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【2022】事業再構築補助金の申請のポイントは?準備・審査&加点項目別に解説

事業再構築補助金の申請のポイント

事業再構築補助金とは、新型コロナ禍で新たに誕生した大型の補助金です。では、事業再構築補助金が採択されるためには、どのような点に注意をして申請すれば良いのでしょうか?

今回は、事業再構築補助金が採択されるためのポイントをくわしく解説します。

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、コロナ禍で売上が減少した事業者を対象に、思い切った事業の再構築を支援するための補助金です。

通常枠の補助金額は、従業員数が20人以下の事業者であっても最大2,000万円とされており、非常に大型の補助金であるといえるでしょう。

事業再構築補助金申請のための基本要件

事業再構築補助金を申請するための基本要件は次のとおりです。要件を満たしていなければ採択されませんので、あらかじめ要件をよく確認しておきましょう。

売上が減っていること

事業再構築補助金を申請するには、新型コロナ禍で売上が減少したことが必要です。具体的には、次のいずれかを満たさなければなりません。

  1. 2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または、2020年1月から3月)の同3ヶ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
  2. 2020年4月以降の連続する6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3ヶ月の合計付加価値額と比較して15%以上減少していること

事業再構築に取り組むこと

事業再構築補助金を申請するためには、事業の再構築を行う必要があります。そもそも事業の再構築に必要な経費を補助する制度であるため、事業の再構築と判断されない取り組みでは補助金を受けることはできません。

事業再構築に該当する取り組みは、次のとおりです。

  • 新分野展開:日本標準産業分類上の主たる業種または主たる事業を変更することなく新たな製品を製造し、または新たな商品やサービスを提供することにより、新たな市場に進出すること
  • 事業転換:新たな製品を製造し、または新たな商品やサービスを提供することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること
  • 業種転換:新たな製品を製造し、または新たな商品やサービスを提供することにより、主たる業種を変更すること
  • 業態転換:製品、商品、サービスの製造方法や提供方法を相当程度変更すること
  • 事業再編:会社法上の組織再編行為等を補助事業開始後に行い、新たな事業形態のもとに新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換のいずれかを行うこと

認定経営革新等支援機関とともに事業計画を策定すること

事業再構築補助金を申請するには、認定経営革新等支援機関とともに事業計画を策定することが必要です。

認定経営革新等支援機関(認定支援機関)とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関です。

中小企業診断士のほか、税理士や税理士法人、公認会計士、商工会・商工会議所、金融機関などが登録していることが多いでしょう。なお、当社トライズコンサルティングの代表・野竿も認定支援機関として登録しています。

策定する事業計画は、補助事業終了後3~5年で次のいずれかの達成を見込むものである必要があります。

  • 付加価値額の年率平均3.0%以上増加
  • 従業員1人あたり付加価値額の年率平均3.0%以上増加

事業再構築補助金6つの枠のポイント

事業再構築補助金には、通常枠のほか5つの特別枠が設けられています。それぞれの枠の概要とポイントは、次のとおりです。

通常枠

通常枠は、事業再構築補助金の基本となる枠です。もっとも多くの事業者が、この枠に応募することとなるでしょう。

通常枠の補助金額は従業員数によって異なり、それぞれ次のとおりです。

  • 20人以下:100万円~2,000 万円
  • 21~50 人:100 万円~4,000 万円
  • 51~100人:100万円~6,000 万円
  • 101人以上:100 万円~8,000万円

また、補助率は次のとおりです。

  • 中小企業者等:3分の2(6,000万円超は2分の1)
  • 中堅企業等:2分の1(4,000万円超は3分の1)

大規模賃金引上枠

大規模賃金引上枠とは、多くの従業員を雇用しながら継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等の事業再構築を支援する特別枠です。

この枠の対象は従業員数101人以上の事業者のみであり、補助金額は8,000万円超~1億円とされています。補助率は、通常枠と同様です。

回復・再生応援枠

回復・再生応援枠とは、新型コロナウイルスの影響を受け、引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業等の事業再構築を支援する特別枠です。

回復・再生応援枠の補助金額は従業員数によって異なっており、それぞれ次のとおりです。

  • 5人以下:100万円~500万円
  • 6~20人:100 万円~1,000万円
  • 21人以上:00 万円~1,500万円

また、補助率は、次のようになっています。

  • 中小企業者等:4分の3
  • 中堅企業等:3分の2

最低賃金枠

最低賃金枠とは、最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等の事業再構築を支援する特別枠です。最低賃金枠の補助金額は従業員数によって異なっており、それぞれ次のとおりです。

  • 5人以下:100 万円~ 500万円
  • 6~20 人:100万円~1,000万円
  • 21人以上:100万円~1,500万円

また、補助率は、次のとおりです。

  • 中小企業者等:4分の3
  • 中堅企業等:3分の2

グリーン成長枠

グリーン成長枠とは、研究開発・技術開発または人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援する特別枠です。

