事業再構築補助金の申請サポートでは、どのようなサービスが受けられるかご存知でしょうか?
事業再構築補助金の申請手続きは煩雑であり、自社だけで行った場合、大変な時間と手間が必要になります。事業再構築補助金の申請を検討している方は、ぜひ申請サポートを活用してみてください。
今回は、事業再構築補助金の申請サポートについて詳しく解説します。2023年に募集されている制度の概要や活用イメージ、申請の流れも説明します。当記事を読んでいただくことで、事業再構築補助金の最新情報をキャッチすることができるでしょう。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金は、新型コロナの影響を受けて業績が低迷する中小企業等が取り組む、ウィズコロナ・ポストコロナの時代に向けた思い切った挑戦を支援することを目的に2020年に創設された補助金です。過去9回募集されており、1回の募集で2万〜1.5万社が応募する注目の制度です。
事業再構築補助金の申請要件
事業再構築補助金の補助対象者は、日本国内に本社を有する中小企業者等と中堅企業等とされています。中小企業者の定義は、資本金または従業員数(常勤)が次表の数字以下の会社または個人です。
業種 | 資本金 | 従業員(常勤) |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
中堅企業等の定義は、中小企業者等に該当しない会社または個人のうち、次の2点の要件を満たす者です。
- 資本金の額または出資の総額が10億円未満の法人であること
- 資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000人以下であること
なお、発行済株式の総数または出資価額の総額の一定割合以上を大企業が所有している場合や、役員総数の一定以上を大企業の役員または職員を兼ねている者が占めている場合などは「みなし大企業」とみなされます。
これらの中小企業者等と中堅企業等が次の認定支援機関要件と付加価値額要件を満たす事業計画書を作成することで申請することができます。
- 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3〜5年の事業計画書を作成し、認定経営革新等支援機関の承認を受けていること。
- 補助事業終了後3〜5年で付加価値額を年率平均3.0%〜5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること。または従業員一人当たり付加価値額を年率平均3.0%〜5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること。
なお、補助金額3,000万円を超える案件は、認定経営革新等支援機関に加えて金融機関による事業計画の確認も必要となりますが、金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみで申請が可能です。
事業再構築補助金の事業類型
2023年度(令和5年度)の事業再構築補助金は8つの事業類型で募集されています。それぞれの補助金額と補助率は次表のとおりです。
事業類型 | 補助金額 | 補助率 |
成長枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数20人以下】 100万円〜2,0000万円 【従業員数21〜50人 100万円〜4,000万円 【従業員数51〜100人】 100万円〜5,000万円 【従業員数101人以上】 100万円〜7,0000万円 | 中小企業者等:1/2(大規模な賃上げを行う場合:2/3) 中堅企業等:1/3(大規模な賃上げを行う場合:1/2) ※事業終了時点で、 ①事業場内最低賃金+45円 ②給与支給総額+6% を達成すること。 |
グリーン成長枠 | エントリー 中小企業者等 【従業員数20人以下 100万円〜4,000万円 【従業員数21〜50人】 100万円〜6,000万円 【従業員数51人以上】 100万円〜8,0000万円 中堅企業等:100万円〜1億円 | 中小企業者等:1/2(大規模な賃上げを行う場合:2/3) 中堅企業等:1/3(大規模な賃上げを行う場合:1/2) |
スタンダード 中小企業者等:100万円〜1億円 中堅企業等:100万円〜1.5億円 | ||
卒業促進枠 | 成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に準じる | 中小企業者等:1/2 中堅企業等:1/3 |
