【2024】大規模成長投資補助金の公募が開始!事業概要と要件をわかりやすく解説

大規模成長投資補助金の公募が開始

補助上限額が最大50億円である「大規模成長投資補助金」が創設され、令和6年(2024年)3月から公募が開始されています。

大規模成長投資補助金とは、どのような補助金なのでしょうか?また、大規模成長投資補助金は、どのような流れで申請すれば良いのでしょうか?

今回は、大規模成長投資補助金について詳しく解説します。申請をご希望の事業者様には申請サポートを行っていますので、お気軽にご相談ください。

大規模成長投資補助金とは

大規模成長投資補助金は、正式名称を「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」といいます。はじめに、大規模成長投資補助金の概要を解説します。

事業の目的

大規模成長投資補助金の目的は、地域の雇用を支える中堅・中小企業が人手不足などの喫緊の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進することで、地方における持続的な賃上げを実現することです。

補助対象者が選定される際は、この目的に沿っている事業であることがポイントとなるため、あらかじめ目的を理解しておきましょう。

補助上限額

大規模成長投資補助金の補助上限額は、50億円です。補助率は3分の1以内とされています。非常に大型の補助金であるため、要件を満たす場合は、ぜひ獲得にチャレンジするとよいでしょう。

なお、令和6年(2024年)4月時点では、申請枠は一つだけです。

大規模成長投資補助金の対象者

大規模成長投資補助金の対象者は、次の2つの要件を満たす者です。

  • 日本国内に、本社と補助事業の実施場所を有すること
  • 常時使用する従業員の数が2,000人以下である会社または個人等であること

ただし、発行済株式総数または出資金額の2分の1以上が同一の大企業である場合など一定の場合には、大企業とみなされて補助対象外となります。

また、「常時使用する従業員」とは労働基準法による「予め解雇の予告を必要とする者」と解されており、日々雇い入れられる者や2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者は含まれません。

対象事業者の要件を満たすかどうか判断に迷う場合は、専門家へご相談ください。

大規模成長投資補助金の対象となる事業の要件

大規模成長投資補助金には、申請する事業にも要件が定められています。大規模成長投資補助金の対象とするためには、次の要件をすべて満たさなければなりません。

  • 投資額が10億円以上であること
  • 賃上げ要件を達成すること
  • 補助対象外となる一定の事由に該当しないこと

投資額が10億円以上であること

1つ目は、外注費と専門家経費を除く補助対象経費が10億円以上であることです。

大規模成長投資補助金はその名称どおり「大規模」な投資を補助対象としているため、10億円未満の投資は補助対象となりません。

なお、投資場所が複数地域になる場合であっても対象となるものの、補助事業の目的や内容が一体的であることが必要とされます。異なる目的でさまざまな事業投資をして、結果的にトータルで10億円以上となればよいわけではないことには注意が必要です。

賃上げ要件を達成すること

2つ目は、賃上げ要件を達成することです。

具体的には、補助事業の終了後3年間における補助事業に関わる従業員と役員の1人あたり給与支給総額の年平均上昇率が、補助事業実施場所の都道府県における直近5年間(2018年度を基準とし、2019年度から2023 年度の5年間)の最低賃金の年平均上昇率以上であることが必要です。

大規模成長投資補助金の申請をする際にこの基準以上の賃上げをする旨の目標を掲げたうえで従業員などに表明し、その後実際に達成することが要件とされます。

申請時に掲げた 1人あたり給与支給総額の年平均上昇率の目標を達成できなかった場合は、未達成率に応じて補助金の返還が求められます。ただし、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は、返還を求めないとされています。

