2022年11月8日(火)、令和4年度第2次補正予算の閣議決定により、2023年も事業再構築補助金が募集されることが決定しました。予算額は当初案のとおり5,800億円となっています。
今回は、2023年に事業再構築補助金への申請を検討している方に対して、補正予算のポイントや制度の概要について解説します。2022年の申請に間に合わなかった方はぜひ当記事を参考に準備を始めていただきたいと思います。
補正予算のポイント
事業再構築補助金は、これまでも中小企業等の現況に合わせてさまざまな制度変更がされてきました。ここでは、補正予算の制度のポイントについて解説します。
成長分野への転換を支援
市場規模が10%以上拡大しているような業種・業態へ転換する事業者を支援するため、「成長枠」が新設されました。「グリーン成長枠」と同様、売上10%の減少要件が撤廃され、「グリーン成長枠」についても申請の裾野を広げるため、要件である研究開発等の期間を2年から1年に短縮した「エントリークラス」が新設されています。
さらに、この2申請類型においては、事業終了後3〜5年の間で中小・中堅企業を卒業し、中堅・大企業となった場合に補助上限が2倍になる「卒業促進枠」も準備されています。
賃上げに対する支援
「成長枠」と「グリーン成長枠」において、補助事業の期間内に事業場内最低賃金を年45円以上引き上げた場合、補助率が2/3に引き上げられます。また、事業終了後3〜5年で同水準を達成すれば補助上限に3,000万円上乗せとなります。
産業構造転換等の促進
市場規模が10%以上縮小する業種・業態からの転換を支援する「産業構造転換枠」が新設され、撤退に伴う廃業費がある場合、補助上限に2,000万円上乗せされます。加えて、円安を活かした国内回帰を促進する「サプライチェーン強靭化枠」も補助上限は5億円で新設されました。
業況が厳しい事業者への支援
新型コロナウイルスや物価高等により、業況の厳しい事業者や最低賃金引上げによる影響を大きく受ける事業者を手厚く支援するため、補助率を引き上げた「最低賃金枠」の継続や2022年に募集された「回復・再生応援枠」と「緊急対策枠」を掛け合わせた「物価高騰対策・回復再生応援枠」が新設されています。
事業再構築補助金の制度の概要
続いて、基本的な制度の概要について解説します。2022年11月末現在公表されている情報となっていますので、申請の際には公表される公募要領を確認ください。
対象要件
申請の対象となる要件は次のとおりです。
- 事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組むこと
- 補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3〜5%(申請類型により異なる)以上増加等
これらに加え、売上減少要件とそれぞれの申請類型ごとに個別の要件が付されることが想定されます。
対象経費
対象となる経費は次のとおりです。
- 建物費
- 機械装置・システム構築費
- 研修費、廃業費等(一部の経費には制限あり)
他の制度では対象とされていない「建物費」が対象となっていることが特徴ですが、一部の経費には支出の制限があることが明記されています。
補助上限額・補助率
申請類型ごとの補助上限額・補助率は次のとおりです。
申請類型 | 補助上限額 | 補助率 |
成長枠 | 2,000万円、4,000万円、5,000万円、7,000万円 | 中小1/2 中堅1/3 |
グリーン成長枠 | <エントリー> ・中小:4,000万円、6,000万円、8,000万円 ・中堅:1億円 | 中小1/2 中堅1/3 |
<スタンダード> ・中小:1億円 ・中堅:1.5億円 | ||
産業構造転換枠 | 2,000万円、4,000万円、5,000万円、7,000万円 ※廃業を伴う場合2,000万円上乗せ | 中小2/3 中堅1/2 |
サプライチェーン強靭化枠 | 5億円 | 中小1/2 中堅1/3 |
物価高騰対策・回復再生応援枠 | 1,000万円、1,500万円、2,000万円、3,000万円 | 中小2/3(一部3/4) 中堅1/2(一部2/3) |
最低賃金枠 | 500万円、1,000万円、1,500万円 | 中小3/4 中堅2/3 |
補助下限額は一律100万円となっており、「グリーン成長枠」の「エントリークラス」に申請する中堅企業および「スタンダードクラス」「サプライチェーン強靭化枠」以外の補助上限は従業員数によって異なります。なお、2023年は「通常枠」の募集は予定されていないようです。
事業再構築補助金の申請代行はトライズコンサルティングへ!
当社トライズコンサルティイングでは、国が認定経営革新等支援機関として認める代表の野竿をはじめとした補助金の専門家がクライアントの補助金の申請を徹底サポートしています。事業再構築補助金の申請の際には、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。
まとめ
2023年に募集される事業再構築補助金のポイントと概要について解説しました。
事業再構築補助金は毎回2万社が応募する人気の制度で、2023年も多くの申請が予想されます。採択率を高めたいのであれば、申請をサポートする機関へ依頼することをおすすめします。 当社トライズコンサルティイングでも事業再構築補助金の申請サポートを行っています。相談は無料となっておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。