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【2021】事業再構築補助金の採択率は?第2回公募結果とよくある申請時の不備と加点項目

事業再構築補助金の採択率

2021年10月28日(木)に、中小企業庁が事業再構築補助金の第4回公募の公募要領を発表しました。これから申請しようと準備されている方、第3回公募の結果を見て再申請しようと考えている方は、公募要領の申請要件をよく確認しておく必要があります。

今回は、事業再構築補助金の第2回公募の結果を基にした採択の傾向や過去の公募からの変更点、よくある申請時の不備、加点項目について解説します。採択率を上げるための事業計画書作成にこの記事を役立ててください。

事業再構築補助金の第2回公募の採択結果

2021年9月2日に、中小企業庁が事業再構築補助金の第2回公募の採択結果を発表しました。「jGrants(Jグランツ)」上で受け付けられた申請件数は、第1回公募であった前回より1,431件減少した20,800件となっています。

補助金事務局のホームページには、公募の結果について詳細なデータが公表されています。ここではそれらを基に、採択の傾向について解説していきます。

件数中小企業中堅企業合計
通常枠特別枠卒業枠通常枠特別枠V字枠
①システムで受け付けた件数(応募件数)14,8005,88448599020,800
②うち、書類不備等がなく、申請要件を満たした件数(申請件数)13,1745,07136457018,333
③採択件数5,3673,9192421509,336

第2回公募の応募総数は20,800件、採択件数は9,336件と採択率は44.8%という結果になっています。36.0%だった第1回公募と比較して14.3ポイント高くなっていますが、これは「緊急事態宣言特別枠」の採択率66.5%に全体が引き上げられた形であり、最も申請者の多い「通常枠」単体では36.2%となっています。

さらに、11.8%の申請者が書類不備等で計画の内容を審査されることなく不採択となっていることから、申請・再申請を検討している方は、申請要件や添付書類等をしっかり押さえておく必要があるといえます。

業種別の採択率

業種別の採択率

画像引用元:事業再構築補助金第2回公募の結果について

日本標準産業分類による業種別で見ると、応募件数・採択件数いずれも「M宿泊業、飲食サービス業」が最も多く、次いで「E製造業」、「I卸売業、小売業」となっています。

第1回公募時には応募件数・採択件数ともに「E製造業」がトップでしたが、コロナ禍で「不要不急の外出」自粛が長期化し、特にダメージの大きかった「M宿泊業、飲食サービス業」の申請が増えたためと考えられます。

また、第1回公募同様、幅広い業種で応募・採択がなされていることから、門戸の広い補助事業であるということがわかると思います。

都道府県別の採択率

都道府県別の採択率

画像引用元:事業再構築補助金第2回公募の結果について

続いて、都道府県別の応募件数を見ると、「東京」「大阪」「愛知」「兵庫」の順に多いことがわかります。これを平成26年経済センサスに基づく都道府県毎の中小企業数から算出した比率で見ると、「京都」の1.03%を筆頭にした関西周辺と「東京」「愛知」「香川」が高い値を示しています。また、「山梨」「富山」「高知」がいずれも50%以上と採択率となっています。

応募金額別の採択率

応募金額別の採択率

画像引用元:事業再構築補助金第2回公募の結果について

応募金額・採択金額の分布では、1,500万円単位で分析した場合、「100〜1,500万円」台がそれぞれ47.4%・51.4%と最も多くなっています。第1回公募で最もボリュームのあった「4,501〜6,000万円」台が減少し、その分若干ではありますが、金額の低い分布の割合が増えた結果です。

また、応募金額別の件数分布を見ると、第1回公募と同様、「1,000万円以下」と「6,000万円」に二極化する傾向にあり、金融機関の確認が必要となる3,000万円を少し下回る申請も多くなっています。

認定支援機関別の採択率

認定支援機関別応募・申請・採択状況

画像引用元:事業再構築補助金第2回公募の結果について

事業再構築補助金の事業計画は、「認定経営革新等支援機関」と相談の上策定することが必須の申請要件となっています。

認定支援機関別に応募状況を見ると、金融機関が約7,600社と最も多く、次いで税理士関係が約5,000社、商工会・商工会議所が約3,100社となっています。日頃から事業者と付き合いのある「地銀」などの金融機関や「商工会」「商工会議所」、補助金申請に強い「中小企業診断士」の採択率が高くなっています。

第3回公募からの変更点

2021年9月21日に申請受付を終了した第3回公募では、新しい類型の創設や補助上限の見直し、申請要件の緩和など大幅な運用の変更が行われました。これらは10月の最低賃金引上げへの影響を考慮したもので、長引くコロナ禍でも前向きに新しい事業に取組み、売上高が増加または維持されていたとしても利益が圧迫されている事業者に配慮した変更と考えられます。

