補助金には国が展開するもののほか、都道府県などの自治体が独自に設けている制度も存在します。中でも東京都には事業者を応援する補助金や助成金制度が多く存在し、代表的なものの一つが「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」です。
これは、本店や支店が東京都内にある一定の法人や個人が「事業の深化または発展」をする際に必要となる資金の一部を助成する制度です。要件を満たす事業者様は、獲得にチャレンジするとよいでしょう。
ただし、助成金の申請には手間と時間を要するため、申請にあたっては専門家による申請代行や申請サポートを活用することをおすすめします。専門家に申請代行を依頼することで自社で要する手間と時間を軽減できるほか、補助金の獲得に近づきやすくなります。
では、この「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」とは、どのような助成制度なのでしょうか?また、専門家による申請代行を活用した場合、「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」活用の流れはどのようになるのでしょうか?今回は、2025年度における「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」の概要や要件、活用の流れなどについて、くわしく解説します。
なお、当社トライズコンサルティングは補助金や助成金の申請代行を手掛けており、多くの採択を勝ち取ってきた実績があります。「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」への申請をご希望の事業者様は、当社トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業とは
「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」とは、東京都中小企業振興公社が展開している助成金事業です。ポストコロナ等における事業環境変化に対応するために、事業者が創意工夫のもとで「これまで営んできた事業の深化または発展」に取り組み、これが経営基盤の強化につながると認められた場合に、取り組みに必要な経費の一部を助成するものです。
従来は「一般コース」のみが設けられていましたが、2025年度からこれに加えて「小規模事業者向けアシストコース」も創設されました。所定の要件を満たして申請し、採択されることで、最大800万円(小規模事業者向けアシストコースは200万円)の事業資金を受け取ることができます。なお、不正受給など一定の場合を除いて、受け取った助成金を返還する必要はありません。
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業で助成対象となる取り組みの例
「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」では、どのような取り組みが助成対象となるのでしょうか?ここでは、助成対象となる取り組みと対象外である取り組みをそれぞれ解説します。自社で行おうとする取り組みが助成の対象となるか確認したい場合には、当社トライズコンサルティングまでご相談ください。
助成対象となる取り組み
この事業の助成対象となる取り組みは、次のいずれかの取り組みです。
- 既存事業の「深化」:経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業自体の質を高めるための取り組み
- 既存事業の「発展」:経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業を基に、新たな事業展開を図る取り組み
これらに該当する取り組みの例は、「一般コース」の場合、次のとおりです。
- 「深化」の例
- 高性能な機器、設備の導入等による競争力強化の取り組み
- 既存の商品やサービス等の品質向上の取り組み
- 高効率機器、省エネ機器の導入等による生産性の向上の取り組み
- 「発展」の例
- 新たな商品、サービスの開発
- 商品、サービスの新たな提供方法の導入
- その他、既存事業で得た知見等に基づく新たな取り組み
一方で、「小規模事業者向けアシストコース」における深化と発展の例は、それぞれ次のとおりです。
- 「深化」の例
- 既存製造工程を機械化するための機械装置、工作器具の導入(生産性向上)
- 既存事業に関する高効率機器、省エネ設備の導入等(業務効率化)
- 既存システムの改修(業務効率化)
- 「発展」の例
- 新商品の量産化に必要な機械装置、工作器具の導入(生産性向上)
- 新商品の販売や新サービス提供に必要な設備導入(生産性向上)
- 自社で使用する新システムの構築(業務効率化)
助成対象外となる取り組み
次の取り組みは、この事業の助成対象にはならないとされています。
- 申請者が営んできた事業内容との関連性が薄い取り組みや、まったく関連性がない取り組み
- 法令改正への対応など、義務的な取り組み
- 単なる老朽設備の維持更新など、競争力や生産性の向上に寄与しない取り組み
