2022年1月に採択された第8次ものづくり補助金の事例として、株式会社タカノ様の代表取締役 髙野 正朗様、髙野 康子様にお話を伺いました。
社名・事業内容
- 社名:株式会社タカノ
- 事業内容:各種コンベア設計・製作据付メンテナンス業、一般製缶業、その他工場設備関連業、各種省力機器業
採択された補助金・補助金額
- 採択された補助金:ものづくり補助金(第8次)
- 補助金額:867.6万円
補助金を申請しようと思った理由
野竿:まず、補助金を申請しようと思った理由を教えていただけますか?
髙野社長:機械を購入することが目的でした。実は2度補助金の申請をトライしたのですが、いずれも採択してもらうことができませんでした。
コロナ禍になったタイミングで、当社の会計士がものづくり補助金の申請要件が緩くなってきていることを教えてくれました。そこで、しっかりとサポートしてくれる会社をインターネットで探し、御社に出会うことができました。
当社を選んだ理由
野竿:どういった理由で当社を選んでいただけたのでしょうか?
髙野社長:何社かホームページを見て検討しました。その中で、御社のホームページを拝見して、「補助金の申請に強そう」だと感じました。そのため、社長の私の独断で御社にお願いしようと決断し、選ばせていただきました。
野竿:ありがとうございます。記事などもお読みいただいたのでしょうか?
髙野社長:読みました。御社のホームページは全部見させてもらいました。その上で、この会社だったらやってくれそうだと思い、ご依頼を決断しました。
当社への満足度
野竿:補助金が採択され、申請と補助金入金までサポートをさせていただきました。正直ベースで大丈夫ですので、当社に対する満足度をお伺いできますか?
髙野社長:すごく満足しています。ものづくり補助金事務局の担当者の方が非常に細かい方で、当社では対応が到底できるものではないと感じました。そういった方への対応も含め、さまざまなサポートをしていただきました。
担当者とのコミュニケーション
野竿:当社メンバーとのコミュニケーションはいかがでしたか?
髙野康子様:貴社の担当者の方には、本当に良くしていただきました。ものづくり補助金事務局の方から聞かれることに対してたくさん相談させていただきました。仕事の関係というよりも、友達関係みたいな感じで対応していただけましたね。こういった後ろ盾があるだけでも、精神的に楽になりました。
野竿:ありがとうございます。ご不満などはありませんでしたか?
髙野社長:まったくありません。一切ないです。打ち合わせの際に、非常に細かな点まで考えてくれていると感じました。私が最初に依頼した会社さんとはまったく異なりました。
実際に作成していただいた書類も、前の会社さんが作ってくれたものとはまったくクオリティが違ったため、今回は採択してもらえるという確信がありました。
事業計画書の作成
野竿:良かったです。細かいというのはどういった点でしょうか?
髙野社長:私が最初に依頼した会社さんは、ストーリーばかりを考えていました。この機械を導入することによって、こういう産業に進出して、売上がいくらくらい伸びて……と。
一方で、御社は技術的に細かいところまで調査してくださり、事業計画書のクオリティが全然違うと本当に驚きました。
野竿:当社では、そういった細かい技術や加工精度、納期などに関する情報も大事だと考えています。
髙野社長:まったく異なる業界のことなのに、よく調べられたなと感心しました。
野竿:最初はもちろん苦労しますが、専門家も当社にはおりますので対応させていただくことができます。事業計画書もご確認いただきましたが、内容はいかがでしたでしょうか?
髙野社長:まったく問題ありませんでした。
野竿:社長の想いや考えも、しっかりとすべて反映されていましたでしょうか?
髙野社長:はい、すべて反映いただいていました。非の打ち所がないくらいです。
当社が補助金申請に当たって工夫した点
野竿:当社では、「QCD」(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)を細かくわかりやすく、なおかつ優位性がわかるように工夫して事業計画書を作成させていただきました。
先ほど髙野社長が仰っていただいたように、以前の事業計画書では記載されていなかった技術的な内容やミリ単位での加工精度、納期がどれぐらい短縮できるのか、コストはどれくらい削減できるかといった内容を、始めて読む人でもわかるように工夫して盛り込ませていただきました。
補助金を活用しての今後の展望
野竿:補助金が入金され機械を導入することができ、売上や利益など補助金の貢献度はいかがでしょうか?
髙野社長:大きく貢献してくれています。機械の導入によって、外注に出していたものを出す必要が一切出さなくなったため、コストを大きく抑えることができ、結果として利益を生むことができています。
たとえば曲げ加工の単価はさほど大きくはありませんが、外注に出すのか自社でやるかでコストが大きく異なります。あとは、機械の導入によって自社で対応することが可能になったため、納期を圧倒的に短縮することができています。
去年・一昨年くらいから業務内容を変更しており、当社がメーカーのように動くようになっています。そういった体制にしていくためには、外注へ依存するのではなく、内製化を進めていかなければならないという想いがありました。今回のものづくり補助金の活用は、メーカーとして事業を行っていくための動きの第一弾だと考えています。
野竿:今後また新しい機械の導入で補助金の申請しようと現在も動いていらっしゃいますが、それもメーカーとして事業を行っていくための一環でしょうか?
髙野社長:はい、そうです。現在導入しているものは「汎用旋盤」というものなので、自社でできることが限られています。そのため、いまだ多くのものを外注している状況です。そこを内製化することができれば、売上と利益を改善することができます。
また、「NC旋盤」というものを導入することによって、「数物(かずもの)」に対応できるようになります。数物の加工品や半導体関連を受注していますが、当社では対応ができないため外注先に依頼しています。それらをすべて当社で加工できるようにできれば、利益を高めることができます。
野竿:「数物」とはどういうもののことでしょうか?
髙野社長:たとえば、ロット(最小単位の出荷数量)が1,000個や2,000個といった少ないもののことです。それを汎用旋盤で対応すると、非常に大きな手間が掛かってしまいます。
しかし、今回申請する予定のものづくり補助金が採択されたたら、「NC旋盤」を導入する予定です。NC旋盤は半自動化されているため、人はコンピューターをセットし見ていれば良いだけになります。
野竿:なるほど。今回もものづくり補助金が採択されるように支援させていただきますが、2年後、3年後、5年後など、今後の展望はお持ちでしょうか?
髙野社長:はい、あります。現在当社は10人ほどの会社ですが、30人ほどの規模にしていきたいですね。
また、業務内容の幅もより一層拡大していきたいと思っています。当社はコンベアが主体ですが、それ以外にも付属する設備を拡大していきたいと考えています。「タカノに頼めば何でもできる」と思ってもらえるようにしていきたいです。
野竿:どうもありがとうございました。これからも補助金をうまく活用して、貴社の事業を大きくしていきましょう。当社も最大限のサポートさせていただきます。