最低賃金枠の創設

業況が厳しく、最低賃金に近い賃金の従業員を一定割合以上雇用している事業者に対して、中小事業者等の場合、補助率が「通常枠」で2/3のところ3/4、「中堅企業等」の場合、1/2から2/3に引き上げられます。また、加点措置が行われ、他の申請枠に比べて採択率も優遇されます。「最低賃金枠」では、「通常枠」の申請要件に加え、以下も満たしている必要があります。

  • 2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年比又は対前々年比で30%以上減少
  • 2020年10月から2021年6月の間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上

補助金額は、従業員数規模に応じ、補助上限は最大で1,500万円となっています。

  • 従業員数5人以下:100万円~500万円
  • 従業員数6~20人:100万円~1,000万円
  • 従業員数21人以上:100万円~1,500万円

なお、「最低賃金枠」で不採択となっても、「通常枠」で再審査となります(事業者の手続きは不要)。

通常枠の補助上限の見直し

最低賃金引上げの負担が大きい従業員数の多い事業者に配慮するため、従業員数に応じて補助上限の引上げも行われました。従業員数が51名以上の場合は、従前最大6,000万円であった補助上限が最大8,000万円まで引上げられています。

  • 従業員数20人以下:100万円~4,000万円
  • 従業員数21~50人:100万円~6,000万円
  • 従業員数51人以上:100万円~8,000万円

さらに、従業員数が101人以上の場合には、補助上限を最大1億円とする「大規模賃金引上枠」も創設されました。補助率は「中小事業者等」で2/3(6,000万円を超える部分は1/2)、「中堅企業等」で1/2(4,000万円を超える部分は1/3)となっており、「通常枠」の申請要件に加え、以下も満たす必要があります

  • 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3〜5年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること
  • 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3〜5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させること

なお、すべての公募回で150社限定の採択となっており、「大規模賃金引上枠」で不採択となっても、「通常枠」で再審査となります(事業者の手続きは不要)。

申請要件の見直し

事業再構築補助金の必須要件である売上高10%減少の対象期間が2020年10月以降から2020年4月以降に拡大されました。新しい申請要件は次のとおりです。

(a)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少しており、(b)2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること。

従前のとおり2020年10月以降を対象月とする場合には(a)を満たすことがわかる資料の提出のみですが、2020年9月以前を一月でも対象月として用いる場合、(b)も併せて満たす必要があります。また、売上高は増加しているものの業況が厳しい事業者を対象とするため、売上高に代えて、付加価値額の減少でも要件を満たすこととする変更もなされました。

加えて、事業再構築補助金を活用した新たに取組む事業の「新規性」の判定において、「過去に製造等した実績がない」が「コロナ前に製造等した実績がない」に変更されています。

事業再構築補助金でよくある申請時の不備

前述したとおり、申請者の10%を超える事業者が計画内容に関係のない書類等の不備で不採択になっています。折角、時間と労力をかけて事業計画を作成しても、審査の俎上にものらず不採択では悔みきれません。少しでも採択率を上げるため、申請者によくある不備を確認しておきましょう。

売上高減少について添付に必要な書類が添付されていない

売上高減少要件の確認に必要な月別売上高が証明できる書類の添付がされていない、または、選択された年月とは異なる年月の書類が添付されている不備が見られるそうです。「売上減少について添付が必要な証拠書類」は次のとおりです。

法人

  1. 確定申告書別表一の控え(1枚)
  2. 法人概況説明書の控え*(両面)
  3. 受信通知(e-Taxで申告している場合)

個人事業者

  1. 確定申告書第一表の控え(1枚)
  2. 所得税青色申告決算書の控え*(両面)
    1. ※白色申告場合:月間売上がわかる売上台帳、帳面その他の確定申告の基礎となる書類
  3. 受信通知(e-Taxで申告している場合)

上記の書類がコロナ前後でそれぞれ必要になり、確定申告が済んでいない場合は、売上台帳やそれに相当する試算表などの資料が必要になります。

さらに、2020年4月〜9月の売上高を一月でも用いる場合は、2020年10月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高とコロナ前を比較して5%以上減少していることを満たす書類の添付も併せて必要になります。

確認書に記載された事業者名が申請者と異なる

「経営革新等支援機関」に支援を受けたことを証明する「経営革新等支援機関の確認書」の添付は必須の提出書類となりますが、作成者名が事業者で作成されている事例があります。この確認書の作成は「経営革新等支援機関」のため、一概に事業者のミスとはいえませんが、受領時によく確認しておくことをおすすめします。

