2024年12月に公表された「令和6年補正予算案」により、新たに「中小企業新事業進出補助金(以下、「新事業進出補助金」といいます)」が新設されることがわかりました。新事業進出補助金は、2025年度から公募がなされる予定です。
新事業進出補助金とはどのような補助金なのでしょうか?また、新事業進出補助金について専門家による申請代行を依頼することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
今回は、2024年12月下旬時点で判明している新事業進出補助金の概要を紹介するとともに、新事業進出補助金の申請に申請代行を活用するメリットや注意点などについて解説します。
新事業進出補助金とは
新事業進出補助金とは、新規事業への挑戦を目指す中小企業の設備投資を促進する補助金です。既存の事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援するものであり、コロナ禍で創設された「事業再構築補助金」の後継制度といえるでしょう。
たとえば、次の場面などでの活用が想定されています。
- 機械加工業でのノウハウを活かして、新たに半導体製造装置部品の製造に挑戦する
- 医療機器製造の技術を活かして蒸留所を建設し、ウイスキー製造業に進出する
新事業進出補助金の概要
2024年12月下旬に概要資料が公表されたことにより、新事業進出補助金の基本要件や補助上限額、補助率などが判明しました。ここでは、基本要件や補助上限額など新事業進出補助金の制度概要を解説します。
基本要件
新事業進出補助金に申請するには、中小企業等が企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行い、次の要件をすべて満たす3年から5年の事業計画に取り組むことです。
- 付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加
- 次のいずれかを満たすこと
- 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上
- 給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加
- 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準
- 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表
なお、「新規事業」とは、その事業者にとっての新製品または新サービスを、新規顧客に提供する新たな挑戦を指します。
補助上限額と補助率
新事業進出補助金の補助上限額は従業員数によって異なっており、それぞれ次のとおりです。なお、カッコ内の金額は、大幅賃上げの要件を満たした場合に適用される補助上限額です。
従業員数 | 補助上限額 ※下限は750万円 | 補助率 |
---|---|---|
20人以下 | 2,500万円(3,000万円) | 1/2 |
21~50人 | 4,000万円(5,000万円) | |
51~100人 | 5,500万円(7,000万円) | |
101人以上 | 7,000万円(9,000万円) |
カッコ内の補助上限額が適用される大幅賃上げとは、事業終了時点で次の要件を達成することです。
- 事業場内最低賃金+50円
- 給与支給総額+6%
補助対象経費
新事業進出補助金の補助対象となる経費は次のとおりです。
- 建物費
- 構築物費
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
事業再構築補助金と同様に、補助金としてはめずらしく「建物費」が補助対象とされています。新規事業を営むための建物の改装費などが補助対象になると考えられます。
補助対象者
新事業進出補助金の補助対象者は、「企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等」です。ただし、一定の者は対象外となる可能性があります。詳細については、公募要領の公表をお待ちください。
新事業進出補助金を活用する流れ
新事業進出補助金は、どのような流れで活用すればよいのでしょうか?ここでは、一般的な流れを紹介します。
- 申請代行や申請サポートを依頼したい専門家に連絡する
- 計画を策定する
- 公募期間内に申請する
- 交付候補者が決まる
- 交付申請をして交付決定を受ける
- 補助事業を実施する
- 確定検査を受ける