大規模賃金引上促進枠 | 100万円〜3,000万円 | 中小企業者等:1/2 中堅企業等:1/3 |
産業構造転換枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数20人以下】 100万円〜2,000万円 【従業員数21〜50人】 100万円〜4,000万円 【従業員数51〜100人】 100万円〜5,000万円 【従業員数101人以上】 100万円〜7,000万円 ※廃業を伴う場合は、廃業費を最大2,000万円上乗せ | 中小企業者等:2/3 中堅企業等:1/2 |
最低賃金枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数5人以下】 100万円〜500万円 【従業員数6〜20人】 100万円〜1,0000万円 【従業員数21人以上】 100万円〜1,5000万円 | 中小企業者等:3/4 中堅企業等:2/3 |
物価高騰対策・回復再生応援枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数5人以下】 100万円〜1,000万円 【従業員数6〜20人】 100万円〜1,500万円 【従業員数21〜50人】 100万円〜2,000万円 【従業員51人以上】 100万円〜3,000万円 | 中小企業者等:2/3 ※従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6〜20人の場合600万円、従業員数21〜50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円まで:3/4 中堅企業等:1/2 ※従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6〜20人の場合600万円、従業員数21〜50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円まで:2/3 |
サプライチェーン強靭化枠 | 中小企業者等・中堅企業等ともに1,000万円〜5億円 | 中小企業者等:1/2 中堅企業等:1/3 |
「最低賃金枠」は加点措置が行われ、「物価高騰対策・回復再生応援枠」に比べて採択率において優遇されることが公表されています。なお、前述した認定支援機関要件と付加価値額要件のほか、事業類型毎に補助対象要件が別途設けられています。詳細は公募要領をご確認ください。
事業再構築補助金の採択率
2023年(令和5年)4月6日(木)に第8回公募の結果が公表されました。応募件数12,591件のうち、6;456件が採択されており、採択率は51.2%となっています。
事業類型別に見ると、「最低賃金枠」の採択率が70%超となっているのに対し、「グリーン成長枠」が40%を下回っており、それ以外は概ね全体平均並みという結果になっています。
事業再構築補助金のスケジュール
2023年(令和5年)6月現在、事業再構築補助金の第10回公募に応募することが可能です。詳細なスケジュールは次のとおりです。
- 公募開始:2023年(令和5年)3月30日(木)
- 申請受付:調整中
- 応募締切:2023年(令和5年)6月30日(金)18:00
2023年度(令和5年度)は、年度末にかけて3回程度の募集が予定されています。
事業再構築補助金の活用イメージ
事業再構築補助金は、具体的にどのようなことに利用できるのでしょうか?経済産業省が公表する「事業再構築指針の手引き」より、業種ごとの代表的な活用イメージを紹介します。
製造業の場合
航空機用部品を製造していた製造業者が、業界全体の業績不振で厳しい環境下の中、新たに医療機器部品の製造に着手し、事業計画終了時点で、医療機器部品の売上高が総売上高の10%(または総付加価値額の15%)以上となる計画を策定している場合、要件を満たすことから「新市場進出」に該当します。
不動産業の場合
都心部の駅前にビジネス客向けのウィークリーマンションを営んでいたが、テレワークの需要増加を踏まえて、客室の一部をテレワークスペースや小会議室に改装するとともに、オフィス機器を導入し、事業計画終了時点で、当該レンタルオフィス業の売上高が総売上高の10%(または総付加価値額の15%)以上となる計画を策定している場合、要件を満たすことから「新市場進出」に該当します。
飲食サービス業の場合
