助成金と補助金は、いずれも国や地方公共団体から返済不要なまとまった資金を受け取れる制度です。助成金や補助金を申請する際には、コンサルタントへ依頼することをおすすめします。
では、助成金や補助金をコンサルタントへ依頼することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?また、依頼先のコンサルタントは、どのように選べば良いのでしょうか?
今回は、助成金や補助金のコンサルタントについてくわしく解説します。
助成金と補助金の違い
助成金と補助金は、いずれも国などから返済不要な資金を受け取れる制度です。では、両者はどのように異なるのでしょうか?
はじめに、助成金と補助金について解説します。
助成金とは
助成金は、国や地方自治体などから返済不要な資金を受け取れる制度です。
助成金の多くは厚生労働省が管轄しており、人の雇用や育成などを助成対象としています。
また、要件を満たして申請すれば受給できるものが多く、「採択」などの制度はありません。補助金とは異なり、通年で申請できるものが多いでしょう。
ただし、名称は「助成金」であるものの、補助金的な性質の制度も存在します。そのため、名称のみで一概に判断することはできません。
補助金とは
助成金と同じく、補助金も国や地方自治体などから返済不要な資金を受け取れる制度です。ただし、所轄している機関は経済産業省などさまざまであり、補助対象も補助金の制度によって大きく異なります。
また、その年度の政策に応じて設けられるため、年度によって存在する制度が異なるほか、同じ名称の補助金でも公募回によって申請要件などが異なることも珍しくありません。
補助金は助成金とは異なり要件を満たして申請するのみでは足りず、多数の申請の中から採択されてようやく受給資格が得られます。申請できる期間も一定の公募期間中に限られており、いつでも申請できるわけではありません。
助成金と補助金の違い総まとめ
助成金と補助金の違いをまとめると、次のようになります。
補助金 | 助成金 | |
---|---|---|
管轄 | 経済産業省などさまざま | 厚生労働省が多い |
制度の目的 | さまざま | 雇用など人材系が多い |
要件を満たして申請すれば受給できるか | 採択が必要 | 受給できる |
募集期間 | 一定の公募期間中のみ | 通年 |
依頼できるコンサルタント | 中小企業診断士や行政書士など | 社会保険労務士 |
ただし、すべての補助金や助成金が、このとおりきれいに分類できるものではありません。名称が「助成金」であっても、厚生労働省以外が所轄するものは補助金の性質に近いといえます。
そのため、実際に申請をする際には名称のみで判断するのではなく、公募要領などをよく読み込んで、制度の内容を理解しておく必要があるでしょう。
助成金や補助金の申請をコンサルタントに依頼するメリット
助成金や補助金の申請は、自社で行ってはならないわけではありません。しかし、専門家へ依頼することには、多くのメリットが存在します。
では、助成金や補助金の申請をコンサルタントに依頼することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?主なメリットは次のとおりです。
自社でかける手間や時間を多く削減できる
助成金や補助金の申請を自社で行おうとすれば、多大な時間と手間を要してしまうことでしょう。また、従業員に任せられれば良いのですが、補助金や助成金の申請にあたっては、経営の根幹に関わる情報が必要となることが少なくありません。
そのため、忙しい経営者などが本業にかける時間を割いて、直接携わらざるを得ないことが多いでしょう。一方、専門家に手続きを依頼した場合には自社でかける手間と時間を最小限に抑えることができ、本業に集中することが可能となります。
全体の流れがわかる
助成金や補助金の活用に慣れていないと、全体像が見えにくいかと思います。特に、いつお金が受け取れるのかなどは、経営において非常に重要なポイントでしょう。
また、助成金や補助金は原則として返還の必要がありませんが、不正受給が発覚した場合はもちろん、補助金で得た資産を他の目的に流用した場合などにも返還が必要となる可能性があります。
これらの疑問が湧いた際、一つひとつ自社で調べることは大変なことでしょう。一方、コンサルタントにサポートを依頼した場合には、全体の流れや注意点などについて、専門家から教えてもらうことが可能です。