グリーン成長戦略「実行計画14分野」とは、経済産業省が中心となり関係省庁と連携して策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において成長が期待されるとして重点的に実行計画が策定された分野で、「自動車・蓄電池」や「次世代熱エネルギー」などが挙げられています。

グリーン成長枠の補助金額は、次のとおりです。

  • 中小企業等:100万円~1億円
  • 中堅企業等:100万円~1.5億円

また、補助率は次のとおりです。

  • 中小企業者等:2分の1
  • 中堅企業等:3分の1

参照元:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

緊急対策枠

緊急対策枠とは、原油価格や物価高騰などの予期せぬ経済環境の変化の影響を受けている中小企業等の事業再構築を支援する特別枠です。

緊急対策枠の補助金額は従業員数によって異なっており、それぞれ次のとおりです。

  • 5人以下:100万円~1,000万円
  • 6~20人:100万円~2,000万円
  • 21~50人:100万円~3,000万円
  • 51人~:100万円~4,000万円

また、補助率は、原則として次のとおりです。ただし、従業員数に応じて一定額を超える部分については、補助率が低くなります。

  • 中小企業者等:4分の3
  • 中堅企業等:3分の2

事業再構築補助金が採択されるためのポイント:準備編

事業再構築補助金は、非常に大型の補助金です。そのため、しっかりと準備をしないまま申請すると、採択が遠のいてしまうでしょう。

事業再構築補助金が採択されるため、申請準備において注意すべきポイントは、次のとおりです。

事業再構築補助金の趣旨をよく理解する

事業再構築補助金は、コロナ禍で打撃を受けた事業者が、事業を再構築する際に必要となる費用を補助してくれる補助金です。事業再構築補助金を申請する際には、まずこの趣旨をよく理解しておきましょう。

趣旨を理解していなければ、審査員が知りたいポイントとはズレた内容で申請をしてしまいかねないためです。

専門家へ申請サポートを依頼する

事業再構築補助金の申請書類を自社のみで作成して採択される内容に仕上げることは、容易ではありません。そのため、事業再構築補助金の申請をする際には、中小企業診断士などの専門家へサポートを依頼すると良いでしょう。

専門家へ依頼することで、採択の可能性を高めることが可能となります。なぜなら、専門家は補助金の趣旨や目的をよく理解し、後に解説する審査ポイントや加点項目などを熟知したうえで申請書類を作成するためです。

特別枠での応募を検討する

先ほど解説したように、事業再構築補助金では、通常枠のほかに5つの特別枠が設けられています。特別枠の申請要件を満たすのであれば、特別枠で申請することを検討すると良いでしょう。

なぜなら、特別枠で申請をした場合、仮に特別枠で採択されなかったとしても、通常枠で再審査されることになっているためです。つまり、一度の申請で、実質的に二度のチャンスがもらえるということです。

また、過去の採択結果を見ると、通常枠よりも特別枠の方が、採択率が高い傾向にあります。

事業再構築補助金を使ってやりたい事業イメージを明確化する

勘違いをしている人もいますが、「せっかく補助金がもらえるなら、何をしようか」と考えるのは、本来のあり方ではありません。「仮に補助金がなくてもやりたい事業だけれど、ちょうど要件を満たせそうな補助金があるから補助金を活用しよう」というのが、本来の補助金の使い方です。

当然、補助金の審査員は心の中まで覗くことはできません。しかし、補助金がなければやらないという程度の事業なのか、補助金がなくてもぜひやりたい事業なのかというのは、事業計画の練り込み具合など申請書類に込めた熱量などから伝わりやすいでしょう。

そのため、補助金の申請書類作成に着手する前に、事業内容をよく練り込み、事業を明確にイメージしておくことをおすすめします。

期限に余裕を持って準備する

事業再構築補助金の申請には、公募回ごとに厳密な期限が設けられています。

期限が近くなってから申請準備に取り掛かっていては、事業計画の検討や申請書類のつくり込みが甘くなり、採択が得られない可能性が高くなってしまうでしょう。

また、申請期限ギリギリでは、専門家へサポートを受けようにも、評判の良い専門家はすでに手一杯になっており、依頼を受けられなくなっている可能性もあります。

そのため、事業再構築補助金の申請には、期限までに十分余裕を持って取り組むことをおすすめします。

他社の採択事例を確認する

事業再構築補助金では、公式ホームページで過去の採択事例が公表されています。この採択事例を見ることで、事業再構築補助金の活用イメージが高まるでしょう。

他社の採択事例からアイディアの着想を得ることで事業再構築補助金を活用して取り組みたい事業が明確となり、より具体性の高い事業計画を検討しやすくなります。事業内容が具体的にイメージでき事業計画を練り込むことで、より採択されやすい申請となるでしょう。

事業再構築補助金が採択されるためのポイント:審査項目編

事業再構築補助金では、審査項目が公募要領で公開されています。この審査項目を読み込み、よく理解したうえで申請書類を作成することで、採択の可能性を高めることができるでしょう。

