IT導入補助金は、国内の中小企業等の生産性向上を目的に、ITツールの導入を支援する制度です。2022年11月8日(火)に令和4年度第2次補正予算が閣議決定され、2023年の大まかな募集内容が公表されました。
今回は、2023年のIT導入補助金について、補正予算で拡充された点と制度の主な概要について解説します。
IT導入補助金の補正予算での拡充点
IT導入補助金では、複数の申請類型による支援やハードウェア購入費を補助対象経費として認めるなど、2022年に拡充された内容は継続されます。それらに加えて、次の3点が補正予算によって拡充される予定です。
通常枠の補助下限額引き下げ
まず、「通常枠」の「A類型」における補助下限額が従前の30万円から5万円まで引き下げとなります。
「A類型」の補助率は1/2となっていますので、これまでは最低でも60万円以上の投資を行うことが必須となっていました。この変更により、最低10万円以上の投資から申請可能になり、より利用しやすい制度となりました。
通常枠のクラウド利用料の対象期間延長
さらに、「通常枠」の補助対象経費である「クラウド利用料」の期間が1年から2年に伸長されました。中小企業のITソリューションもクラウド型の利用ニーズが高まっていることによる拡充と考えられます。
デジタル化基盤導入類型の補助下限額撤廃
2022年に新設された「デジタル化基盤導入枠」の「デジタル化基盤導入類型」における、「会計・受発注・決済・ECソフト」に対する補助下限額が撤廃されています。
2023年度(令和5年)のIT導入補助金の概要
2023年(令和5年)に募集されるIT導入補助金の申請類型ごとの事業の目的、補助額、補助率はそれぞれ次のとおりです。
通常枠
自社の強みや弱み、事業環境などを分析し、直面する経営課題やニーズに即したITツールを導入することで、業務効率化や売上のアップを支援することを目的としています。導入するITツールの担う業務のプロセス数に応じて「A類型」と「B類型」を使い分けます。
A類型 | B類型 | |
補助額 | 5万円〜150万円未満 | 150万円〜450万円未満 |
補助率 | 1/2以内 |
デジタル化基盤導入枠
中小企業等で導入される会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの費用の一部を補助することで、2023年10月から導入されるインボイスへの対応も見据えた企業間取引のデジタル化を支援することを目的としています。「デジタル化基盤導入類型」に加え、複数社で取り組む「複数社連携IT導入類型」も準備されています。
デジタル化基盤導入類型 | ||||
補助額 | 会計・受発注・決済・ECソフト | PC・タブレット等 | レジ・券売機等 | |
50万円以下 | 50万円超〜350万円 | 〜10万円 | 〜20万円 | |
補助率 | 3/4以内 | 2/3以内 | 1/2以内 |
「複数社連携IT導入類型」の場合には、「デジタル化基盤導入類型」加え、次の支援が追加されます。
- 消費動向等分析経費:50万円×参画事業者数
- 事務費・専門家費:補助上限200万円
いずれも補助率は2/3以内です。なお、1は「デジタル化基盤導入類型」の経費と合計して3,000万円が補助上限となっています。
セキュリティ対策推進枠
中小企業等がサイバーインシデントにより、事業の継続が困難となる事態の回避とともに、サイバー攻撃被害による生産性を阻害するリスクや供給制約・価格高騰を引き起こす潜在的リスクを低減してもらうことを目的にしています。補助額は5万円〜100万円、補助率は1/2以内となっています。
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まとめ
IT導入補助金の2023年の補正予算の概要について解説しました。
消費行動の変化や労働人口の減少などにより、今後どのような業種であってもIT・DXは必須の取り組みとなっています。環境変化に対応できるよう、ぜひ早目に対応をご検討いただきたいと思います。
当記事を読んでいただき、御社でもIT導入補助金の活用を検討いただけましたら、ぜひ当社トライズコンサルティングまでお気軽にご連絡ください。相談は無料、Zoomによるオンライン対応も可能です。