自社が検討している取り組みが助成対象になるか否か判断に迷う際には、当社トライズコンサルティングまでご相談ください。予定している取り組みが「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」の助成対象にはならない可能性がある場合には、別の補助金への申請を提案することも可能です。
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の概要
続いては、「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」の概要を解説します。
助成対象経費
この事業の助成対象となる経費は、次のとおりです。
- 原材料・副資材費:製品やサービスの改良等に直接使用し、消費する原材料、副資材、部品等の購入に要する経費
- 機械装置・工具器具費:製品・サービスの改良等に直接使用する機械装置・工具器具等を新たに購入・リース・レンタルする際に要する経費
- 委託費・外注費
- 委託費:自社内で直接実施することができない製品やサービス改良の一部を外部の事業者等に依頼する経費
- 外注費:自社内で直接実施することができない製品やサービス改良の一部を外部の事業者等に依頼する経費
- 共同研究費:共同研究契約により共同研究を実施するために要する経費
- 市場調査費:本助成事業における想定顧客のニーズを調査・分析するため、外部の事業者等に依頼するために要する経費
- 産業財産権出願・導入費:改良等をした製品・サービスに係る特許権等の出願に要する経費や、必要な特許権等の実施許諾を受けるために必要な経費
- 規格等認証・登録費:改良等をした製品・サービスの規格適合、認証の申請・審査・登録に要する経費など
- 設備等導入費:本事業の取組に直接必要な設備・備品等の購入費及びそれらの設置工事等に直接必要な経費
- システム等導入費:本事業の取組に直接必要なシステム構築、ソフトウェア・ハードウェア導入、クラウド利用等に要する経費
- 専門家指導費:本事業の取組について、外部の専門家から専門技術等の指導・助言を受ける場合に要する経費
- 不動産賃借料:本事業の取組に必要な事務所、施設等を新たに借りる場合に要する経費
- 販売促進費(200万円まで):自社Webサイトの制作・改修費や印刷物製作費、PR動画製作費、広告費、ECサイト出店初期登録料、展示会出展料など
- その他経費(100万円まで):本事業の取組に直接必要な経費で、他の経費区分に属さないもの
助成限度額
この事業での助成限度額は800万円です。また、助成率は助成対象経費の3分の2以内とされています。
たとえば、対象の経費を1,500万円支出しこれが助成対象として相応しいと認められた場合は、800万円(1,500万円×3分の2=1,000万円。1,000万円≧800万円であるため、800万円)の助成金が受け取れるということです。
助成対象者
この事業の助成対象者は、次のすべての要件を満たす者です。
- 中小企業者に該当する、一定の法人または個人であること
- 大企業が実質的に経営に参画していないこと
- それぞれ、次の場所が都内にあること
- 法人:本店または支店の登記
- 個人:納税地
- 直近決算期の売上高が「2019年の決算期以降のいずれかの決算期」と比較して減少している、または直近決算期において損失を計上していること
その他、「事業税等を滞納(分納)していないこと」など、細かな要件も定められています。より詳細な申請要件は、募集要項をご確認ください。
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業(小規模事業者向けアシストコース)の概要
続いて、事業環境変化に対応した経営基盤強化事業のうち、2025年度から新たに誕生した「小規模事業者向けアシストコース」の概要を解説します。
助成対象経費
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業の「小規模事業者向けアシストコース」で助成対象となる経費は、次のとおりです。一般コースとは対象となる経費の範囲が異なるため、ご注意ください。
- 機械装置・工具器具費:製品・サービスの改良等に直接使用する機械装置・工具器具等を新たに購入する際に要する経費
- 設備等導入費:助成対象事業の取り組みに直接必要な設備・備品等の購入費及びそれらの設置工事等に直接必要な経費
- システム等導入費:助成対象事業の取り組みに直接必要なシステム構築、ソフトウェア・ハードウェア導入、クラウド利用等に要する経費
助成限度額
「小規模事業者向けアシストコース」の助成限度額は200万円、助成率は助成対象経費の3分の2以内とされています。ただし、賃金引上げ計画を策定し実施した事業者は、助成率が5分の4以内へと引き上げられます。
助成対象者
「小規模事業者向けアシストコース」の助成対象者は、次のすべての要件を満たす者です。
- 都内の中小企業者で、大企業が実質的に経営に参画していないこと
- 小規模企業者(製造業・その他は従業員数20人以下、商業・サービス業は従業員数5人以下)に該当すること
- それぞれ、次の場所が都内にあること
- 法人:本店(実施場所が都内の場合は支店でも可)の登記
- 個人:納税地
- 申請受付開始日時点で次のいずれかに該当すること