なお、自社で行おうとする賃上げがこの要件をクリアするものであるか、判断に迷うこともあるでしょう。お困りの際は、当社など専門家へご相談ください。

補助対象外となる一定の事由に該当しないこと

3つ目は、事業者や事業が、補助対象外となる一定の事由に該当しないことです。

補助対象外となる主な事由は次のとおりです。大規模成長投資補助金の申請をする際は、これらに該当していないことをよくご確認ください。

  1. 経済産業省から補助金交付等停止及び契約に係る指名停止措置が講じられている事業者
  2. 補助事業期間に限り従業員数を削減して補助事業期間終了後に増員をするなど、専ら本事業の対象となることを目的として従業員数等を変更していると認められた事業者
  3. 国内金融機関に口座を有しておらず、日本円で精算を行えない事業者
  4. 具体的な補助事業の実施の大半を他社に外注または委託し、企画だけを行う事業
  5. 農業を行う事業者が単に別の作物を作る、飲食店が新しく漁業を始めるなど、補助事業が1次産業(農業、林業、漁業)である事業
  6. 主に従業員の解雇を通じて賃上げ要件を達成させるような事業
  7. 公序良俗に反する事業
  8. 法令に違反する事業や違反する恐れがある事業、消費者保護の観点から不適切であると認められる事業
  9. 「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に定める性風俗関連特殊営業と店舗型性風俗特殊営業
  10. 「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」に規定する暴力団又は暴力団員と関係がある中小企業等またはリース会社による事業
  11. 重複案件
  12. 国庫や公的制度からの二重受給
  13. 申請時に虚偽の内容を含む事業
  14. その他制度趣旨や公募要領にそぐわない事業

自社の取り組みが補助対象となるかどうか判断に迷う場合は、当社など専門家へご相談ください。

大規模成長投資補助金の補助対象経費

大規模成長投資補助金では、どのような経費が補助対象となるのでしょうか?ここでは、補助対象経費の概要を解説します。

なお、ここで解説する注意点は、公募要領から特に重要なものを抜粋したものです。ここに記載した事項以外にも成約や注意点があるため、実際に申請しようとする際は、公募要領をよく確認するか専門家へご相談ください。

  • 建物費
  • 機械装置費
  • ソフトウェア費
  • 外注費
  • 専門家経費

建物費

建物費とは、専ら補助事業のために使用される事務所や生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他成長投資計画の実施に不可欠と認められる建物の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費です。

建物費が対象となる補助金はさほど多くないため、新型コロナ禍で誕生した「事業再構築補助金」が建物費も対象とされることが公表された際に、非常に話題となりました。この大規模成長投資補助金でも、建物費が対象となります。

ただし、建物の単なる購入や賃貸、土地代は補助対象外です。また、入札や相見積もりが必要であるなど特に厳格な要件が課されているため、建物費を補助対象としたい場合は、対象となる経費であるかどうかあらかじめ十分確認することをおすすめします。

機械装置費

機械装置費とは、専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費と、これらの改良や修繕、据付け、運搬に要する経費です。

ただし、構築物や船舶、航空機、車両運搬具に係る経費は補助対象外とされています。また、中古設備を対象としたい場合には、古物商の許可を得ている3者以上の中古品流通事業者から、型式や年式が記載された相見積もりを取得しなければなりません。

ソフトウェア費

ソフトウェア費とは、専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェアや情報システムなどの購入、構築、借用、クラウドサービス利用に要する経費です。また、これらと一体で行う場合に限り、改良や修繕に要する経費も対象となります。

ただし、自社の他事業と共有する場合は補助対象外となるほか、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどの本体費用は補助対象外です。

外注費

外注費とは、補助事業遂行のために必要な加工や設計、検査などの一部を外注(請負・委託)する場合に要する経費です。

ただし、大規模成長投資補助金の応募申請に必要となる成長投資計画の作成に要する経費は、補助対象外となります。また、事業者が行うべき手続きの代行は、対象になりません。

専門家経費

専門家経費とは、事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費です。ただし、専門家へ支払う謝金の1日あたり単価は、税抜で次のとおりとされています。

  •  大学教授、弁護士、弁理士、公認会計士、医師:5万円以下
  •  准教授、技術士、中小企業診断士、ITコーディネータ:4万円以下
  • 上記以外:2万円以下