日本料理店が、換気の徹底により新型コロナウイルス感染のリスクが低いとされ、業績が好調な焼肉店を新たに開業し、事業計画終了時点において、焼肉事業の売上高構成比が、標準産業分類の細分類ベースで最も高い事業になる計画を策定している場合、要件を満たすことから「事業転換」に該当します。
賃貸業の場合
レンタカー事業を営んでいる事業者が、新たなファミリー向けの新型コロナウイルス対策に配慮した貸切ペンションを経営し、レンタカー事業と組み合わせた宿泊プランを提供することで、事業計画終了時点において、貸切ペンション経営を含む業種の売上高構成比が最も高くなる計画を策定している場合、要件を満たすことから「業種転換」に該当します。
事業再構築補助金の申請の流れ
事業再構築補助金はどのようにして受け取ることができるのでしょうか?ここでは、一般的な申請から補助金の交付までの流れについて解説します。
- 申請書類の作成
- 電子申請
- 採択結果の公表
- 実績報告
- 補助金の交付
申請書類の作成
まず、申請書類を作成する必要があります。
申請に必要な書類は、認定経営革新等支援機関の発行する確認書や決算書、労働者名簿などです。これらは、既に作成済みの書類や自社で作成する必要のない書類です。
作成に最も手間取る書類が「事業計画書」でしょう。事業再構築補助金の場合、A4サイズで10~15枚程度の記載が必要になり、作成に苦労する申請者が大変多くなっています。
事業計画書の作成にお困りの場合は、当社トライズコンサルティングへお気軽にお問い合わせください。
電子申請
事業再構築補助金は、「Jグランツ」というシステムを用いた電子申請を行います。利用には「GビズID」が必要になり、取得には約2~3週間程度を要します。事業再構築補助金に申請することを決めたら、最優先で取得しておきましょう。
採択結果の公表
採択結果は、応募締切から概ね2~3ヶ月後に事業再構築補助金の公式ホームページで公表されます。なお、採択後の交付決定を受けた日以前に発注を行い支払った経費は対象外となることには注意してください。
実績報告
補助金は原則として、支払いまで含めた補助事業完了後の支払いとなります。そのため、申請者は補助事業が完了したことを事務局に対して報告する必要があります。
実績報告は一度の申請で承認されることは稀であり、事務局とやり取りを行いながら、修正をしていきます。なお、実績報告にも「Jグランツ」が利用されます。
補助金の交付
実績報告が承認され、交付額が確定した後にようやく補助金が支給されます。なお、事業再構築補助金の場合、以降5年間にわたり毎年、「事業化状況報告・知的財産権報告」を実施する必要があります。
事業再構築補助金の申請サポートとは
事業再構築補助金を受け取るまで大変な労力が必要であり、自社のみで申請できるか不安になった方もいらっしゃることでしょう。ここでは、そんな方々の助けになる申請サポートの概要について解説します。
申請サポートでできること
事業再構築補助金の申請サポートで受けられるサービスの内容は次のとおりです。
- 申請要件の確認
- 申請書類の作成支援
- 電子申請の支援
- 実績報告の支援
- 事業化状況報告・知的財産権報告の支援
なお、申請サポートでできることは、相談する相手によって異なります。申請書類の作成までといった場合や一部のサポートは別料金という場合もありますのでご注意ください。依頼する場合は、サポートが受けられる範囲をしっかり確認しておくことが大切です。
申請サポートの料金相場
事業再構築補助金の申請サポートの料金は、一般的に「着手金」と「成功報酬」で算定されます。
着手金
「着手金」は、補助金の採択・不採択に関わらず一定金額を支払う料金で、概ね10万〜15万円程度が相場になっています。これは、たとえ補助金が不採択だった場合でも返還されません。
成功報酬
「成功報酬」は、補助金が採択された場合に支払う料金で、補助金額の概ね10〜15%とされています。こちらは、補助金が不採択であった場合には支払いは発生しません。
稀に「完全成功報酬」という場合もありますが、これは「着手金」がない代わりに、「成功報酬」が高く設定された料金形態です。
申請サポートの選び方
事業再構築補助金の申請サポートを選ぶ基準の1つ目は、保有している資格です。士業や「認定経営革新等支援機関」の承認を受けている専門家が妥当です。資格がなくとも実力のある専門家もいますが、初めて相談する場合は目安になるでしょう。
次は、専門性です。士業や認定経営革新等支援機関でも補助金を得意としていない専門家もいます。同様に過去の実績も考慮する必要があるでしょう。
また、利便性というのも重要です。特に、事業再構築補助金の場合、専門家との複数回のやりとりが必要になります。近場の専門家を選んだり、「Zoom」など遠隔地の対応も可能か確認したりしましょう。