(補助金の場合)採択の確率を高められる
補助金は、要件を満たして申請をしても、採択されなければ受給することができません。つまり、せっかく苦労をして公募期間内に申請したとしても、採択されなければ一銭も得られないということです。
しかし、自社のみで申請をして採択を勝ち取ることは、容易ではありません。特に事業者持続化補助金やものづくり補助金など大型の補助金では、申請者がそれぞれ事業計画を作り込んできており、生半可な申請では採択が遠のいてしまうでしょう。
一方、コンサルタントへ依頼することで、採択の可能性を高めやすくなります。なぜなら、専門家からコンサルティングを受けることで、事業計画の精度を高められるほか、補助金の趣旨や審査ポイントなどを熟知した専門家が、これらを踏まえて申請書類を作成するためです。
(補助金の場合)事業計画コンサルティングを受けるきっかけになる
補助金の多くで、事業計画書の提出が必要となります。この事業計画書をいかに練り込んで作り込むのかが、採否を決めるといっても過言ではありません。
そのため、特に大型の補助金を申請するにあたっては、補助金の申請サポートの中で、専門家によるコンサルティングを受けることが一般的です。このコンサルティングは採択を受けるために有用となるのみならず、その後実際の事業運営にあたって大きな財産となることでしょう。
(補助金の場合)金融機関の紹介が受けられることがある
大型の補助金を活用する際には、金融機関からの融資を併用することが少なくありません。なぜなら、補助金は経費の全額を補填してくれるものではなく、経費の「2分の1」や「3分の2」など一定の割合を上限とすることが多いためです。
そのため、補助金で補填されない分の経費を、融資で賄う必要が生じる場合も多いでしょう。
また、補助金の多くは採択後すぐに受け取れるものではなく、採択後にまずは事業の実施(経費の支出など)を行い、その旨を報告した後でようやく交付されます。つまり、はじめに経費を支出する段階ではまだ補助金は手元にないため、ここに必要なお金を別の方法で準備しなければなりません。
これを、一次的な融資(「つなぎ融資」といいます)で賄うこともよく行われています。
しかし、これまで金融機関との付き合いがあまりなかった場合には、どの金融機関に融資を申し込んで良いかわからない場合もあるでしょう。
一方、補助金にくわしいコンサルタントは、融資などにもくわしいことが少なくありません。そのため、コンサルタントに補助金申請サポートを依頼した場合には、金融機関の紹介など融資についての支援が受けられる可能性があります。
助成金や補助金の申請をコンサルタントに依頼するデメリット&注意点
助成金や補助金の申請をコンサルタントに依頼することには、デメリットもあります。主なデメリットと注意点は次のとおりです。
コンサルタントの報酬がかかる
コンサルタントに助成金や補助金の申請サポートを依頼した場合には、報酬が発生します。補助金の場合、報酬は次の2段階になっていることが多いでしょう。
着手金
着手金は着手時点で発生する報酬あり、仮に不採択となっても返還されることはありません。着手金の額は補助金の種類によって異なりますが、おおむね5万円から20万円程度であることが多いでしょう。
成功報酬
成功報酬は、補助金が採択された時点で発生する報酬です。採択された補助金額に割合を乗じて算定されることが多いでしょう。
成功報酬の割合は補助金の種類によって異なりますが、おおむね10%から20%程度です。
計画のアイディア段階から丸投げできるわけではない
コンサルタントに依頼したからといって、事業計画のアイディア段階から「丸投げ」できるわけではありません。なぜなら、補助金が採択された後その補助金を使って実際に事業を行うのは、コンサルタントではなく事業者様自身であるためです。
そのため、「この補助金がほしいから、何でも良いから適当に事業計画を作って」などということはできません。一方で、「このような事業を行いたいが、何か活用できる補助金がないか」といった相談であれば、コンサルタントは積極的にサポートしてくれることでしょう。
早期に依頼しないとコンサルタントの予定が埋まる可能性がある
補助金の申請サポートをするには、コンサルタント側にとっても相当な時間と労力がかかります。また、補助金は公募期間が決まっているため、どうしても公募期間間近に依頼が集中しがちです。