経済産業省の「ミラサポplus」からの事業財務情報が添付されていない

経済産業省の「ミラサポplus」に「GビズID」でログインし、「電子申請サポート」から最大過去3年間の財務情報を入力します。添付は「事業財務情報」のページをPDF保存したものが指定されており、独自のフォーマットやアレンジした資料は受け付けられません。

添付された書類にパスワードがかかっている、ファイルが破損している

申請前には、一度添付ファイルを開き、パスワード等かけていないか、破損等なくきちんと開くかも確認しておいた方が賢明でしょう。

事業再構築補助金の「加点項目」

事業再構築補助金には「審査項目」と「加点項目」があります。「審査項目」は申請にあたり必ず抑えておかなければならない点ですが、「加点項目」は必須でないものの、要件を満たすことで採択される可能性が上がるものです。

少しでも採択率を上げるため、内容をよく理解し、より多くの「加点項目」を満たしましょう。

売上高が30%以上減少していること

「緊急事態宣言枠」への申請でない場合でも、下記の要件を満たすことで加点になります。

  • 令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、2021年1月〜9月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で30%以上減少していること。また、売上高減少要件同様、付加価値額で要件を満たすことも可能です。
  • 又は、令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年1月〜9月のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で45%以上減少していること。

加点とするには「令和3年の国による緊急事態宣言の影響を受けたことの宣誓書」に加え、「売上減少に係る証拠書類」が必要になります。法人の場合の「売上減少に係る証拠書類」は次のとおりです。

  • (1) 申請に用いる任意の3か月の比較対象となるコロナ以前(2019年又は2020年1〜3月)の同3か月の売上が分かる年度の確定申告書別表一の控え(1枚)
  • (2) (1)の確定申告書と同年度の法人事業概況説明書の控え(両面)
  • (3) 受信通知(1枚)(e-Taxで申告している場合のみ))
  • (4) 申請に用いる任意の3か月(2020年又は2021年)の売上がわかる確定申告書別表一の控え(1枚)
  • (5) (4)の確定申告書と同年度の法人事業概況説明書の控え(両面)

なお、「緊急事態宣言特別枠」で提出する書類と重複する場合、追加での提出は不要となります。

固定費が同期間に受給した協力金の額を上回ること

「売上高30%以上減少」の要件を満たした上で、以下の条件を満たすことでさらなる加点となります。

  • 2021年1月〜9月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同月に受給した協力金の額を上回ること。

加点とするには「固定費が確認できる書類」と「協力金の受給に係る書類」の提出が必要になります。「固定費」とは家賃や人件費、光熱費等の固定契約料と公募要領に定義されており、「協力金」は緊急事態宣言の発令地域における感染拡大防止のための時短営業要請に係る自治体からの協力金を指しています。

こちらも「緊急事態宣言特別枠」で提出する書類と重複する場合、追加の提出は不要となります。

最低賃金枠に申請すること

第3回公募で創設された「最低賃金枠」への申請も加点対象となっています。前述した要件を満たし、かつ下記の「事業場内最低賃金を示す書類」を提出する必要があります。

  • 最低賃金確認書
  • 賃金台帳の写し

最低賃金要件の対象となる3か月分、最低賃金+30円以内の従業員全てがわかる賃金台帳の提出が求められています。

経済産業省が行うEBPMの取組への協力

「EBPM」とは、「Evidence-Based Policy Making」(証拠に基づく政策立案)のことで、限られた予算や資源の中で効果的な政策を打っていくために、各種の統計を正確に分析して、論理的に政策を評価・立案していく取組みです。

事業再構築補助金の採否に関わらず、申請した事業者からの継続的な情報提供が見込まれるかどうかというもので、加点とするには申請時にチェックを入れるだけなので、しっかりと抑えておきましょう。

まとめ

今回は、事業再構築補助金の採択結果や採択率を上げるための押さえるべき要点についてお伝えしました。

しかし、これらを通常業務を行う傍らこなしていくことは並大抵のことではありません。特に、補助事業の業務に慣れてない場合、相当の時間を割くことになるでしょう。

アフターコロナの事業再編に向け、是が非でも採択を勝ち取りたいのであれば、やはりプロフェッショナルに相談することが一番の近道であるといえます。

当社トライズコンサルティング代表の野竿は「認定経営革新等支援機関」であり、2019年度・2020年度のものづくり補助金の採択率97.0%の実績があります。事業再構築補助金についても審査基準を熟知し、中小企業診断士等の補助金に強い専門家によるサポートも充実しています。事業再構築補助金への申請をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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