事業再構築補助金の申請サポートの流れ
申請サポートを依頼する相手が決まった後の流れはどうなるのでしょうか?ここでは、事業再構築補助金の申請サポートを受けた際の具体的な流れについて解説します。
- お問い合わせ・無料相談
- 初回面談・ご契約
- ヒアリング・事業計画の策定支援
- 電子申請のサポート
お問い合わせ・無料相談
相談先へ電話やメール等で連絡し、自社の概要や事業再構築補助金の申請要件などの確認を行い、初回面談の日程を調整します。多くの専門家は電話等での無料相談を行っているため、気になった専門家がいれば連絡してみてください。
初回面談・ご契約
専門家との面談を行い、より詳細な自社や業界の状況、今後取り組もうとしている事業の内容などの聴き取りを行います。面談の結果、申請サポートを行うことが決まれば、サポートの範囲や料金の見積りを行い契約となります。
ヒアリング・事業計画の策定支援
契約後、複数回の面談を重ねながら、申請書類、主に事業計画の策定を行います。あくまでも自社の事業計画ですので、申請者が主体となって取り組む必要があります。専門家のヒアリングを受けながら、財務諸表などのデータも提出し、少しずつ一緒に事業計画書を作り上げていきます。
電子申請のサポート
申請書類の準備ができたら、いよいよ申請です。事業再構築補助金では、電子申請が採用されており、ネットに不慣れな方は不安に思われるかもしれません。しかし、申請サポートを受けていれば、電子申請に慣れた専門家からアドバイスをもらえるため安心です。
事業再構築補助金の申請サポートのメリット
事業再構築補助金の申請サポートを受けて得られるメリットは何があるでしょうか?ここでは、主なメリットを3つ解説します。
- 書類作成の手間が減る
- 採択の可能性が高まる
- 経営のコンサルティングを受けられる
書類作成の手間が減る
事業再構築補助金に限らず多くの補助金の申請では、公募要領に沿った申請書類の作成が必要になります。そのため、申請者はまず公募要領を読む必要がありますが。しかし、事業再構築補助金の場合は60ページ以上もあり、理解するのは非常に大変です。
その後、自社が申請する事業類型や事業再構築の類型を決め、要件を満たす事業計画書やその他提出が必要な書類を作成しなくてはなりません。こうした作業を補助金の申請に長けた専門家にサポートしてもらうことで、効率が飛躍的に向上するでしょう。
採択の可能性が高まる
事業再構築補助金の採択を受けるためには、明確なコツがあります。しかし、そうしたコツは、実際に何度か申請をしてみなければわかりません。
専門家はこれまでに多くの補助金への申請を行い、採択のノウハウを蓄積しています。そんな専門家にサポートをしてもらうことで、採択の可能性を高めることができるでしょう。
経営のコンサルティングを受けられる
事業再構築補助金の申請サポートに併せて、経営のコンサルティングを提供している専門家もいます。その場合、単なる補助金の申請書類の作成や電子申請のサポートだけでなく、経営戦略の立案段階から助言をもらうことが可能になり、実効性・収益性ともに高いビジネスモデルの提案を受けることができるでしょう。
事業再構築補助金の申請サポートはトライズコンサルティングにお任せください!
2023年5月現在、トライズコンサルティングの事業再構築補助金の累計採択件数は80件、採択率は85%超となっています。当社代表の野竿は、中小企業診断士として認定経営革新等支援機関にも登録されており、資格・実績ともに業界でも高水準であると自負しています。
豊富な業界経験を持つトップコンサルが在籍しているため、貴社にピッタリな人材をアサインし、全面的にサポートすることが可能です。また、料金相場やサービス内容を明確にし、ご納得の上でご契約いただいているため、高い顧客満足も頂いています。
事業再構築補助金の申請サポートはぜひ当社トライズコンサルティングまでご相談ください。
まとめ
事業再構築補助金の概要や申請サポートについて解説しました。
事業再構築補助金の申請には多くの時間や手間など多大なリソースが必要になる上、審査のコツをしっかり押さえた申請をしなくては採択されるのは大変困難です。申請サポートを利用することで、最短で効率的な申請が可能になり、貴社の経営の発展を加速させることができるでしょう。
当社トライズコンサルティングでは、事業再構築補助金の申請サポートに注力しており、高い採択率を誇っています。無料の相談窓口を設置していますので、まずはご相談からぜひお気軽にお問い合わせください。