そのため、あまりギリギリで依頼した場合には、コンサルタントのスケジュールやリソースが埋まっており依頼を受けてもらえない可能性が高くなるでしょう。依頼を検討している場合には、早めにコンタクトを取っておくことをおすすめします。
稀に悪質な業者が存在する
助成金や補助金の申請サポートを行う専門家の中には、稀に悪質な業者が混じっているようです。
悪質な業者に依頼してしまうと、いわゆる「コピペ」など粗悪な申請書類を作成されてしまったり、当初説明された金額とは異なる高額な報酬を請求されたりするリスクがあります。また、中には虚偽申請をそそのかす場合もあるようです。
そのため、依頼前に評判を調べたり、報酬額を書面で確認したりするなど対策をする必要があるでしょう。
また、いくら業者にそそのかされても、虚偽申請は絶対に行わないよう注意してください。補助金や助成金の不正受給は重大な犯罪であり、万が一不正に手を染めれば前科がつく可能性があります。
助成金や補助金の申請を依頼するコンサルタントの選び方
助成金や補助金の申請サポートを依頼するコンサルタントは、どのような視点で選べば良いのでしょうか?主な選び方は次のとおりです。
資格で選ぶ
助成金や補助金の申請サポートを依頼する専門家を選ぶ際には、まずは保有資格からある程度絞ると良いでしょう。
まず、厚生労働省管轄の助成金であれば、依頼できる専門家は社会保険労務士の一択です。法律上、社会保険労務士以外へ依頼することはできません。
一方、補助金であれば、次の資格者が手掛けていることが多いでしょう。
- 中小企業診断士:経営コンサルティングや事業計画策定を専門とする国家資格
- 行政書士:官公署に提出する書類作成などを専門とする国家資格
- 税理士:税務を専門とする国家資格
専門性や実績で選ぶ
上で挙げた資格を有していても、助成金業務や補助金業務をまったく手掛けていない専門家も少なくありません。そのため、資格のみで選ぶのではなく、その事務所や専門家の専門性や実績も重要となります。
まず、ホームページなどで「助成金申請」や「補助金申請」などのメニューが記載されていない場合には、そもそもこれらの業務を行っていない可能性があります。また、メニューには記載があっても、助成金や補助金に関するコンテンツがほとんどない場合には、顧問先限定でサポートをしている可能性や、一応メニューに挙げているのみでほとんど実績がない可能性もあるでしょう。
依頼したい相手の専門性や実績がわからない場合には、専門家に直接問い合わせをしたうえで、依頼の可否や実績などを確認することも一つの手です。
コンサルティング能力や相性で選ぶ
特に大型の補助金では、専門家のコンサルティング能力や専門家との相性も、非常に重要なポイントとなります。なぜなら、コンサルティングを受けて事業計画をどれだけ練り込めるのかが、採否のカギとなる可能性があるためです。
補助金の申請サポートなどを手掛ける専門家の中には初回の相談は無料や安価としていることも少なくありません。そのため、まずは相談をしてコンサルタントの能力や相性を見極めると良いでしょう。
報酬額で選ぶ
コンサルタントの選定においては、報酬も重要なポイントとなるでしょう。ただし、特に補助金においては、報酬の安さのみで選ぶことはおすすめできません。
なぜなら、補助金の申請サポートを真摯に行おうとすれば、コンサルタント側にも相当の時間と労力がかかるためです。そのため、相場よりも非常に安価である場合には、なぜ安価であるのかをよく確認したうえで選ぶことをおすすめします。
利便性で選ぶ
コンサルタントの選定では、利便性も重要な要素となるでしょう。たとえば、Zoomなどのオンラインツールに対応していれば、自社にいながらして打ち合わせをすることが可能です。
2023年(令和5年)度おすすめの補助金
助成金や補助金には非常に多くの種類が存在し、自社に合った制度を探すだけでも大変でしょう。ここでは、2023年度(令和5年度)に申請できるおすすめの補助金を4つ紹介します。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、コロナ禍で誕生した新しい大型の補助金です。ウィズコロナ・ポストコロナの時代に対応するため、思い切った事業再構築をする中小企業等を支援することを目的としています。