- 直近決算期の売上高が、「2023年の決算期以降のいずれかの決算期」と比較して減少している
- 直近決算期において損失を計上している
- この事業や新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業で一度も交付を受けていないこと
- 申請内容が申請者が所有又は賃借する本社・事業所・工場等において取り組まれ、実施場所に応じて次の条件を満たすこと
- 東京都内:申請受付開始日時点で東京都内に登記簿上の本店又は支店がある
- 東京都外:申請受付開始日時点で東京都内に登記簿上の本店がある
- 東京都暴力団排除条例に規定する暴力団関係者や、風営法2条に規定する風俗関連業、ギャンブル業、賭博等、支援の対象として社会通念上適切でないと判断される業態を営むものではないこと
その他、「事業税等を滞納(分納)していないこと」や「過去5年間に助成事業等に関して、不正等の事故を起こしていないこと」など、細かな要件も定められています。より詳細な申請要件は、募集要項をご確認ください。
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業のスケジュール
「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」の一般コースの公募スケジュールは、次のとおりです。
- 第2回(予定):2025年7月1日から7月14日まで
- 第3回(予定):2025年9月1日から9月12日まで
- 第4回(予定):2025年11月4日から11月14日まで
- 第5回(予定):2026年1月5日から1月14日まで
- 第6回(予定):2026年3月2日から3月13日まで
一方、「小規模事業者向けアシストコース」の公募スケジュールは次のとおりです。
- 第1回:2025年6月2日から6月13日まで
- 第2回(予定):2025年8月1日から8月14日まで
- 第3回(予定):2025年10月1日から10月14日まで
- 第4回(予定):2025年12月1日から12月12日まで
- 第5回(予定):2026年2月2日から2月13日まで
これらはあくまでも予定であり、早期に打ち切られる可能性や内容が変更される可能性は否定できません。そのため、申請をご希望の事業者様は、当社トライズコンサルティングまでお早めにご相談ください。
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請代行はトライズコンサルティングにお任せください
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業への申請をご検討の際は、当社トライズコンサルティングまでご相談ください。
トライズコンサルティングの概要と、ご依頼いただく主なメリットを紹介します。
「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」への申請をご希望の事業者様は、当社トライズコンサルティングへご相談ください。トライズコンサルティングとは、中小企業診断士であり、認定支援機関としても登録されている野竿が代表を務めるコンサルティング企業です。
当社は補助金や助成金などへの申請サポートを得意としており、多くの案件で採択を勝ち取ってきた実績があります。補助金や助成金の申請を自社で行おうとすれば、多大な時間や労力を要してしまうでしょう。
自社の本業に注力しつつ効果的に補助金や助成金を活用したい事業者様は、ぜひ当社へお任せください。
トライズコンサルティングとは
トライズコンサルティングでは、中小企業診断士である野竿が代表を務めるコンサルティング企業です。中小企業様の「お金」の悩みにフォーカスしたサポートを展開しており、なかでも補助金の申請サポートを強みとしています。
また、代表の野竿は認定支援機関としても登録されているため、確かな知識と経験によるサポートが可能です。
トライズコンサルティングに依頼するメリット
「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」についてトライズコンサルティングにご依頼いただく主なメリットを4つ紹介します。
- 自社でかける手間と時間を最小限に抑えられる
- 専門家による事業コンサルティングが受けられる
- 補助金に採択される可能性を高められる
- オンラインでの打ち合わせ完全対応のため移動時間の負担がない
自社でかける手間と時間を最小限に抑えられる
1つ目は、自社でかける手間や時間を最小限に抑えられることです。
補助金や助成金に申請するには、その制度ごとに異なる公募要領を読み込み、理解しなければなりません。そのうえで、自社が申請要件を満たすか否かの確認や、公募要領に沿った申請書類の作成なども必要です。忙しい事業者様がこれらをすべて行うことは容易ではないでしょう。
トライズコンサルティングにお任せいただくことで労力と時間を抑えられ、自社の本業に注力しやすくなります。
専門家による事業コンサルティングが受けられる
2つ目は、専門家による事業コンサルティングが受けられることです。
