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【2022】ものづくり補助金の採択事例を確認!活用する方法とは?

ものづくり補助金の採択率

ものづくり補助金は中小企業等が経営革新のための設備投資等に活用できますが、いざ自社での申請を検討し始めると、事業計画を策定するに当たって踏まえるべき要点がなかなか明瞭にならないケースも多いのではないでしょうか。そのような場合に、ものづくり補助金を活用した過去の事業成果からヒントを得ることはとても有効です。

今回は、実例も交えながら、ものづくり補助金の採択事例を事業計画書作成に活用する方法について解説します。

ものづくり補助金の概要

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金です。

ものづくり補助金の補助対象の補助対象事業には次の3つの類型があり、補助金額、補助率等が異なります。

  • 一般型の通常枠
    • 補助金額:100万円〜1,000万円
    • 補助率:2分の1 ※ただし、小規模企業者・小規模事業者は3分の2
  • 一般型の低感染リスク型ビジネス枠
    • 補助金額:100万円〜1,000万円
    • 補助率:3分の2
  • グローバル展開型
    • 補助金額:1,000万円〜3,000万円
    • 補助率:2分の1 ※ただし、小規模企業者・小規模事業者は3分の2

申請を検討するに当たっては、各類型の要件や補助対象経費等を注意深く確認しましょう。

ものづくり補助金の採択率の推移

ものづくり補助金についても、限られた予算の中で行われている事業ですから、補助にかかる要件を満たした申請がすべて通るわけではありません。数多くの申請について、ものづくり補助金の政策目標に沿った審査を行い点数化され、高い点数を得た事業から順に採択される仕組みになっています。

では、ものづくり補助金の採択率はどれほどなのでしょうか?直近3箇年の数値を確認してみましょう。

  • 2018年度補正(2019年公募開始)
    • 1次公募(早期締切):22.9%
    • 1次公募(通常締切):50.0%
    • 2次公募:35.1%
  • 2019年度補正(2020年公募開始)
    • 1次締切:62.5%
    • 2次締切:57.1%
    • 3次締切:38.1%
    • 4次締切:31.2%
    • 5次締切:44.6%
    • 6次締切:47.7%
    • 7次締切:50.4%

公募時期によって採択率は大きく上下してきていますが、採択率のみを単純平均すると約44%となります。さしたる準備をせずとも容易に採択されるような補助金ではないことは確かです。

採択に近づくため、事業計画書の質を向上させることが非常に重要であることは言うまでもありません。そこで、過去にものづくり補助金に採択された事例を調べることは、採択される案件の傾向を理解するきっかけとなり、結果として良い内容の事業計画書の作成に役立つことでしょう。

ものづくり補助金採択事例の調べ方

では、過去にものづくり補助金で採択された事例を調べるにはどんな方法があるのでしょうか。ここでは、3つの方法を紹介し、それぞれの特徴もお伝えします。

採択案件一覧

ものづくり補助金の採択案件一覧は、採択結果発表時に毎回、ものづくり補助金総合サイトにて公表されています。過去の採択案件一覧についても、ものづくり補助金総合サイトのトップページから「採択結果」を選択すると、締切回ごとの「採択者一覧」がPDF形式でアップされています。

採択案件一覧は、その締切回に採択された案件が全件カバーされており、申請者の都道府県、商号または名称、事業計画名、採択種類、認定経営革新等支援機関名等が掲載されています。

ただ、事業計画名だけからしか事業の内容を推し量ることができないため、自分の事業計画のために役立てるという観点から得られるヒントは少ないでしょう。事業の「カギ」となることばで検索をかけ、類似の案件がないか調べるなどの使い道もあるかもしれません。

ミラサポplus「事例ナビ」

ミラサポplusとは、中小企業・小規模事業者向けの補助金、給付金等の申請や事業のサポートを目的とした国のWebサイトです。その中に、中小企業・小規模事業者のさまざまな経営事例集を集めた「事例ナビ」があり、経営や支援制度の活用例として参考とすることができます。

トップページの「事例を探す」から事例ナビに入ることができます。キーワードに加えて、事例所在地や業種、従業員数、資本金、お困りごと、事例集、支援制度の種類、および活用施策で条件を絞り込んだ検索が可能です。