補助対象事業としての適格性

補助対象事業の適格性では、そもそも補助要件を満たしているかどうかが審査されます。

せっかく申請書類を作成しても、申請要件を満たしていなければ採択されることはありませんので、要件をよく確認したうえで申請しましょう。

事業化点

事業化点では、申請をした補助事業が事業として成り立つかなどが審査されます。補助事業の収益性が見込めなかったり既存事業とのシナジー効果が低かったりすれば、補助金を投入する費用対効果が薄れてしまうでしょう。

また、たとえバラ色に見える素晴らしい計画であったとしても、申請者の財務状況や人員状況などから見て事業を遂行できなければ、意味がありません。そのため、収益を有無事業として成り立つかどうかが、審査項目の一つとなっています。

再構築点

再構築点では、その事業が事業再構築補助金の趣旨に沿ったものであるかどうかなどが審査されます。

たとえば、思い切った大胆な事業再構築であるかどうかや、ウィズコロナ時代に対応した感染症等の危機に強い事業であるかどうかなどです。

政策点

政策点では、今後より生産性の向上が見込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、その事業者のみならず日本経済の構造転換を促すことに資するかどうかなどが審査されます。

税金を原資とする補助金を投下する以上、より経済的な波及効果の高い事業を採択したいとの考えでしょう。

グリーン成長点(グリーン成長枠のみ)

グリーン成長枠においては、 事業再構築の内容がグリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取り組みとなっているかなどが追加で審査されます。

事業再構築補助金が採択されるためのポイント:加点ポイント編

事業再構築補助金には加点ポイントが設けられており、これも公募要領で公表されています。加点ポイントに該当する場合には、申請に際してしっかりとアピールしておきましょう。

事業再構築補助金における加点ポイントは、次のとおりです。

売上の減少が大きな事業者に対する加点

次のいずれかの要件を満たす場合には、加点の対象となります。

  • 2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年または2019年同月比で30%以上減少している
  • 2021年10月以降のいずれかの月の付加価値額が、対2020年または2019年同月比で 45%以上減少している

最低賃金枠申請事業者に対する加点

要件を満たしたうえで「最低賃金枠」に申請することにより、加点の対象となります。

なお、最低賃金枠の要件としては、「2020年10月から2021年6月までの間で、3ヶ月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること」などが挙げられます。

EBPM の取組への協力に対する加点

経済産業省が行うEBPMの取組に対して継続的な情報提供が見込まれるものである場合には、加点の対象となります。

EBPMとは、エビデンスに基づく政策形成(EBPM: Evidence-Based Policy Making)のことであり、データに基づく政策効果検証や事業改善を進める観点から加点ポイントとされています。

参照元:EBPM Report(独立行政法人経済産業研究所)

パートナーシップ構築宣言の加点

大規模賃金引上枠とグリーン成長枠においては、「パートナーシップ構築宣言」を公表している事業者が加点対象となります。

パートナーシップ構築宣言とは、サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携や共存共栄を進めることで新たなパートナーシップを構築することを、「発注者」側の立場から企業の代表者の名前で宣言するものです。

参照元:パートナーシップ構築宣言(中小企業庁)

再生事業者の加点

次のいずれかに該当し、中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受けている場合には、加点の対象となります。

  •  再生計画等を「策定中」の者
  •  再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(令和元年10月1日以降)に再生計画等が成立等した者

中小企業者でない特定事業者に対する加点

特定事業者であり、中小企業者でない者は、加点の対象となります。

特定事業者であり中小企業者でない者とは、常勤の従業員数が一定(製造業などで500人、サービス業などで300人など)以下の会社や個人で資本金の額が10億円未満であるものなどのうち、「中小企業者」や「「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人」に該当しないものを指します。

サプライチェーン加点

複数の事業者が連携して事業に取り組む場合であって、同じサプライチェーンに属する事業者が次の要件を満たし連携して申請することで、加点の対象となります。

  • 直近1年間の連携体の受注金額または発注金額がわかる書類について、決算書や売上台帳などの証憑とともに提出すること。
  • 電子申請の際、該当箇所にチェックをすること。

物価高騰等の影響を受けている事業者に対する加点

原油価格や物価高騰などの経済環境の変化の影響を受け、2022年1月以降のいずれかの月の売上高(または付加価値額)が2019年から2021年の同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少している事業者は、加点の対象となります。

たとえば、 原油や小麦等の価格高騰により仕入れに係る経費が増加した場合や、ロシアの禁輸制裁の影響でロシアへの輸出量が落ち込んだ場合などには原油価格や物価高騰などの影響を受けたといえるでしょう。

まとめ

事業再構築補助金を申請する際には、今回解説をしたポイントを踏まえて申請しましょう。ポイントを押さえて申請することにより、採択の可能性を高めることが可能となります。

しかし、事業再構築補助金の申請を自社のみで行い採択を勝ち取ることは、容易ではありません。事業再構築補助金の申請は、プロへの依頼がおすすめです。

当社トライズコンサルティングでは、事業再構築補助金の申請サポートに特に力を入れています。採択の可能性が高まるよう全力でサポートいたしますので、事業再構築補助金の申請を予定している場合には、ぜひトライズコンサルティングまでお気軽にご相談ください。

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