助成金や補助金を申請する中では、その補助金を使って何をするのか、そして何を実現したいのかなどの計画を策定しなければなりません。当社に申請サポートをご依頼いただいた際は、経験豊富なコンサルタントがこの事業計画の練り込みからサポートします。
策定した計画は「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」の申請において必要となるのみならず、その後の事業運営の拠りどころともなり得ます。
補助金に採択される可能性を高められる
3つ目は、補助金に採択される可能性が高まることです。
当社コンサルタントが事業計画の練り込みからサポートすることで、事業計画の実現性や全体の整合性が高まります。また、審査ポイントや注意点などを踏まえて、申請書類の作成をサポートします。これらにより、採択の可能性を高めることが可能となります。
オンラインでの打ち合わせ完全対応のため移動時間の負担がない
4つ目は、オンラインでの打ち合わせに完全対応しており、移動時間の負担が生じないことです。
当社トライズコンサルティングではZoomなどを活用し、打ち合わせを行っています。そのため、忙しい事業者様が移動時間をかけることなく、コンサルタントへの相談や打ち合わせが可能です。
新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の申請代行の手順・流れ
「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」の活用は、どのような流れとなるのでしょうか?ここでは、助成金が振り込まれるまでの一般的な流れについて解説します。
- 専門家に相談する
- 申請内容を検討する
- 申請する
- 採択事業者が決まる
- 助成対象の取り組みを実施する
- 実績報告書を提出して完了検査を受ける
- 助成金が振り込まれる
専門家に相談する
「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」に自力で申請しようとすれば、多大な時間と手間を要し、本業に割くべきリソースを圧迫することにもなりかねません。
そのため、まずは申請代行や申請サポートを手がけている専門家にコンタクトをとることをおすすめします。専門家のサポートを受けることで、申請のために自社が今行うべきことなども明確となります。
申請内容を検討する
専門家のサポートを受け、申請内容を検討します。申請内容を十分に練り込むことで、採択の可能性を高めることが可能となります。
申請内容を検討したら、これを申請書類に落とし込みます。
申請する
所定の期限内に、申請手続きを行います。期限に遅れると申請できなくなるため、期限の管理にご注意ください。
なお、申請にはデジタル庁が所管する「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。アカウントを持っていない場合には、あらかじめ取得しておくことをおすすめします。
アカウントの取得には2週間程度を要するため、助成金の申請期限間際になってからアカウントの取得を進めた場合には、期限に間に合わないかもしれません。
採択事業者が決まる
公募期間の満了後に審査がなされ、採択・不採択が決まります。採択の通知を見落とさないよう、注意しておきましょう。
助成対象の取り組みを実施する
採択がなされても、すぐに助成金が振り込まれるわけではありません。まずは、自己資金などで助成対象の取り組みを実施します。資金が不足する場合には、金融機関からの融資を併用するとよいでしょう。
実績報告書を提出して完了検査を受ける
助成対象の取り組みを実施したら、実績報告書を作成して提出します。実績報告書を提出したら、これについて検査がなされます。
助成金が振り込まれる
検査の結果問題がなければ、ようやく助成金が振り込まれます。金融機関から一時的な融資を受けていた場合には、助成金をもとに速やかに返済しましょう。
まとめ
東京都で展開されている「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」について解説しました。
事業環境変化に対応した経営基盤強化事業とは、事業の深化や発展に要する費用の一部について助成が受けられる制度です。従来の「一般コース」に加え、2025年度には新たに「小規模事業者向けアシストコース」が創設されました。
申請をして助成金を受給できれば思い切った事業投資がしやすくなり、事業の成長スピードを早めることが可能となります。申請要件を満たす事業者様は、獲得へ向けてチャレンジするとよいでしょう。
ただし、事業環境変化に対応した経営基盤強化事業への申請には手間や時間がかかるため、補助金制度にくわしい専門家による申請代行や申請サポートの活用をおすすめします。専門家に代行を依頼することで手間や時間を大きく削減できるほか、公募要領を踏まえた的確な書類作成が可能となることで、採択の可能性を高めることにもつながります。
当社トライズコンサルティングでは補助金や助成金の申請サポートについて豊富な実績を有しており、サポートした案件で高い採択率を誇っています。「事業環境変化に対応した経営基盤強化事業」への申請をご希望の事業者様は、トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。補助金や助成金の活用に関する初回のご相談は無料です。