検索結果を選択すると、企業情報や事業の取り組み内容、今後の展望等の概要が掲載されており、参考とできる情報がコンパクトにまとまっています。

ものづくり補助事業関連サイト「もの補助成果事例検索」

ものづくり補助事業関連サイトは、ものづくり補助事業の活動や成果を紹介する公式ホームページで、全国中小企業団体中央会が運営しています。

このホームページのメインコンテンツである「もの補助成果事例検索」では、2012年度補正事業〜2019年度事業を実施し、都道府県地域事務局が収集した成果調査事例集に掲載された6,000を超える中小企業・小規模事業者の活動・成果が検索できます。キーワードの他に、都道府県や業種、技術分野および年度を選択した絞り込み検索も可能です。

検索結果には都道府県や企業名、事業計画名、業種、技術分野および年度が表示されます。その中から企業名を選択すると、その企業がものづくり補助金を活用して取り組んだ事例が紹介されたページが表示されます。

元々その事例が収録されていた成果事例集の違いによりレイアウトはさまざまですが、取り組んだ補助事業にまつわる多彩なストーリーを知ることができます。各事業の事業計画書こそ掲載されていませんが、補助事業の取り組みに至り実施した背景を詳細に知ることができます。

これらの情報は、とりわけ類似する点を持つ事業計画を策定しようとする際に大変参考となるでしょう。

「もの補助成果事例検索」を使ってみよう

ここで、「もの補助成果事例検索」を使い、例として「ECサイト」をキーワードとして検索した成果事例を2例ご紹介します。

製造業者(東京都、平成28年度)

  • 事業計画名:多品種少量梱包体制構築とWebサイト多言語化で越境EC事業収益化
  • 業種:その他の製造業
  • 事業の概要・特徴:
    • 海外のECサイト経由の購入需要の高まりを好機と捉え、国内EC事業の成功体験を活かして、越境EC事業を収益化するために、BtoBからBtoCへ多品種少量の軽量梱包可能な専用機の導入とWEBサイトの多言語化を行った。
    • 商材として携帯アクセサリー等を強みとし、国内外に合計500拠点に及ぶ仕入れ外注先のネットワークを有し、豊富なパーツ等を多品種小ロットで供給しており、BtoBからBtoCへ販路拡大を目指していたところ、海外からの仕入れの場合にロット数が多く、国内で小包装対応する必要性、およびターゲットの外国人向けの情報発信を課題としていた。
  • 扱う商品が小さく軽量なため、小ロットでの受注の際は、従来の重量測定器では誤差が発生し、計量ミスにつながっていたため、多品種少量に対応した光学式の自動計量自動梱包機を導入した。
  • 以前は計量ミスによるクレームも発生していたが、設備導入後は計量ミスがなくなり、顧客満足度と社内処理の作業効率が向上した。
  • 外国人向けの情報発信については、AIによる自動翻訳機能を有するWebサイトの多言語化を行い、日本語版の更新後すぐに外国語版に自動反映される仕組みを作った。
  • AI自動翻訳機能を持ったWebサイトの開設により、ライセンス正規品であり日本水準の品質であることを海外に向けて広くアピールできる越境ECの体制を拡充できた。また、シンガポールでは実店舗での販売も開始し、相乗効果を生み出している。海外からのネットを通じた引き合いも増えており、取引内容の質も高いため、今後が期待される。

情報サービス業者(山梨県、平成25年度)

  • 事業計画名:道の駅を核とした新しい発想の通販サイトの開発
  • 業種:情報サービス業
  • 事業の概要・特徴:
    • 山梨の資源を活かした「地産地消と産地直送」による魅力ある通販サイトを起こし、電話からインターネットまで全てに対応する通販システムを構築した。
    • 生産者の顔が見える信頼性の高い商品販売で人気のある道の駅や特産物直売所が山梨各地に多くある中、それらと連携して、山梨ならではの特産品を網羅的に揃えた通販サイトを開設した。
    • サイトのオープンにとどまらず、情報サービス業としてIT技術のノウハウを活かし、ECサイトの運営や顧客管理、商品管理はもちろん、ヘルプデスクと呼ばれるコールセンターを設置し、インターネットやファックス、メール、電話まで、あらゆるメディアから利用できるようにと考え、電話で直接話しながらの販売や、相談受付、予約などもできるように気を配った。
    • 品揃えに関しては専門家からの指導を受け、道の駅や直売所だけに限らず、山梨県産品の専門店や生産者にも声を掛けてサイト内の商品の充実を図り、卵や日本酒、地ビール、牛肉など、こだわりを持っている方々が最も待ち望んでいるアイテムも順次増えてきている。
    • 生産者のこだわりや成り立ちなどを紹介する別の新しいサイトを立ち上げ、ファンになる人を発掘するための情報を発信し、顧客とのコミュニケーションを通して新商品の導入や開発に役立て、ブランディングに役立てる場もとなっている。