- 補助金が交付される
- 事業化状況報告などをする
申請代行や申請サポートを依頼したい専門家に連絡する
はじめに、申請代行や申請サポートを依頼したい専門家に連絡をとります。
新事業進出補助金は新しい補助金であり、自社だけで申請することは容易ではありません。そのため、補助金の申請代行や申請サポートを手がけている専門家にサポートを受けることをおすすめします。
新事業進出補助金は従来の事業再構築補助金と重なる点も多いことから、事業再構築補助金のサポート実績が豊富な専門家を選ぶとよいでしょう。
計画を策定する
次に、新事業進出に関する事業計画を策定します。この事業計画は、先ほど解説した要件を満たす内容としなければなりません。
この事業計画が、採択・不採択の判断に大きく影響します。そのため、専門家からコンサルティングを受けて内容を十分に練り込むことが、採択の可能性を高めることへとつながります。
公募期間内に申請する
新事業進出補助金はいつでも申請できるのではなく、所定の公募期間内に申請しなければなりません。申請期限に1日でも遅れると受付がされなくなるため、期限管理にご注意ください。
なお、近年の事業者向けの補助金は多くが電子申請のみの受付とされており、申請には「gBizIDプライムアカウント」が必要です。gBizIDプライムアカウントとは、1つのIDとパスワードでさまざまな行政サービスにログインできるサービスであり、利用機会はますます増大するでしょう。
アカウントの取得には申請から1週間から2週間程度を要するため、現時点でIDを取得していない事業者様は、あらかじめIDの取得だけでも進めておくことをおすすめします。
交付候補者が決まる
公募期間の満了後に、交付候補者(採択事業者)が決定されます。なお、たとえ採択されたとしても、この時点で補助金が受け取れるわけではありません。交付候補者となった(採択された)場合には、次のステップへと進みます。
交付申請をして交付決定を受ける
交付候補者に選定されたら、交付申請をして交付決定を受けます。補助金は、交付決定前に支出した費用については補助対象とならないのが原則です。そのため、交付申請はできるだけすみやかに行いましょう。
補助事業を実施する
交付決定を受けたら、補助事業を実施します。補助事業の実施とは、補助対象経費の支出などを指します。
なお、この時点ではまだ補助金が交付されていないため、補助金を直接経費の支払いに充てることはできません。そのため、必要に応じて融資との併用も検討するとよいでしょう。
補助金を受け取るまでの期間、一時的に受ける融資のことを、「つなぎ融資」といいます。
確定検査を受ける
補助事業を実施したら、実施報告をして確定検査を受けます。実施報告にはさまざまな証拠書類が必要となるため、必要書類をあらかじめ確認したうえで、不足が生じないよう注意しておきましょう。
補助金が交付される
確定検査の結果問題がないと判断されると、ようやく補助金が交付されます。つなぎ融資を受けていた場合には、金融機関との取り決めに従い、すみやかに返済しておきましょう。
事業化状況報告などをする
新事業進出補助金は、補助金の受給後も事業化状況報告などが求められます。適切に報告をしなければ補助金の返還が求められる可能性があるため、報告を失念しないよう注意が必要です。
新事業進出補助金で申請代行を活用するメリット
新事業進出補助金の申請は、専門家による申請代行や申請サポートを受けて行うのがおすすめです。では、専門家による申請代行や申請サポートを受けるメリットは、どのような点にあるのでしょうか?ここでは、主なメリットを4つ解説します。
- 自社で要する時間や手間を削減できる
- 新事業と真摯に向き合うきっかけとなる
- 採択の可能性を高められる
- 申請期限に遅れづらくなる
自社で要する時間や手間を削減できる
1つ目は自社で要する時間や手間を大きく削減できることです。
新事業進出補助金に自力で申請しようとすると、多大な時間と労力を要します。また、新しい補助金であることから過去の採択事例などを参考にすることもできず、自力で公募要領を読み込みポイントを押さえなければなりません。補助金申請に多大な時間や労力を割けば、本業に割くべきリソースを圧迫する事態ともなりかねないでしょう。
専門家に申請代行や申請サポートを依頼することで、自社で要する時間や手間を最小限に抑えることが可能となります。
新事業と真摯に向き合うきっかけとなる
2つ目は、新事業と真摯に向き合うきっかけとなることです。