採択されれば、通常枠で最大2,000万円(従業員数によって異なり、20人以下の場合。101人以上の場合は最大8,000万円)の補助を受けることが可能です。新たな事業にチャレンジするなど事業再構築を検討している場合には、ぜひ活用を検討したい補助金です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援する補助金です。
「ものづくり補助金」という略称から製造業などのみを対象としているとの誤解も少なくありませんが、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」であり、飲食業やサービス業なども広く補助対象とされています。
従来から存在する、大型補助金の代表格であるといえるでしょう。採択されれば、通常枠で最大750万円(従業員数によって異なり、5人以下の場合。21人以上の場合は最大1,250万円)の補助を受けることが可能です。
大きな設備投資をする際には、ぜひ活用を検討したい補助金です。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、中小企業等の業務効率化や売上アップをサポートする補助金です。さまざまな申請枠があり、通常枠(A類型)の場合、採択されれば30万円から150万円未満の補助金を受け取ることが可能です。
新たなITツールを導入する際には、ぜひ活用を検討したい補助金です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者等が販路開拓等に取り組む費用の一部を補助する補助金です。
通常枠の補助金は最大50万円とさほど高額ではないものの、パンフレット作成やチラシの印刷など身近な経費も補助対象とされるため、非常に使い勝手が良いといえるでしょう。
また、令和5年度(2023年度)からは、インボイス発行事業者に転換する事業者を対象に、補助上限額を50万円上乗せする取り組みも開始されます。
補助金申請にまつわるトライズコンサルティングの強み
当社トライズコンサルティングでは、補助金の申請サポートに力を入れています。補助金申請にまつわる当社の主な強みは次のとおりです。
高い採択率
トライズコンサルティングでは、サポートした補助金申請について高い採択率を誇っております。
中でも、一般的には難易度が高いといわれているものづくり補助金における2019年度と2020年度の採択率は、97.0%でした。これは、当社が採択を目指して常に情報収集と研鑽を重ねてきた結果であり、業界内においても非常に高い水準にあるといえるでしょう。
中小企業診断士が運営
トライズコンサルティングは、中小企業診断士の代表・野竿が経営しています。また、野竿は中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関である「認定経営革新等支援機関」に登録されています。
中小企業支援に関する高度な知識が裏付けられており、安心してご依頼頂くことが可能です。
Zoom利用で全国対応
トライズコンサルティングでは補助金申請サポートに積極的にオンラインツールを取り入れております。そのため、全国どこからでもご依頼頂くことが可能です。
また、移動に時間がかからないため、お近くの事業者様からもご好評をいただいております。
補助金受給まで徹底サポート
補助金は、採択を受けるまでがゴールではありません。実際に補助金を受け取るためには、採択後に補助対象とした事業を実施し、その実施報告や交付申請をすることが必要です。
特に、大型の補助金ではこの実施報告などにも相当な手間がかかるため、自社で行うことに苦労をされるケースが少なくありません。そのため、トライズコンサルティングでは、補助金の申請までではなく、採択後の実施報告などについてまでトータルでサポートしています。
事業者様は煩雑な事務処理に振り回されることなく、本業に注力して頂くことが可能です。
まとめ
助成金や補助金は、自社のみで申請することも可能です。ただし、自社で申請しようとすれば、多くの時間と労力を要してしまうでしょう。
また、自社で書類を作成し、補助金の申請を勝ち取ることは容易ではありません。そのため、助成金や補助金の申請にあたっては、コンサルタントのサポートを受けることをおすすめします。
当社トライズコンサルティングでは、補助金の申請サポートに力を入れており、これまでも多くの採択を勝ち取ってきました。補助金の申請をご検討の際には、ぜひトライズコンサルティングまでお気軽にお問い合わせください。補助金に関する初回のご相談は、無料でお受けしております。