ものづくり補助金に採択されるためのポイント

このように、ものづくり補助金の採択事例に当たることにより、採択されるためのポイントを読み取ることができます。前掲の2事例からも、次のような採択に近づくためのポイントを学べます。

現行事業から解決すべき課題を見出す

現行事業に何も課題がないのであれば、ものづくり補助金をわざわざ活用して補助事業を実施する必要性はありません。ただ、事業における課題は一見して明白なものとは限らず、敏感な問題意識を持って事業と向き合うことによって見つけ出すことが可能となるでしょう。

この点、前出の製造業者は計量ミスの経験から、ロット数の多い仕入れと販売の中間工程で、多品種少量を正確に計量し小包装する必要性の課題を見出していました。また、BtoC、とりわけ外国人向けに販路開拓するためには、Webサイトの外国語版を迅速に更新する必要があるという課題も認識しました。

また、山梨県の情報サービス業者は、魅力ある道の駅や特産物直売所の情報や通販の仕組みが県内各地に散逸しているために付加価値が低いことに課題意識を持ち、網羅的ECサイトの構築等を推進する方法を選択しました。

補助事業により達成する目標を明確にする

現行事業における課題を見つけようとした場合、掘り起こせば大小の課題がいくらでも挙がってしまうというのも現実的によくあることです。このような場合にこそ「選択と集中」が重要となり、ものづくり補助金を活用してどんな目標を達成するのかを明確にする必要があります。

補助事業により達成する目標とは、現行事業の中で見出し設定した課題を解決することであるはずで、この軸を離れて総花的に、あるいは高すぎる水準で目標設定することなく、端的な解決策を目標として定めることが妥当です。

前出の事業者はいずれも、課題に対応する目標を定め、シンプルな解決策を補助事業として実施しました。東京都の製造業者の場合、多品種少量対応の光学式自動計量自動梱包機の導入、およびAI自動翻訳機能を持ったWebサイトの開設により、課題に即応した目標を達成しました。

山梨県の情報サービス業者の場合も、山梨各地の道の駅や直売所を網羅したECサイトの構築、および多チャンネルによる顧客サービス体制により、やはり課題にしっかりアプローチした目標を実現しました。

ターゲットとする市場ニーズが明確である

補助事業を有効に実施するためには、その成果を誰向けに提供するのかが明らかでなければなりません。そうでなければ、投資すべき設備や分野が正確に定められず、事業計画の策定にマイナスとなるでしょう。

この点、前出の東京都の製造業者は、外国人を多く含む一般消費者にターゲットを定め、そこに存在する情報発信上の言語の壁を取り払うというニーズに明確にフォーカスしました。

また、山梨県の情報サービス業者は、山梨県産品を提供する道の駅や直売所のユーザーというターゲットが持っているより多くの県産品に触れ、しかも幅広い手段で簡易に通販サービスを利用したいというニーズにリーチすることとしました。

まとめ

今回は、ものづくり補助金の採択事例を活用するための方法や具体的な事例について紹介しました。

一般的には、高い確率で採択される事業計画書の作成は難しいものだといえます。今回紹介していない多くの採択事例を見てみても、ご自身だけで経営課題を踏まえ、高品質な事業計画書を策定することが困難であることがおわかりいただけるでしょう。

そのような場合には、信頼できる専門家のサポートを受けながら申請手続に臨むのが合理的な方法です。

当社トライズコンサルティングは、クライアント様に寄り添いながら限りなく高品質な事業計画書の策定を支援します。クライアント様の現行事業における課題の発見や解決策の提案を行い、現実的な事業計画へと落とし込みます。

たとえば、「ものづくり補助金」では、2019・2020年度採択率97%という高い補助金採択率を誇り、採択後も補助金を受け取れるまでしっかりとサポートしています。

また、代表の野竿は認定経営革新等支援機関でもあります。ものづくり補助金の申請においては、認定経営革新等支援機関の確認は必須ではありませんが、中小企業の経営支援や補助金申請支援に係る大変多くの実績を蓄積しております。

ぜひ当社をご活用いただき、新たな事業へ向けた確実な一歩を踏み出してはいかがでしょうか?

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