専門家に申請代行や申請サポートを依頼する場合、専門家とともに補助対象としたい新事業の内容を練り込むこととなります。これが、自社の新事業とより真摯に向き合うきっかけとなるでしょう。
採択の可能性を高められる
3つ目は、採択の可能性を高められることです。
専門家が申請代行などをしたからといって、採択の判断において加点となるわけではありません。しかし、専門家からコンサルティングを受けることで、自社だけでは見落としていた計画の穴や弱点などに気付き、より収益性や実現性、整合性の高い計画となります。
その結果、採択の可能性を高めることにつながるでしょう。
申請期限に遅れづらくなる
4つ目は、申請期限に遅れづらくなることです。
自力で申請する場合、本業が多忙となった際に補助金申請にまで手が回らなくなり、気付いたときには申請期限が過ぎていたという事態になりかねません。
一方で、専門家に申請代行や申請サポートを依頼した場合には専門家側が期限管理をしてくれるため、申請期限に遅れづらくなります。
新事業進出補助金で申請代行を依頼する際の注意点
新事業進出補助金の申請について、専門家に申請代行や申請サポートを依頼する際は、どのような点に注意する必要があるのでしょうか?ここでは、主な注意点を3つ解説します。
- 専門家によるサポート内容や力量はまちまちである
- 専門家に「丸投げ」できるわけではない
- 悪質な業者が混じっている可能性がある
専門家によるサポート内容や力量はまちまちである
補助金の申請代行や申請サポートといっても、具体的なサポート内容は専門家によって異なる可能性があります。
当社ではコンサルティングを行い申請内容の練り込みからサポートをしている一方で、事業者様から言われた内容を単に書類に落とし込むだけであるケースもあるでしょう。また、専門家の実績や力量などにも、バラつきがあるのが現状です。
そのため、依頼する専門家は、その専門家の実績や補助金に関する知識などを確認したうえで慎重に選ぶことをおすすめします。
なお、新事業進出補助金は新しい補助金であるため、実績のある専門家は存在しません。ただし、事業再構築補助金と共通する部分が多いため、事業再構築補助金の実績を尋ねるとよいでしょう。
専門家に「丸投げ」できるわけではない
専門家に新事業進出補助金の申請代行や申請サポートを依頼しても、計画の策定段階から専門家に「丸投げ」できるわけではありません。事業アイディアを練るのは事業者としての職務であり、実際にその新事業を運営していくのも事業者様自身であるためです。
そのため、「補助金が欲しいから、何か適当に事業計画を作って」などの依頼ができるわけはないことは誤解のないようご注意ください。
そもそも、補助金は「お金をもらうために、何か事業を考える」ものではなく、「やりたい事業があるものの資金調達にハードルがあり、そのハードルを越えるために活用する」ものです。補助金欲しさに作った付け焼き刃の計画では、採択される可能性も低いでしょう。
ただし、「アイディアはあるものの詳細が詰め切れていない」「事業内容は決まっているものの、数字に落とし込めていない」などの場合に、専門家がコンサルティングを行って詰めていくことは可能です。
お困りの際は、トライズコンサルティングまでご相談ください。
悪質な業者が混じっている可能性がある
補助金の申請代行や申請サポートを行う「専門家」には、稀に悪質な業者が混じっていることがあります。そのような業者に依頼してしまうと、当初の説明とは異なる法外な報酬を請求されるかもしれません。
また、「コピペ」など粗悪な書類を作成され、採択が遠のいてしまうおそれもあるでしょう。そして、要件を満たさない場合に虚偽申請をそそのかされる場合もあるようです。
そのような業者に依頼してしまわないよう、新事業進出補助金の申請代行を依頼する専門家は慎重に選定したうえで、料金なども事前に明確に確認しておくことをおすすめします。料金やサポート内容は口頭ではなく、書面など記録の残る形で取り交わすとよいでしょう。
また、補助金の虚偽申請は、懲役刑もあり得る重大な犯罪です。たとえ業者からそそのかされたとしても、絶対に乗らないようご注意ください。
2024年12月現在における新事業進出補助金の最新情報
2024年12月下旬現在、新事業進出補助金は「事務局」の公募がされている段階であり、すぐに申請することはできません。この「事務局」の公募要領によると、2025年4月頃に受給希望者向けの公募要領が公開される予定です。この頃には、具体的な申請スケジュールも公表されるでしょう。
新事業進出補助金への申請をご希望の事業者は、今後の情報にご注意ください。また、早い段階から申請代行を依頼したい専門家を選定し、コンタクトをとっておくことをおすすめします。