こちらも、この補助金の応募申請に必要な成長投資計画の作成を依頼した場合の報酬は、補助対象外です。また、専門家経費支出対象者には、外注費を併せて支出することはできません。

大規模成長投資補助金を活用する流れ

大規模成長投資補助金を活用するには、どのような流れで進めればよいのでしょうか?ここでは、一般的な流れを解説します。

  • 専門家へ相談する
  • GビズIDプライムアカウントを取得する
  • 申請する
  • 採択・不採択が決定される
  • 交付申請をする
  • 補助事業を実施する
  • 事業報告をする
  • 補助額が確定し、交付される
  • 事業化や賃金引上げの状況などを報告する

専門家へ相談する

大規模成長投資補助金は新しい補助金であるうえ、補助上限額も高額です。そのため、自社だけで申請しようとすれば、多大な労力と時間を要するでしょう。そこで、大規模成長投資補助金を申請する際は専門家に相談し、サポートを受けることをおすすめします。

大規模成長投資補助金は新しい補助金であるため、大規模成長投資補助金の採択実績のある専門家はまだ存在しません。そのため、同じく比較的大規模な補助金である事業再構築補助金やものづくり補助金などのサポート実績を参考に専門家を選ぶとよいでしょう。

なお、補助金の締切が近くなると実績豊富な専門家のスケジュールが埋まってしまい、サポートを引き受けてもらえない可能性が高くなります。希望する専門家に依頼するためには、締切が近くなってから依頼するのではなく、早めからコンタクトを取っておくのがおすすめです。

専門家へ相談し依頼したら、専門家からコンサルティングを受けつつ申請書類の作成を進めます。

GビズIDプライムアカウントを取得する

大規模成長投資補助金は、電子申請だけが可能です。郵送や、事務局へ書類を持ち込んでの申請はできません。

そして、電子申請には「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。GビズIDプライムアカウントとは、一つのIDとパスワードでさまざまな行政サービスにログインできるサービスです。

他の補助金などでも使用するため、すでにIDを持っている事業者様もいることでしょう。一方、アカウントを持っていない場合は、あらかじめ取得しておいてください。アカウントの取得には、1週間以上の時間がかかることもあるためです。

申請する

GビズIDプライムアカウントを取得し申請書類も作成できたら、公募期間中に申請します。あらかじめ公表された締切を過ぎると申請できなくなるため、期限に注意して進めましょう。

採択・不採択が決定される

大規模成長投資補助金は、要件を満たして申請したからといって必ず受給できるものではありません。受給のためには、多数の公募の中から選ばれる(採択される)必要があります。採択結果は、事務局から申請者に通知されます。

交付申請をする

採択されたら、交付申請をします。交付申請をすると交付決定がされますが、この交付決定より前に支出した経費は、原則として補助対象とはなりません。そのため、採択されたらすみやかに交付申請を行ってください。

補助事業を実施する

交付決定がされたら、補助事業の実施(補助対象経費の支出)をします。この時点ではまだ補助金は交付されていないため、一時的には、全額を自社で負担しなければなりません。

大規模成長投資補助金は投資額が大規模であるため、必要に応じて金融機関からのつなぎ融資を受けると良いでしょう。

事業報告をする

補助事業を実施したら、事務局に対して事業の実施報告をします。事業報告にはさまざまな証憑書類の提出が必要です。事業報告で必要となる書類をあらかじめ確認したうえで、証憑書類を紛失しないようご注意ください。

補助額が確定し、交付される

事業報告の内容を事務局が確認し、問題がないと判断されると補助金が交付されます。つなぎ融資を受けていた場合は、金融機関との取り決めに従って速やかに返済しておきましょう。

事業化や賃金引上げの状況などを報告する

大規模成長投資補助金では、補助金の交付後も3事業年度分(計4回)、補助事業期間終了後の事業化や賃上げ状況等の報告をしなければなりません。必要な報告をしなかったり、賃上げ目標を達成できなかったりした場合は補助金の返還を求められる可能性があるため、ご注意ください。

