業化面

事業化面では、人材、事務処理能力、専門的知見などの面で、補助事業実施のための社内外の体制や最近の財務状況などから、補助事業を適切に遂行できると期待できるかといった点などが確認されます。たとえ素晴らしい事業を計画したとしても、実施できるだけの人材がいなかったり企業としての事務処理能力が不足したりしていては、実現できない可能性が高いためです。

補助金が採択される可能性を上げるためには、データや具体的な数値などを折り込みつつ、補助事業を自社で実現することが可能であることを具体的に示すと良いでしょう。

政策面

政策面では、地域の経済成長を牽引する事業であるかなど、地域や市場への波及効果が確認されます。申請書を作成する際には、自社のことのみならず、地域や業界などへの波及効果にも着目をした記載を入れると良いでしょう。

炭素生産性向上の取組等の妥当性

グリーン枠の場合には、炭素生産性を向上させるための課題が明確になっており、温室効果ガスの排出削減等に対して有効な投資となっているかなどの点も審査項目となります。グリーン枠に応募をする場合には、炭素生産性向上への取り組み内容などを明確に記載しましょう。

成長性加点(加点項目)

有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者は、加点の対象となります。経営革新計画とは、中小企業が「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書のことです。

政策加点(加点項目)

次のいずれかに該当する場合には、政策加点として加点の対象となります。

  • 創業や第二創業から5年以内である事業者
  • パートナーシップ構築宣言を行っている事業者
  • 再生事業者
  • (デジタル枠のみ)デジタル技術の活用及びDX推進の取り組み状況

災害等加点(加点項目)

有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者は、加点の対象となります。事業継続力強化計画とは、中小企業が策定した防災や減災の事前対策に関する計画です。

賃上げ加点等(加点項目)

次の事業者などは、賃上げ加点等として加点の対象となります。

  • 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場 内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を 提出している事業者
  • 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均3% 以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者

まとめ

ものづくり補助金の採択率は、決して高いといえるものではありません。しかし、審査項目をきちんと理解したうえで申請書を作りこむことで、採択の可能性を上げることが可能となります。

当社トライズコンサルティングは、クライアント様に寄り添いながら限りなく高品質な事業計画書の策定を支援します。「ものづくり補助金」では、2019・2020年度採択率97%という高い採択率を誇り、採択後も補助金を受け取れるまでしっかりとサポートしております。

ぜひ当社をご活用いただき、新たな事業へ向けた確実な一歩を踏み出してはいかがでしょうか?

お問い合わせ

補助金や経営に関するご相談のご依頼は
こちらからお問い合わせください。

受付時間 9:00〜18:00(土日・祝日を除く)