依頼予定の専門家へあらかじめ連絡しておくことで公募開始の情報を逃しづらくなるほか、新事業の練り込みなどの事前準備に早期から取り掛かることが可能となります。
新事業進出補助金の申請代行はトライズコンサルティングにお任せください
新事業進出補助金の申請代行や申請サポートは、当社トライズコンサルティングにお任せください。最後に、トライズコンサルティングの主な特長を4つ紹介します。
- 代表は中小企業診断士かつ認定支援機関である
- サポートした案件で高い採択率を誇っている
- 交付申請や実績報告まで一貫してサポートしている
- 全国対応している
代表は中小企業診断士かつ認定支援機関である
トライズコンサルティングの代表である野竿は、中小企業診断士の資格を有しています。中小企業診断士とは、中小企業の経営コンサルティングを専門とする国家資格です。
また、野竿は中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関である「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」としても登録を受けています。そのため、確かな知識に裏打ちされた的確な申請サポートが可能です。
サポートした案件で高い採択率を誇っている
トライズコンサルティングは、サポートした補助金の案件について高い採択率を誇っています。
特に大型補助金への申請を得意としており、新事業進出補助金の前身である事業再構築補助金では、2023年5月時点までの採択累計数は80件、採択率は86.9%でした。事業再構築補助金公式ホームページに掲載されている採択結果一覧の各PDFで「野竿」と検索することで、当社がサポートした案件を見つけることも可能です。
当社の採択率が高いのは、1社1社のクライアント様の申請内容についてトップコンサルタントが時間をかけてコンサルティングを行い、事業内容の練り込みを行った結果であると自負しております。
交付申請や実績報告まで一貫してサポートしている
先ほどの流れで解説したとおり、新事業進出補助金では、申請後も交付申請や実績報告などさまざまな手続きが必要です。
新事業進出補助金の交付申請や実績報告の内容はまだ公表されていないものの、事業再構築補助金ではこれらの手続きが非常に煩雑でした。この煩雑な手続きに対応できず、せっかく採択された補助金の受給を諦めた事業者もいるようです。
そうであるにもかかわらず、交付申請や実績報告までは対応しない専門家も少なくありません。トライズコンサルティングでは、クライアント様のご希望に応じ、交付申請や実績報告まで一貫したサポートが可能です。
全国対応している
トライズコンサルティングではご相談や打ち合わせにZoomなどのオンラインツールを活用しており、全国対応を実現しています。そのため、地域を問わずご相談・ご依頼いただくことが可能です。
また、出張先などからも打ち合わせを進められるため、多忙な事業者様からもご好評をいただいています。
まとめ
新事業進出補助金の概要や補助上限額、活用の流れを紹介するとともに、新事業進出補助金について申請代行を依頼するメリットや注意点などを解説しました。
新事業進出補助金とは新規事業への挑戦を目指す中小企業の設備投資を促進する補助金であり、2025年度からの公募が予定されています。従来の事業再構築補助金に代わる制度であり、補助上限額も非常に高額に設定されています。新事業の展開を予定している事業者様は、ぜひ活用を検討するとよいでしょう。
とはいえ、新事業進出補助金の申請には多大な労力を要するうえ、採択を得られるレベルにまで自力で事業計画を練り込むことは容易ではありません。そこでおすすめなのが、専門家による申請代行や申請サポートの活用です。
専門家のサポートを受けることで、自社で投じる時間や手間を最小限に抑えられます。また、専門家からコンサルティングを受けて事業計画を練り込むことで、採択の可能性を高めることにもつながるでしょう。
当社トライズコンサルティングでは補助金の申請サポートに力を入れており、新事業進出補助金の前身である事業再構築補助金についても多くの採択を勝ち取ってきた実績があります。新事業進出補助金への申請をご希望の事業者様は、トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。
補助金の活用に関する初回のご相談は、無料です。また、Zoomなどのオンラインツールを活用するため、全国どこからでもご相談・ご依頼いただけます。