最新の公募スケジュール

令和6年(2024年)4月現在、大規模成長投資補助金は次のスケジュールで第1回目が公募されています。

  • 公募申請:令和6年(2024年)3月6日~4月30日(火)17:00
  • 採択発表:令和6年(2024年)6月中下旬頃(予定)

締切が4月末に迫っているため、申請をご希望の事業者様はできるだけお早めにご相談ください。

大規模成長投資補助金の申請はトライズコンサルティングにお任せください

当社トライズコンサルティングでは、大規模成長投資補助金の申請サポートをお受けしています。最後に、トライズコンサルティングの概要と当社にお任せいただく主なメリットについて解説します。

トライズコンサルティングとは

トライズコンサルティングとは、中小企業診断士であり認定支援機関にも登録されている野竿が代表を務めるコンサルティング企業です。「お客さまの目標実現のため、ワクワクするような成果を提供します」をコンセプトに、豊富な実績と経験をもとに企業様の抱える問題や経営資源の不足などの問題を解決しています。

融資のサポートなどさまざまな中小企業施策を展開する中で、特に補助金の申請サポートに力を入れており、特に大型の補助金で多くの採択実績がございます。

トライズコンサルティングにご依頼いただくメリット

トライズコンサルティングにご依頼いただく主なメリットを4つ紹介します。

  • 自社でかける手間や時間を大きく削減できる
  • 大型補助金の申請サポートを得意としており、安心である
  • 採択後の交付申請や実績報告もサポートしている
  • Zoomなどを使って打ち合わせが可能である

自社でかける手間や時間を大きく削減できる

大規模成長投資補助金の申請をすべて自社で行おうとすれば、多大な労力と時間を要します。当社にサポートをご依頼いただくことで自社でかける手間や時間を大きく減らすことが可能となり、自社の本業に注力しやすくなります。

大型補助金の申請サポートを得意としており、安心である

トライズコンサルティングでは、大型補助金の申請サポートを特に得意としており、令和5年(2023年)5月までの累計値で、次の採択実績があります。

  • ものづくり補助金:93.0%(件数は134件)
  • 事業再構築補助金:86.9%(件数は80件)

これは、当社のコンサルタントが1社1社と真剣に向き合い、コンサルティングを行いながら申請をサポートしてきた結果です。

大規模成長投資補助金は新しい補助金ですが、事業再構築補助金など他の大型補助金と考え方が共通する点も少なくありません。そのため、安心してご依頼いただくことが可能です。

採択後の交付申請や実績報告もサポートしている

補助金は、採択がゴールではありません。採択後の交付申請や実績報告などにも、相当の手間がかかります。

しかし、多くの専門家のサポート範囲は採択までであり、その後の交付申請や実績報告までフォローしていないことは少ないようです。当社トライズコンサルティングでは、ご希望に応じて交付申請や実績報告までサポートしています。

Zoomなどを使って打ち合わせが可能である

当社では、Zoomなどを活用して遠隔でのご相談や打ち合わせができる体制を構築しています。そのため、全国どこからでもご依頼いただくことができるほか、出張中などであっても打ち合わせをすることが可能です。

まとめ

大規模成長投資補助金の公募がスタートしました。大規模成長投資補助金は、補助上限額が50億円という非常に大規模な補助金です。大規模な投資を行い賃上げを検討している事業者様は、ぜひ獲得にチャレンジするとよいでしょう。

ただし、大規模成長投資補助金は新しい補助金であり、採択実例に関する情報がありません。また、公募要領のボリュームも大きく、これを読み込んで理解するだけでも一苦労でしょう。

そこでおすすめなのが、専門家の活用です。専門家を活用することで自社でかける手間や時間を大きく削減できるほか、専門家によるコンサルティングを受けて事業内容を練り込むことで、採択の可能性を高めることが可能となります。

当社トライズコンサルティングでは、大規模成長投資補助金の申請サポートに力を入れています。大規模成長投資補助金への申請をご希望の事業者様は、トライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。補助金の活用に関する初回のご相談は、無料でお受けしています。

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